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「やるべきことがたくさんあるのに、今日もあっという間に終わってしまった」
「特別に忙しいわけではないのに、常に時間に追われている気がする」
そのような悩みを抱えている人は少なくないのではないでしょうか。
本記事では、時間の使い方が上手くなる方法や、忙しい人が時間を捻出するコツについて紹介します。
「時間の使い方が上手い」とは?
実は、「時間の使い方の上手/下手」は個々人の感覚によるものであり、明確な基準はありません。
私自身も、「今日は段取りよく進められたな」と充実感でいっぱいの日もあれば、「何も新しいものを生み出せなかったな」と不完全燃焼で終わる日があります。
しかし、少なくとも日々の生活を送るうえでこのような感覚を持てている人は、自身の時間の使い方への満足度が高く、「時間の使い方が上手い」と言えるのではないでしょうか。
- 「やりたいこと/やるべきこと」ができていて、毎日充実感を得ている。
- 時間に追われるのではなく、自分で時間をコントロールしながら生きている感覚がある。
時間の使い方が下手な人の特徴
反対に、「時間の有効活用ができていないな...」と悩む人によくみられる特徴を2つほど紹介します。
優先順位付けが苦手
物事の優先順位を決めるのが苦手だと、その時の気分でやることを決めたり、今やらなくても問題のないことに時間を費やしたりしてしまいます。
その結果、「いろいろと動いているはずなのに時間が足りない...」という状態になってしまいます。
つい楽な方に流れてしまう
「今度こそ頑張ろう!」と意気込んで勉強やダイエットの目標を立てても、「面倒だな」「楽しくないな」いう気持ちが勝って、気づいたらスマホを触っていたりと、ダラダラと過ごしている。
そのような傾向にある人も、自身が本来望んでいるような時間の活用ができていないという点で、時間の使い方が下手といえます。
時間の使い方が上手くなる方法
それでは、時間の使い方が上手くなるためには、どのようなことを意識すべきでしょうか。
「やるべきこと/やりたいこと」を洗い出す
まずは、自分が何をやるべきか、何をしたいかを明確にし、リスト化していきましょう。
「やるべきこと」は、仕事や家事に限らず、自分自身で実行の必要性を感じるキャリアアップや自己研鑽のための勉強、健康維持のための運動などが含まれます。
また、「やりたいこと」で言えば、家族や友人との交流、趣味の活動、副業などがあげられるかもしれません。
こうしたものをどんどんと書き出していってみてください。
締め切りとゴールを決める
「やるべきこと」の場合、「面倒だから今日はいいや」と楽な方へ流れたり、「明日から頑張ろう」などと先延ばしにし、結局取り組み自体が自然消滅していく可能性があります。
そのような事態を防ぐためにも、「やるべきこと」に関しては、明確に「いつまでにどのような状態になっておくか」を決めておくことをおすすめします。
例えば、英語の勉強であれば「〇月〇日のTOEICの試験で〇点とる」、転職活動であれば「〇月までには内定をもらえるようにする」などです。
優先順位をつけ、計画を立てる
当然、時間は有限なので、「やるべきこと/やりたいこと」を全てをこなすことは困難です。
締め切りの設定ができたら、優先順位をつけていきましょう。
多くの方にとって仕事の時間は動かしにくいと思われますので、それ以外の時間をどう過ごすか時間配分を決めていくイメージです。
優先順位をつける順番は、「やるべきこと」→「やりたいこと」です。
ただし、「やりたいこと」は日々の生活の満足度を上げてくるうえで重要な要素なので、「やるべきこと」への時間配分が偏りすぎないように調整していきましょう。
時間配分は、できるだけ具体的に日々の行動をイメージしやすいよう、1日~1週間くらいの単位で設定していくことをおすすめします。
勉強やダイエットなど、ある程度継続して取り組まなければならない目標の場合は、中期~長期計画を立てたうえで、逆算して1日単位の計画に落とし込むようにしてみください。
集中力を高める
時間の質は、目の前のことだけに集中して取り組めるようになるとぐっと高まります。
作業をするうえで気をそらす物は周囲から排除し、情報として入ってこないように作業環境を整えたり、睡眠をしっかりととって脳や身体のコンディションを整えるようにしてみてください。
また、なるべく頭がスッキリしている午前中に集中力を要するタスクを意識して行うこともおすすめです。
忙しい人が時間を捻出するコツ
「そうは言っても、やるべきことが多くて時間が足りないよ...」と悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。
忙しい人が時間を捻出するために実践しているポイントを4つ紹介します。
現状の時間配分を可視化して「やらないこと」を決める
次は、「やらないこと」を決め、浮いた分で時間を作る方法です。
1日の中で自分が何にどのくらいの時間を使っているかを書き出してみてください。
それができたら、「緊急性」と「重要度」の2軸で分類していきましょう。
例えば、このような感じです。
- A:「緊急」かつ「重要」(例:試験日の近い資格の勉強)
- B:「緊急」ではないが「重要」(例:家族や友人との交流)
- C:「緊急」だが「重要」ではない(例:乗り気ではない仕事の飲み会)
- D:「緊急」でも「重要」でもない(例:SNSやYoutubeをなんとなく眺めている時間)
ここで「やらないこと」候補として仕訳けられるのが、CとDに分類されるものです。
Cは場合によっては難しいこともありますが、Dに費やしている時間は極力減らしていけるように見直していくようにしてみてください。
「スキマ時間」や「ながら時間」を活用する
忙しくてまとまった時間がとれないといった方には、日々の生活の中で生じるちょっとした時間を有効活用し、小分けに時間を捻出していく方法をおすすめします。
例えば、移動時間や、予定と予定の間の時間、夜寝る直前の時間など、5~10分でもそういったスキマ時間を見つけたら、ニュースアプリを見たり、メールのチェックをする。
こういったことの積み重ねによって、意外と時間は確保できます。
また、何かをしながら同時進行で何かをする「ながら時間」の活用もおすすめです。
例えば、朝の支度や家事をしている時に、音声メディアやYoutubeで情報収集をするなどです。
時短家電を取り入れる
便利グッズを活用することで、ルーティンにかけている時間を減らすことができます。
例えば、食器洗い機やロボット掃除機、乾燥機付きの洗濯機など、家事を楽にしてくれる家電を積極的に取り入れてみてください。
まとめ
時間を上手く活用していく方法についてお伝えしました。
行動を少し変えていくだけでも、日々の積み重ねによって大きく変わってきます。
一日の終わりに「今日も有意義だったな」と思えるために、まず自分は何から変えていくべきかを棚卸してみてください。
著者情報
村尾 佳子(グロービス経営大学院 経営研究科 副研究科長)
関西学院大学社会学部卒業。大阪市立大学大学院創造都市研究科都市政策修士。高知工科大学大学院工学研究科博士(学術)。大手旅行会社にて勤務後、総合人材サービス会社にてプロジェクトマネジメント、企業合併時の業務統合全般を経験。現在はグロービス経営大学院にて、事業戦略、マーケティング戦略立案全般に携わる。教員としては、マーケティング・経営戦略基礎、リーダーシップ開発と倫理・価値観、経営道場などのクラスを担当する。共著に『キャリアをつくる技術と戦略』、27歳からのMBAシリーズ『ビジネス基礎力10』『ビジネス勉強力』『リーダー基礎力10』がある。
※本記事の肩書きはすべて取材時のものです。