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物事が目まぐるしく変化する中では、自分自身もその変化に対応するために変わって行く必要があります。
そのためには「自分の強みは何か」を考え、常に能力開発をしていかなければなりません。
では、どのようにして「強み」を見つければよいのでしょうか。
若手ビジネスパーソンの方からは、「『自分が何をしたいか考えろ』と言われても、どうしていいかわからない」といった声もよく聞きます。
キャリアの方向性を考える「3つの円」
これからのキャリアの方向性が、能力開発において大きく関わることは言うまでもありません。
キャリアを考える際には「3つの円」の考え方が役立ちます。
3つの円が重なったところが、仕事としてうまくいきます。
- 1「何ができるか」自分の強みの部分です。
- 2「何がしたいか」情熱を持って取り組めるものです。
- 3「経済的に成り立つか」満足な収入が得られるかです。
どれか1つでも欠けると、キャリアの方向性としては不安定なものになるでしょう。
能力開発でキャリアの選択肢を増やす
能力開発とは、1つ目の円「何ができるか(自分の強みの部分)」を大きくしていくことです。
1つ目の円が大きくなると、2つ目と3つ目の円がたとえ変わらなかったとしても、どんどん重なる部分が増え、キャリアの選択肢も増えていきます。
2つ目の円から「強み」を増やしていく
2つ目の円「何がしたいか」を起点に、1つ目の円「何ができるか」を増やす方法もおすすめです。
特に若手ビジネスパーソンの方は参考にしてみてください。
なぜなら、若い方ほど、絶対的に1つ目の円が小さいからです。
現在の強みは大事ですが、それにこだわりすぎないようにしましょう。
こだわりすぎると、1つ目の円は狭いままです。
職業人人生を50年とした場合、若い方ほどゼロベースで自分の強みを作り直すことが可能です。
2つ目の円「自分は何がしたいか」を起点に、1つ目の円「何ができるか」が重なっていない状態であるなら、重なるためにはどんなスキルを獲得する必要があるか、考えていきましょう。
もし社内の能力開発環境が不十分であると感じたら、外部の機関で学び強みを作っていくというのも1つの手です。
例えば、私が教員を務めるグロービス経営大学院では、マーケティングや経営戦略、リーダーシップ、思考力を鍛える講座など、ビジネススキルを学べる講座が豊富にあります。
講座は2週間に一度、計6回の開催。
3ヵ月でかなり思考の仕方が変わりますので、ぜひ検討してみてください。
またグロービス経営大学院では、随時オンラインにて『無料体験クラス』を実施しています。
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紙に書いて頭の中を整理する
では、2つ目の円「何がしたいか」はどうやって見つければよいでしょうか。
方法の1つとして、紙に書きだしていくものがあります。
「中学校以降くらいで自分はどんなことにワクワクしてきたか」「どんな時に自分は一番仕事の中で良い成果を上げられたか」「逆に何を自分は本当にいやだと思ったか」などを、紙に書き出してみましょう。
紙に書き出し、目に見える形にすることで、頭の整理が進みます。
もちろん、1度紙に書いたからといってきれいに整理できるわけではありません。
しかし、そういうことを積み重ねるのと積み重ねないのとでは大きく異なります。
「こういうことを大事にしてるんだな」という自分の価値観が見えてきたり、自分が望んでいる状況がわかってきたり、自分がやりたいことが少しずつ見えてくるでしょう。
事前に「探り」に行ってみる
「やりたいこと」だと思っていたけど、実際には違ったというケースもあるかもしれません。
例えば、情熱を持って転職してみたが実際には合わなかった、などです。
このようなミスマッチを減らすために、事前に「探り」を入れてみるのがおすすめです。
自社以外の仕事の片鱗に触れることは、昔に比べれば大分やりやすくなりました。
たとえば、近いようなことをやっているNPOに参画してみる。
近い仕事をしている友人に話を聞いてみる。
週末そういう会社を見学させてもらう、などです。
納得のいくキャリアを実現するためには、実際に「探りに行ってみる」といったアクションを行うことも重要です。
まとめ
正解がないゆえに、どんなキャリアを歩めばよいのか、悩まれる方も多いでしょう。
今回ご紹介した「3つの円」をイメージし、自身がアプローチしやすいと思える円を起点に考えていってみてください。
著者情報
田久保善彦(グロービス経営大学院 経営研究科 研究科長)
慶應義塾大学理工学部卒業、修士(工学)、博士(学術)、スイスIMD PEDコース修了。株式会社三菱総合研究所にて、エネルギー産業・中央省庁・自治体などを中心に、調査、研究、コンサルティング業務に従事。現在グロービス経営大学院にてマネジメント業務・研究等を行なう傍ら、リーダーシップ開発系・思考科目の教鞭を執る。著書に『ビジネス数字力を鍛える』『社内を動かす力』、共著に『キャリアをつくる技術と戦略』、27歳からのMBAシリーズ『ビジネス基礎力10』『ビジネス勉強力』『リーダー基礎力10』等がある。
※本記事の肩書きはすべて取材時のものです。