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これからの時代、ネットワークを構築する重要性はますます高くなっています。
一方で、ネットワークの活用法は、年代によって変わってきます。
本記事では、20~30代の若手ビジネスパーソンにとって、おすすめの活用の仕方をご紹介します。
20代『キャリアの選択肢を知ろう』
20代は、自身のキャリアの方向性を確立することが重要な時期です。
多くの方は、いったん就職したものの、まだまだ「自分が本当にやりたいことは何だろう」「他にもっと合う仕事があるのではないか」といった悩みを持っていると思います。
一方で20代は、まだまだキャリアの方向転換が可能な時期でもあります。
やりたいことの方向性が明確ではない方は、できるだけ幅広い人たちと出会い、キャリアの選択肢を知っていきしょう。
幅広い選択肢を知る手段は、ざっくりと2つあります。
- ①社内で幅広い職種を知る
- ②社外で他業界や他社について知る
①社内で幅広い職種を知る
入社後、自分が配属された部署が、自分にとってベストとは限りません。
幅広い職種を知るために、できるだけ他部署の先輩と意識的に出会う機会を持ってみてください。
全社横断プロジェクトがあれば積極的に手を挙げてみたり、社内の同期から尊敬している先輩を紹介してもらったりと、自分に合った方法を探してみましょう。
②社外で他業界や他社について知る
20代であれば、多くの方が、学生時代に就職活動し内定を得た、1社目の会社で働いている時期でしょう。
社会人経験のない学生の企業選びはなかなか難しく、皆さんも苦労されたと思います。
実際に働いてみて、学生の頃とは違う景色が見えてきたのではないでしょうか?
「他にもっと合う仕事や会社があるのではないか」と迷いが出てきた人もいるかもしれません。
20代のうちはプライベートの時間も利用して、できるだけ多様な人と出会える場に出向くことをおすすめします。
たとえば、社会人スポーツサークルや、ビジネススクールなど、自分が楽しみながら参加できそうな場に飛び込んでみてください。
社外の人とつながりを持ち、コミュニケーションを取ることによって、転職せずとも「疑似体験」のようなものができます。
自社以外の業界や会社に関する「生の声」を聞けるからです。
自分のやりたいことは、自分の価値観との対話によって生まれてきます。
そして、それに刺激を与えてくれるのが、自分とは異なる価値観を持った他人なのです。
30代『利益をもたらす人脈を作ろう』
これまでの仕事の経験がベースとなるため、20代に比べたら、キャリアの方向性もぼんやりと見えてきている時期です。
30代は、自身のキャリアに利益をもたらしてくれそうな人たちにフォーカスを当てて、人脈を築いていきましょう。
人脈のベクトルは、こちらの2つがおすすめです。
- ①専門性を深めるための人脈
- ②新たな気づきやチャンスを得るための人脈
専門性を深めるための人脈
例えば、マーケティングを専門とする場合、マーケティング関連のカンファレンスやセミナーに足を運び、積極的に他社の人に出会ってみましょう。
ネットや書籍にはない「ぶっちゃけ話」を聞けたり、情報交換を通してマーケティング業界のトレンドを知ることができ、専門性を深めていくことができます。
新たな気づきやチャンスを得るための人脈
30代になれば、ある程度自分の興味のある方向が分かってくる時期です。
たとえば、「営業から営業企画やマーケティングといった仕事にキャリアを拡げたい」「自分は民間企業よりもNPOに興味があるかもしれない」など、いろいろあると思います。
そうすると、自分のキャリアに関して、新たな気付きをくれたりチャンスをもたらしてくれる人と、つながりを持つことが大事になってきます。
どういう所に行くとその人たちに出会えるのか、戦略的に考え、行動に移していきましょう。
また、社外に出るだけでなく、今の仕事で出会う取引先の方との良好な関係づくりも心がけてみてください。
転職や副業の話は、「取引先で仲良くなった人から来た」ということもよく耳にします。
ネットワークは「ギブ&テイク」
ネットワークでつながれるのは、「ギブ&テイク」が成り立つ人同士です。
なので、つながりたい相手にとって、自分はどのように貢献できるのか、という視点も重要となります。
自分がイメージした人たちと出会った時に、瞬時に印象付けられるように、「自分のことを語れるキーワード」を3つぐらい用意しておくことをおすすめします。
ネットワーク作りにおける注意点
目的があいまいなまま、「とりあえず」異業種交流会やセミナーに足を運ぶというのは、時間の無駄なのでやめましょう。
単に名刺の数を増やすだけでは、意味がありません。
自分のキャリアや仕事にどう結び付くかしっかりと考えて、目的と合致したものに参加しましょう。
まとめ
今回は、20~30代それぞれにおすすめなネットワークの活用法について、ご紹介しました。
効果的に活用し、ぜひキャリアの選択肢の幅を拡げていってみてください。
著者情報
村尾 佳子(グロービス経営大学院 経営研究科 副研究科長)
関西学院大学社会学部卒業。大阪市立大学大学院創造都市研究科都市政策修士。高知工科大学大学院工学研究科博士(学術)。大手旅行会社にて勤務後、総合人材サービス会社にてプロジェクトマネジメント、企業合併時の業務統合全般を経験。現在はグロービス経営大学院にて、事業戦略、マーケティング戦略立案全般に携わる。教員としては、マーケティング・経営戦略基礎、リーダーシップ開発と倫理・価値観、経営道場などのクラスを担当する。共著に『キャリアをつくる技術と戦略』、27歳からのMBAシリーズ『ビジネス基礎力10』『ビジネス勉強力』『リーダー基礎力10』がある。
※本記事の肩書きはすべて取材時のものです。