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参加者同士で自分の気に入った本を持ち寄り、その本の魅力を紹介するゲーム「ビブリオバトル」。
本記事では、社会人向けビジネススクール・グロービス経営大学院の公認クラブ「グロービスMBAマンガ研究会」で行われた「マンガビブリオバトル」の様子を10回にわたってお届けします。
身近なマンガという題材から、グロービスの学生はどんな学びを得ているのでしょうか?
明日からの仕事への活力となるような名作マンガに、出会えるかもしれません。
プレゼンターのプロフィール
これこそバレー漫画のパイオニア!
まずタイトルですね、「健太やります!」。
これ英語にすると、
"Kenta will do"
もうシンプル!
グロービス生に欠かせない、そう、コミットメントですね!
だから私も宣言します。
一人でも多く読む気にさせます!祐樹もやります!!
ということで、今回はオリジナル・フレームワーク「3B分析」を使って、プレゼンします。
1つ目のBは、BackbornのBですね。
この漫画の背景を説明します。
ジャンルは、高校バレーを題材にした、王道中の王道のスポ根漫画です。
今でこそ、ハイキューや神様のバレーなど、数多くのバレー漫画がありますが、この作品の連載が始まったのは1988年。
この作品以前なんて、アタックNO.1くらいしかない、非常にニッチなジャンルです。
まさに、バレー漫画のパイオニアなんですね。
そして当初の登場人物は、凄腕セッターの稲場に、二年生トリオの河野・原・佐々木、裏主人公とも言われるエースの前田、そして、主人公の井口健太。
6人という、試合を行うならギリギリのメンバーから始まるんですね。
人的資源がこんなに限られているというのは、まさに創成期のスタートアップベンチャーみたいなもんですね。
「感動のサブスク」「漫画界のアマプラ」止まらない名言
2つ目のBは、BeatのB、胸を打つ作品の魅力ですね。
登場人物の多様性と、もれなくついてくる感動エピソード!
言っとくけど、本当にいちいち感動します。
主人公は164cmという、バレーをするにはけっして恵まれているとは言えない身長。
レシーブくらいしかできないんですけど、私自身この漫画をバイブルに高校までの8年間の部活をなんとか最後までやり遂げました。
サッカー部ですけどね、はい。
そして、何より脇を固める登場人物の人間臭さ。
最後の大会を前にレギュラーから外れる先輩、強豪校と弱小校、いずれの境遇でも苦しみもがくライバルたち、青春時代の後悔を忘れられない指導者、母性全開のマネージャー。
もう主人公が誰だか分からなくなるくらい、みんな輝くんですね。
感動が積み重なって徐々に大きくなっていく作品はあっても、ずっと感動し続けれる作品って、なかなかありませんよね。
まさに、感動のラリーなんです。
ビジネス的に言えば、感動のサブスクですね!
いや、漫画界のアマプラですね!!
そしてね、彼らの過ごした2年間をたったの26巻で体感できるこのコスパ。
ちなみに私、復習を兼ねて一気読みしましたけど、5時間でした。
お得~~!
作品への想いがあふれ、突然始まる寸劇
最後のBはもちろん、BusinessのBですね。
なぜグロービス生に勧めるのか、それは健太のポジションと役割の変遷なんですね。
一年時のレシーバーから始まって、司令塔のセッター、そして、先輩を差し置いて新キャプテンになるんですね。
でも、そこから2年でセッターポジションを後輩に奪われちゃうんです。
本当に健太は多様な境遇を経験します。
この漫画を読んでおくと、環境や心境の変化があった時の心のワクチンになります。
ということで、最後の26巻、珠玉のワンシーンを再現しますね!
(「やばい脱ぎだした」「まさか」「落語家のようだ」ざわつくチャット欄)
県大会決勝、宿敵の誠陵高校との一戦はフルセットを迎え、一点差で相手のマッチポイント。
健太はそこで最後のタイムアウトを取ります。
みなさん、チームメイトになったつもりで想像してくださいね。
はい、じゃあその場面の健太をやりま~す!
「この会場、暑いね~。エアコン入ってないのかな~?(やや裏声)」
落ち着きつきすぎてる健太に、たまらず指示を仰ごうとするチームメイト。
そこで健太はこう言います。
「今までの目標は、誠陵に勝つことや全国大会に出ることだったかもしれない。でも、もう違う。今日からは日本一目指そうせ...!」
(小道具のタオルを首に巻き、役に入り込む佐藤さん)
出た~~!!
視座、いや志を爆上げするこの言葉。
もうチームメイトが「ハッ...!」っとするんですよ。
そしてあふれ出る、ナチュラルコミットメント。
「日本一か...。悪くねえな...。」
もうね、健太がここまでのリーダーに育った成長の軌跡、読みたくなんないわけないですよね。
僕もコミットした、健太もチームメイトもコミットした、あとはもうコミットする人、決まってますよね。
そう、みなさんですよね。
(耳に手をあて)
「健太...読みます!!」
はい、ありがとうございました~!
著者情報
新宅 千尋(グロービス経営大学院 大阪校 スタッフ)
神戸大学理学部生物学科卒業、京都大学大学院生命科学研究科修士課程修了。幼少期より「思考や感情の発生」に興味があり、独学で心理学や脳科学を学ぶ。一方、「内なるものの表現」にも関心があり、10年ほどアトリエ教室に通う。学士/修士課程では脳の再生の基礎研究に従事。新卒で大手総合通販会社に入社後、Webマーケティングチームに配属。心理学や行動学の知識とアトリエ教室で培った感性を融合させ、売上や購入率向上に貢献。その後、社内から「人の力」で会社を強くしていく人材教育領域に興味を持つようになり、次世代のビジネスリーダー育成と輩出を目指す、グロービスに転職。グロービス経営大学院のコンテンツメディア企画チームに所属し、自身のキャリアに悩んだ経験から、グロービスキャリアノート制作・運営に携わる。
※本記事の肩書きはすべて取材時のものです。