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ビジネスで必須!傾聴力を高めて円滑なコミュニケーションをとろう

ビジネスで必須!傾聴力を高めて円滑なコミュニケーションをとろう

目次

仕事は、コミュニケーションの連続です。
考え方や性格は人それぞれなので、思い通りにいかず悩むこともしばしば。
話がうまい人が、コミュニケーション能力が高いとは限りません。
意外と見過ごされがちなスキル。
それが、傾聴力です。

傾聴力とは

傾聴とは、相手の話に耳を傾けること。
ただ話を聞くだけではなく、相手をより深く理解するために聞くことです。
心理学のカウンセリングなどに用いられるテクニックで、話の内容に加え、表情や身振り手振りにも注意しながら、相手の真意を探る聞き方です。

人には誰かに理解されたい、肯定されたいという欲求があります。
話す側は、相手が自分のことに興味を持ち、好意的に受け止めていることが分かると、心地よさを感じ、話が深まる傾向があります。
さらに信頼が強まれば、本音や裏話を打ち明けてみようという気持ちが湧き始めます。

日本では、本音と建前を使い分けることが日常茶飯事。
仕事で本音を明かす場面は限られていますが、大きなミスや人間関係のいざこざが生じた場合、関係者の心中にまで迫らなければ、本当の原因はなかなか見えてきません。

社内の会議やプレゼンで、質問タイムに無言の時間が流れることがありませんか?
内心、聞きたいことがあっても、「何も知らない人だと思われたくない...」とか「つっこむと話が長くなりそう...」といった理由でやり過ごした記憶...。
私は、数えきれないくらいあります。
ただ、もし1対1の場面だったら、発言のハードルは下がるはずです。
周囲に人がいない分、相手との心の距離が縮まり、感想や意見を言いやすいからです。

言い換えれば、相手に「何を話しても大丈夫」と思わせることが傾聴力のスキル。 
チームのパフォーマンスを上げる鍵と言われる「心理的安全性」を高めることにもつながります。

ビジネスにおいて傾聴力を高めるメリット

傾聴力を高めることは、あらゆる場面で役に立ちます。

相手の伝えたいことを深く理解できる

社内での調整や社外との商談・交渉では、相手の真意を理解して、スムーズに進めるのが理想ですよね。
そのために欠かせないのが傾聴です。
相手の意見や考えを聞き取る際、結論だけでなく、そこに至るまでの経緯や理由を把握できれば、相手の要望によりフィットするPRや提案がしやすくなります

往々にして、相手の本音を引き出すのは、簡単なことではありません。
だからこそ、相手の話に耳を傾け、心に寄り添わなければ、真意を読み誤り、せっかくのチャンスを見逃しかねません。

同僚やクライアントと良好な信頼関係を築くことができる

相手の本音を引き出すことは、信頼を築くこととほぼ同義
傾聴がうまくいき、安心して話ができると思ってもらえることが、信頼への第一歩です。
徐々に打ち解けていくと、互いにリラックスし、より深い話がしやすくなります。
結果的に、自分のペースで仕事をすることにもつながります。

傾聴力を高める方法

では、傾聴において気を付けるべきことは何だと思いますか?

相手が話しやすい環境をつくる

まず、相手が話をしやすい環境をつくることが大前提です。
2人での面談が理想ですが、相手の立場やスケジュールによっては、立ち話や電話でしか話せない場合もあるでしょう。
第三者を交えた方がうまくいくケースもあります。
いずれにせよ、相手の事情に合わせながら時間と場所を決め、話しやすい雰囲気をつくることが重要です。

聞き役に回り、相手の話に伴走する

会話が始まると、相手のペースに合わせて話を進めていくのが基本です。きちんと話を聞いてくれていると感じてもらえるように、姿勢、表情、目線などに注意を払いましょう。
うなずきや相槌、内容によってはメモを取ることも、話し手の安心感につながります。

その上で、相手が最も言いたいことを正確に把握できるかがポイントです。
重要な話や深刻な話は、本題に入るまでに時間がかかりがち。
口下手で、言いたいことをうまく表現できない人も、少なくありません。
モヤモヤすることもありますが、相手のペースに伴走するように聞き役に回り、本音を引き出すように努めましょう。

相手の話を自分の言葉で言い換える

相手の話の輪郭がみえてきたら、疑問に思ったことに対する質問に移ります。

深い話はだいたい複雑です。
相手が置かれている環境や、その人ならではの事情を理解しないと、真意が掴めないこともあります。
話を正確に把握するためには、質問による深堀りが欠かせません
話し手も、どのような質問が飛んでくるかで、正しく伝わっているかを確めることができます。

疑問点が解消できたら、聞き手が、理解した内容について「要するに、〇〇〇ということですね」 「ポイントは、〇〇〇という部分ですね」などと言い換えや要約をしてあげると、より丁寧です。
そうすることで、微妙なニュアンスや捉え方に齟齬がないかを確認し合うことができます。

傾聴力を低下させるNG行動

傾聴には、慎重な振る舞いが不可欠ですので、以下に挙げる振る舞いはNGです。

話を途中で遮る

繰り返しになりますが、相手のペースに合わせて伴走するのが基本です。
話の途中で質問を挟んだり、話題を変えるような発言をすると、話し手にストレスを与えてしまいます。
とりわけ、相手の口が滑らかになるまでは注意が必要です。

相手の考えや価値観を否定する

話が深まってきたら、話題は、相手の考えや価値観に及びます。
質問をぶつけることで、話はさらに深まりますが、伴走する気持ちが大切なのは、ここでも同じ。
考えや価値観に対して否定的な発言をすると、相手は心を閉ざし、口が堅くなったり、反論を招いたりする恐れがあります。
表情や姿勢にも、否定的なニュアンスが表れないように注意が必要です。

自分の意見を押し付ける

話の流れによっては、聞き手が、自らの体験を語ることが有効な場合もあります。
ただし、意見や考えを押し付けないように、注意しなければなりません。
あくまで、話を引き出すのが目的なので、自分の意見は最低限に留めておくべきです。

まとめ

岸田文雄首相は、自らの特技を「人の話をしっかり聞くこと」とPRしています。
まさに傾聴です。

数年前、安倍晋三首相の国会答弁から、「ごはん論法」という言葉が生まれました。
「ごはん」は、白米と食事のどちらを指すかが文脈で変わるため、「朝ごはん食べた?」と聞かれた際、朝食は食べたけど、白米は食べていない、という理由で、「食べていない」と敢えて正反対の返答をするような話術のことです。
論点をずらしつつ、嘘じゃないと(一応)言い訳もできるのかもしれませんが、不自然さと見苦しさを感じたのは私だけではないでしょう。

後任の菅義偉首相も、記者会見でかみ合わないやりとりが多く、内閣支持率は徐々に低迷。
就任から約1年で退任に追い込まれました。

人の話に耳を傾け、真意を汲み取れるかが、その人の信頼度に直結することを、2人の首相は、身をもって示しているように感じられます。
ビジネスパーソンにとっても、それは同じです。
傾聴は簡単ではありませんが、いろんな場面で求められるスキルですので、皆さんも普段から心掛けてみてください。

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著者情報

川崎 弘 

川崎 弘 

横浜国立大学経済学部卒。西日本新聞社(福岡市)入社。事件、経済、街ダネを中心に13年の記者生活を経て、妻の実家の醤油屋「合名会社まるはら」(大分県日田市)入社。2020年、グロービス経営大学院修士課程修了(MBA)。「批判より行動を」「報道より行動を」を合言葉に、人口が減る中で地方の雇用の場をどうやって守るかを日々考えています。佐賀市出身。カレーとラグビーが好き。

※本記事の肩書きはすべて取材時のものです。

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