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新型コロナウイルスの流行で、私たちの暮らしは一変しました。
人に会うことがリスクになるなんて、誰も予想できないことでした。
『ニューノーマル』いう言葉を耳にした方も多いのではないでしょうか。
この先どうなるのかと、不安を抱えるのも当然です。
では、ニューノーマルとはどういう意味で、ニューノーマルの時代を生き抜く心構えや必要なスキルについて考えてみたいと思います。
ニューノーマルとは
ニューは新しい。
ノーマルは平常。
ニューノーマル(New Normal)を直訳すると「新しい日常」です。
考えもつかなかったことが、いつの間にか当たり前になってしまう現象を指します。
この言葉は、2000年代初めにITバブルが崩壊した際、米国で登場したと言われています。
リーマン・ショック(2008年)の後にも使われており、今回のコロナを含め、世界的な景気悪化を招く出来事と関係が深いです。
重要なのは「変化の前には戻らない」というニュアンスを含んでいることです。
リーマン・ショックの後、GAFAが台頭し、スマホが普及。
SNSやネット通販が手軽になる一方、店舗での対面販売を重視してきた家電やアパレルなどの小売業は、顧客離れに直面しています。
ことわざの「風が吹けば桶屋が儲かる」みたいな話ですが、コロナのような歴史的な出来事は、予想もしなかった変化を社会にもたらす可能性があります。
とりわけ、最近の「ニューノーマル」の使われ方には、変化に対応できない人は時代に取り残されてしまう、という警告の意を含んでいます。
ニューノーマル時代、働き方はどうなる?
コロナウイルスが発端となったニューノーマルの時代には、どのような変化が起きるのでしょう?
テレワークが当たり前になる
まず、すでに起こっていることですが、在宅勤務によるテレワークを多くの企業が導入しました。
総務省が行っている通信利用動向調査によると、テレワークを導入した企業は、コロナ前まで全体の約20%でしたが、コロナ後は47.5%に急増しています。
うち74.6%の企業が「非常に効果があった」または「ある程度、効果があった」と回答しています。
「あまり効果がなかった」「マイナスの効果があった」は足しても4.8%にとどまり、新たな働き方として受け入れられたことがうかがえます。
オンライン商談の増加
テレワークが広がったことで、商談やセミナーなどのやり取りも、オンラインで進められることが増えました。
ZOOMなどの手軽に使える会議ソフトが普及し、社外の人とPC上で顔を見ながら話をするハードルは一気に下がりました。
移動の時間や交通費が省けるメリットがあるため、慣れれば、むしろ効率的に仕事を進めることができます。
やり方次第では、従来の対面営業より商圏が広がる可能性も秘めています。
DXの推進
ホームページやオンラインショップを自宅で更新するなど、これまではできなかった仕事ができるように、ネット環境や社内ルールを改めた会社も増えました。
飲食店でも、スマホで席の予約に加え、注文や支払いまで完了できるアプリが広がっています。
このように、ネットを活用して業務やサービスを改善するDX(デジタル トランスフォーメーション)も、ニューノーマルの時代に注目されている動きです。
DXによる変化は、部署内のデータ管理から企業のビジネスモデルまで多岐にわたります。
ニューノーマル時代に高めておくべきスキル
では、ビジネス上、私たちはどのようなスキルが必要になっていくでしょうか。
オンラインコミュニケーション能力
まずは、ZOOMでの会議などに対応するオンラインコミュニケーション能力が、ますます重要になっていきます。
オンライン上の会議や打ち合わせでは、リアルに対面した時より、微妙な距離感が生じるのは避けられません。
途中で途切れてしまうことも、しばしばあります。
また、面識がない人とオンラインだけで一から信頼関係を築くのも、双方が慣れていないと難しい面があります。
そうした前提を理解し、相手の意向や内容の重要度を踏まえた上で、円滑にやり取りを進めるオンラインコミュニケーション能力をぜひ高めていきましょう。
セルフマネジメント力
テレワーク中は、会社に出勤する時と比べると、ちょっとした相談や雑談の機会が減ってしまいます。
周囲がどんな動きをしているかが把握しづらく、自分がしていることも、同僚からは見えづらい状況です。
自由な半面、難しい仕事にぶち当たると、解決策が思い浮かばず、やる気を失いやすい面もあります。
また、周囲の目がない分、集中が持続しづらかったり、オンオフの切り替えがうまくできず、ついだらだらと仕事をし続け、結果的に長時間労働になっているという人も少なくありません。
そのような中で、やるべき仕事をきちんとこなし、成果を上げるには、オフィスに出勤する時以上に、自分自身の管理が重要になります。
問題解決能力
様々な変化が起こる中で、問題の本質を見極め、解決法を論理的な筋道を立てて考える力も必要になってきます。
問題解決能力の詳しい鍛え方については、こちらの記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
キャリア観の変化
先が読めない変化が予想される中、年功序列や終身雇用といった日本の従来の雇用慣習は、見直されつつあります。
コロナ以前から、大手企業のトップが「終身雇用を守っていくのは難しい」と発言するなどの動きが出ていましたが、ニューノーマルの時代には、より傾向が強まるでしょう。
年齢や社歴に比例して昇給や雇用が保証される訳ではないということです。
このため、働く側には「定年までこの会社で」という考えを改め、自らの能力とキャリアを磨き続ける努力を求められる時代が来ています。
ニューノーマル時代に活躍するためのポイント
先が読めない変化の中を生きていくのは、確かに大変ですが、自己成長を求める人にとっては、決して悪い時代ではありません。
失敗することもあるでしょうが、それを含めて、自分を鍛える環境が目の前にあるのです。
社会の変化を前向きにとらえる
そのためには、変化を前向きに捉えることは重要です。
自分が知らない新しい言葉、技術、考え方などを見聞きすると、不安な気持ちになりがちですが、前向きに自分の見分を広めるチャンスと捉えることは、自らの成長の原動力になります。
自分の頭で考える思考力を鍛える
インターネットで検索すれば、分からないことは一通り調べることができます。
かといって、すべてのことが分かるわけではありません。
検索しても分からないことは、ビジネス上無数にあり、それを解決に導く知恵こそが、新たな価値を生むと言えます。
そのためには、自分の頭で考える力は、引き続き重要です。
思考力の詳しい鍛え方については、こちらの記事で紹介していますので、ぜひ合わせて読んでみてください。
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常に自身の市場価値を意識する
市場価値とは、「自分を商品として考えた時の、世の中からみた価値(値段)」のことです。
市場価値が高い人材は、他社からみて魅力的な人なので、1つの会社に依存する必要はなくなります。
直近で転職を考えていなくても、世の中を見渡し、どのような人材が求められているかを常に探っておことで、自分の活躍できる場を見つけやすくなります。
自分がやりたいことと、求められている人材像が重なるところに、新たなキャリアの道が開けるはずです。
市場価値の高め方については、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
ニューノーマルという言葉を聞くと、大事のようにも聞こえますが、長い目で見れば、人類の歴史は変化の繰り返しです。
戦争や天災など、世の中がひっくり返るような出来事も、日本でも何度も起きています。
深刻に捉えすぎる必要はありません。
ただ、自分らしく働くためには、世の中の変化の波に乗り、その波を操っていく気概は必要です。
言葉に踊らされず、自分の成長を楽しむことができるキャリアを描きたいものです。
著者情報
川崎 弘
横浜国立大学経済学部卒。西日本新聞社(福岡市)入社。事件、経済、街ダネを中心に13年の記者生活を経て、妻の実家の醤油屋「合名会社まるはら」(大分県日田市)入社。2020年、グロービス経営大学院修士課程修了(MBA)。「批判より行動を」「報道より行動を」を合言葉に、人口が減る中で地方の雇用の場をどうやって守るかを日々考えています。佐賀市出身。カレーとラグビーが好き。
※本記事の肩書きはすべて取材時のものです。