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『テロール教授の怪しい授業』に学ぶ!日常に潜む魔の手から身を守る方法

『テロール教授の怪しい授業』に学ぶ!日常に潜む魔の手から身を守る方法

目次

参加者同士で自分の気に入った本を持ち寄り、その本の魅力を紹介するゲーム「ビブリオバトル」。
本記事では、社会人向けビジネススクール・グロービス経営大学院の公認クラブ「グロービスMBAマンガ研究会」で行われた「マンガビブリオバトル」の様子を10回にわたってお届けします。
身近なマンガという題材から、グロービスの学生はどんな学びを得ているのでしょうか?
明日からの仕事への活力となるような名作マンガに、出会えるかもしれません。

プレゼンターのプロフィール

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授業の内容はなんと「テロとカルト」

今日皆さんにご紹介したいのがこちらですね、『テロール教授の怪しい授業』です。
物語の舞台が大学なので、我々も親近感があるかなと思います。

なんですけど...!
今Zoom背景にもしている、ものすごい表情をしている人が話を回していきます。

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ただですね、このローレンツ・ゼミ教授、けっして怖い人ではないんですよ。
教授が教える内容は「テロとカルトの真実」という奇抜なものですが、大きな枠でとらえればグロービスの授業にも通ずるものがあります。
例えば今三巻まで出てるんですが、グロービスの講座でいうと、一巻が『クリティカル・シンキング』、二巻が『戦略コミュニケーション』、三巻が『パワーと影響力』のような話になっています。
我々もいろんな授業を受けますが、結局、考え方のベースとなる『クリティカル・シンキング』に帰っていきますよね。
この漫画でも同じく、「テロリストとはどのような人か」「テロリズムとは何か」を定義する一巻がベースとなります。

二巻は東京オリンピックを題材にしており、現実の方が漫画を凌駕していたのであまり言うことはないんですけど、「自分がテロリストになったらオリンピックどうするか?」ということをとても分かりやすく書いています。
個人的に「おっ」と思ったのが、二巻で出てくる「ナラティブ」という言葉ですね。
一言でいえば、「語られるストーリーの力」のことです。
「よく作者は漫画で取り上げたなあ」と思うんですよ。
なぜなら、漫画自体もストーリーなので、下手したら作者のカルロ・ゼンや石田点自身にブーメランとして返っていくものですよね。
それをやっちゃう豪胆さが好きですね。
やっぱりこうゆう顔を描ける人は豪胆なんですよ。

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「自分はだまされない」そう思っていても危険

私が『テロール教授の怪しい授業』をおすすめしたい理由の1つは、物語を通して伝わってくる「作者の誠実さ」です。
ローレンツ・ゼミ教授は、だまされやすそうな学生たちを集めて、将来テロリストにならないように授業を行うのですが、カルトや大学の偽装サークルといった、いわゆる"その道のプロ"の手口と回避方法をきちんと説明するんですね。

例えば、カルト集団は常套手段として、まず始めにターゲットから周囲との関係を絶たせて孤立させる。
そこにつけ込み、自分たちの団体だけに帰属意識を持たせる。
では、それを回避するためにはどうすべきか。
教授は、とにかく「逃げろ」と言うんですね。

カルトの例として、オウム真理教が出てくるんですが、刑判決を受けた一人は元々オウムから友人を助け出そうとした人だった、というエピソードが出てきます。
「自分はだまされない」
「自分は大丈夫」
そう思っていてもカルトは危険だということが分かります。

自分の身を守れるのは自分。「未知のもの」とどう向き合う?

また、私たちは日々の生活を送る中で、今まで自分が考えも想像も意識もしなかった、「未知のもの」に遭遇することってありますよね。
今回の漫画ビブリオバトルでも、突然脱ぎだす人とか
フリップ芸をする人がいます(笑)。

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(ナチュラルに他プレゼンターを「未知のもの」扱いする内藤さん)

自分の能力や意識を超えた「未知のもの」との出会いは、ポジティブな影響をもたらしてくれる場合もあれば、ネガティブなものになる場合もあります。
この漫画は、そうした「未知のもの」への向き合い方と、どんな人とでもある程度の距離感というか、自分と他者の線引きをしていく必要があることを教えてくれます。

登場するキャラクターも「日常でいそうだなあ」という人ばかりなんですよね。
「このキャラって〇〇さんだよね」と置き換えて想像してみるのも、面白さの1つではないかと思います。

勉強になるエピソードが多い作品です。
ぜひお手にとって読んでみてください!

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著者情報

新宅 千尋(グロービス経営大学院 大阪校 スタッフ)

新宅 千尋(グロービス経営大学院 大阪校 スタッフ)

神戸大学理学部生物学科卒業、京都大学大学院生命科学研究科修士課程修了。幼少期より「思考や感情の発生」に興味があり、独学で心理学や脳科学を学ぶ。一方、「内なるものの表現」にも関心があり、10年ほどアトリエ教室に通う。学士/修士課程では脳の再生の基礎研究に従事。新卒で大手総合通販会社に入社後、Webマーケティングチームに配属。心理学や行動学の知識とアトリエ教室で培った感性を融合させ、売上や購入率向上に貢献。その後、社内から「人の力」で会社を強くしていく人材教育領域に興味を持つようになり、次世代のビジネスリーダー育成と輩出を目指す、グロービスに転職。グロービス経営大学院のコンテンツメディア企画チームに所属し、自身のキャリアに悩んだ経験から、グロービスキャリアノート制作・運営に携わる。

※本記事の肩書きはすべて取材時のものです。

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