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将来、人工知能(AI)に仕事を奪われないか不安

将来、人工知能(AI)に仕事を奪われないか不安

目次

ネットメディアやビジネスの場で、「人工知能(AI)」という言葉を見聞きする機会が増えました。
それとともに、「将来AIに仕事を取って代わられるのではないかと不安だ」という声もたくさん聞きます。

これまでも同じことが起こってきた

現実的な話として、いずれAIに置き換わる仕事は、少なからずあるでしょう。
しかし、冷静に考えると、これは今に始まったことではありません
例えば、第二次産業革命の時には、人がやっていた作業が機械に取って代わられました。
確かにその仕事に従事していた人は、一時的に仕事がなくなりました。
その一方で、その機械を操作する職業など、また別の仕事も生まれました。
つまり、新しいテクノロジーが出現すると、そのテクノロジーが得意な仕事は取って代わられると同時に、その上で「人間にしかできない仕事」が生み出されてきたのです。
AIの時代になっても、その延長戦上のことが続いていくということでしょう。

今すぐ仕事がなくなることはない

そもそも、AIというのはそんなに万能なのでしょうか。
100年先、200年先の話になれば、想像しえないようなことが起きるかもしれません。
しかし、5~10年先に、あらゆる仕事が全てなくなるというのは、まだ考えにくいでしょう。

AIによって助けられる面も多い

また、少子高齢化によって人口減少が進む日本にとって、「人手不足」は深刻な問題の1つです。
今後、日本はある程度の労働力をAIやロボットで補わないと仕事が回らなくなります。
例えば、運送会社などでトラックの運転手や宅配業者に携わる人々の労働条件が問題になり、このままではサービスを継続できない可能性があるという話が話題になりました。
今後、特に日本では、AIに仕事を代わってもらわなければ、経済が回らなくなるという側面もあると思います。

AIに代替されない仕事とは?

今後、テクノロジーの進歩によって、AIができることの範囲はどんどん広がっていくでしょう。
例えば、数年前、Googleの翻訳プログラムの性能が飛躍的に向上しました。
それまでのGoogle翻訳では、思わず苦笑してしまうような日本語や英語の文章が出てきていたのに、比べると雲泥の差です。
ざっくり意味が知りたいくらいのものであればGoogle翻訳で十分という場合もたくさんあるので、高いレベルの翻訳が求められる以外の翻訳の仕事は、おそらくAIに置き換わっていくでしょう。
つまり、AIに取って替わられない仕事とは、翻訳以外の領域でも言えることですが、「レベルの高い仕事ができるかどうか」です。

AIに取って替わられないよう能力開発する

「人間にしかできないこと」「レベルが高い仕事」がしっかりとできるようになるためには、どうしたらよいでしょうか。
やはり「能力開発」が必要になってくると思います。
AIはデータをロジカルに分析することが得意な一方で、その分析自体の目的を設定したり、まったくの白紙の状態からアイデアを生むことはできません。
目的やアイデアは人間が作る必要があり、そのためには目的設定力や仮説構築力、創造力といったスキルが求められます。
そして、AIを使う側になるためには、テクノロジーに対する理解も不可欠です。
時代に応じた、知識のアップデートもしていきましょう。

まとめ

AIに対して漠然と不安だけを抱くのではなくて、やはりAIによって人間が助けられる部分があることを理解したうえで、そのAIとどうやって一緒に生きていくかを考えていかなければなりません。
怖い怖いと言っていても、テクノロジーは、間違いなくどんどん進歩していきます。
そして我々はすでに、ありとあらゆるところでAIの技術が使われた物やサービスに囲まれて生きています。

そのような環境の中で自分の価値が出せるようにしていくために、どんな能力開発をしていけばいいのかと言うことを前向きに考えていきましょう。

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著者情報

田久保善彦(グロービス経営大学院 経営研究科 研究科長)

田久保善彦(グロービス経営大学院 経営研究科 研究科長)

慶應義塾大学理工学部卒業、修士(工学)、博士(学術)、スイスIMD PEDコース修了。株式会社三菱総合研究所にて、エネルギー産業・中央省庁・自治体などを中心に、調査、研究、コンサルティング業務に従事。現在グロービス経営大学院にてマネジメント業務・研究等を行なう傍ら、リーダーシップ開発系思考科目の教鞭を執る。著書に『ビジネス数字力を鍛える』『社内を動かす力』、共著に『キャリアをつくる技術と戦略』、27歳からのMBAシリーズ『ビジネス基礎力10』『ビジネス勉強力』『リーダー基礎力10』等がある。

※本記事の肩書きはすべて取材時のものです。

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