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『チ。』に学ぶ!常識や同調圧力にも揺るがない、確固たる信念

『チ。』に学ぶ!常識や同調圧力にも揺るがない、確固たる信念

目次

参加者同士で自分の気に入った本を持ち寄り、その本の魅力を紹介するゲーム「ビブリオバトル」。
本記事では、社会人向けビジネススクール・グロービス経営大学院の公認クラブ「グロービスMBAマンガ研究会」で行われた「マンガビブリオバトル」の様子を10回にわたってお届けします。
身近なマンガという題材から、グロービスの学生はどんな学びを得ているのでしょうか?
明日からの仕事への活力となるような名作マンガに、出会えるかもしれません。

プレゼンターのプロフィール

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「世の中チョロい」そんないけすかない優等生に訪れる転機

みなさんに紹介したい1冊は、『チ。―地球の運動について―』という作品です。
ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、改めて作品の説明をします。

この作品は、2020年9月に連載開始。
連載開始からわずか半年で、『マンガ大賞2021』で第2位を受賞。
現在も大好評連載中の1冊です!

「まだ完結していないの?」と思った皆さん。
かつて『北斗の拳』や『ドラゴンボール』がそうだったように、この漫画もリアルタイムで読んでいることが誇れる1冊になること間違いありません!!

7dc736145f00f05f744ff4dc1d7813714dc6cdd3.jpg(漫画『チ。』の一場面をバックに、プレゼンをスタートする星野さん)

そんな前置きはさておき。
この本のあらすじを、ネタバレをしないように簡単にご説明します。

時代は15世紀前半、中世ヨーロッパ。
ポーランドがモデルとなっているP王国が、物語の舞台です。
この国で信仰されている宗教、C教というのですが......ぶっちゃけキリスト教です。
すみません、キリスト教徒のみなさんごめんなさい。
もうちょっと言いますと......
C教の教義に従わない者は異端者として弾圧し、最悪処刑されてしまうという社会でした。

主人公であるラファウは、12歳という若さで大学への進学が決定し、将来を有望視されているという非常に優秀な少年です。
もともと孤児だったラファウは世渡り上手で、「合理性に基づいて生きれば快適に過ごせる」という考えの持ち主でした。
そんな考えを持った彼は、非常に理不尽な世の中でも「世の中チョロい」と思うくらいには成功していたんですね。

しかし、彼を育ててきた養父から、進学を機に趣味の天文学をやめるように言われるんです。
なぜかというと、「この宇宙は地球を中心にまわっているという」というのがC教の教義で、それ以外の考え方は異端とみなされ、弾圧されてしまうからです。

なので、養父はラファウに対して、天文学ではなく神学を学ぶように忠告したんです。
ラファウ自身も「それは仕方ない」と思っていたんですが、ある日転機が訪れる――というところから物語がスタートします。

a09c551287193cf183bfbd5c10278c35c4ebe4ad.jpg(チャットでは「1巻ショックでした」「最近の話のが結構ショックだった」と、すでに読んでいる学生からのコメントが......)

心を打つ言葉やセリフが、山盛り

この話を聞いてピンときたあなた。
そうです、この話は「地動説」と「天動説」の話なんです。

※地動説...宇宙の中心は太陽であり、地球はほかの惑星とともに太陽の周りを自転しながら公転しているという学説。

※天動説...地球が宇宙の中心にあって、他のすべての天体はその周りを公転しているという学説。

なぜこの本を、皆さんに読んでもらいたいのか。
はじめにお伝えしておくと、この漫画には、剣も、魔法も、特殊能力も、イケメン主人公も、かわいいヒロインも、一切出てきません!

でも、なぜか心を打つ言葉やセリフが山盛りです。
あとがきや裏表紙まで、てんこ盛り。

主人公ラファウをはじめとする登場人物たちが、それぞれの環境の中で自分の信念に基づき、真実に辿りつこうとする物語です。

26ce03a4cdfaac201493c760d1b9fa9bf8980b1f.jpg(一度読んだら忘れられない言葉やセリフが、きっと見つかるはず)

登場人物のひたむきさが、仲間と重なる

この漫画を読んでいて、「なんかすごく響くな」と思っていたんですね。
なんでかなと思っていたら、グロービスで学んでいる皆さんと重なるんですよ。
とくに、「クリティカル・シンキング」を学び始めたときの皆さんに重なるんですね。

※ピラミッドストラクチャー...論理の構造をつくるためのフレームワークのこと。

なんかもう一生懸命ピラミッドストラクチャーを作り上げては壊して、壊してはまた作る......というのをやっているような。
ひたすら取り組むという姿勢が、この漫画の中にはすごくにじみ出ています。
ピラミッドストラクチャーが完成した時のような感動が、この漫画からも得られると思います。

「自分の信念って、なんだろう?」

この物語のひとつのテーマ、私は「知性と健全な批判」だと思っています。
コロナ禍の今だからこそ、常識や同調圧力ではなく、自分が信じる考えを探していく。
「自分の信念や純粋に興味のあることを突き詰めていくことってなんだろう?」っていう志の塊みたいなものが、この漫画の中にはゴロゴロ詰まっています。
もう本当に、騙されたと思って読んでいただきたい1冊です。
ぜひ私と、このタイトル『チ。』について語りましょう。
この漫画が、あなたの志を改組する1冊になるかもしれません。

>>他のグロービス生がおすすめする漫画は、こちら!

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著者情報

池田 桃香(グロービス経営大学院 大阪校 スタッフ)

池田 桃香(グロービス経営大学院 大阪校 スタッフ)

愛知県立大学外国語学部卒業。大手人材会社に入社し、コピーライターとして求人広告の制作を担当。多くの企業の採用支援に関わる中で、社会人教育に興味を持つようになり、株式会社グロービスに入社。現在はグロービス経営大学院のコンテンツメディア企画チームに所属し、コンテンツや広告の制作などに従事している。

※本記事の肩書きはすべて取材時のものです。

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