目次
新型コロナウイルスの流行や、終身雇用制度の終焉。
様々な社会的背景から、新たな働き方を模索する人が増える中、「パラレルワーク」と呼ばれる働き方が注目されています。
本記事では、パラレルワークのメリットやデメリット、必要なスキルについてご紹介します。
パラレルワーカーとは
パラレルワーカーとは、ひとつの企業に所属・依存するのではなく、複数の仕事やキャリアを持って働く人を指す言葉です。
パラレル(Parallel)には「平行・並行」という意味があります。
また「複業」と表現されることもあります。
「副業」も複数の仕事をする点では同じですが、本業や所属企業など「メイン」の業務に加え「サブ」の仕事を持つという点が、パラレルワークと大きく異なります。
パラレルワークはメインとサブのように分けず、複数の仕事を同時並行的に行う働き方を指します。
パラレルワーカーが増えている背景
では、パラレルワーカーに関心が集まっているのはなぜなのでしょうか。
その社会的背景には以下のようなものがあります。
終身雇用の終焉、副業を解禁する企業の増加
2019年、経団連の中西会長(当時)が「終身雇用制度は限界に来ている」と制度の見直しについて言及するなど、終身雇用制度は終焉を迎えつつあります。
副業を解禁する企業が増加しているのは、企業が従業員の生活・雇用を守りきる約束ができなくなっていることの裏返しと言えるでしょう。
テレワークの普及、場所に縛られない働き方
新型コロナウイルス感染症の拡大を機にテレワークの普及が進み、オフィスの場所に縛られない働き方が現実のものに。
オンライン会議ツールを使えばコミュニケーションも問題なく取れ、地方にいながら都心の仕事を請けることがノーマルになりつつあります。
主体的なキャリア構築
企業に属していても、終身雇用は保証されない時代。
社会から求められる人材であり続けるためにも、主体的にキャリアを構築しようと考える人が増えています。
ひとつの会社にとどまるよりも、複数の企業で働き視野を広げたいとの思いでパラレルワーカーを志す人が多いようです。
パラレルワーカーになるメリット
では、パラレルワーカーとして働くと、どのようなメリットがあるのでしょうか。
スキルアップやキャリアアップにつながる
スキルを別の組織で使ってみて、自分の実力を把握する。
ひとつの会社で得た人的ネットワークを別の組織で活用してみる、といったように、様々な組織で同時並行して仕事をすることで、スキルの幅が広がり、キャリアアップのチャンスが広がります。
本業以外の収入を得られる
大手企業でも昇給幅はわずか。不況による人員整理や倒産など、大企業であっても5年10年先の保証はありません。
パラレルワークにより収入源を分散させることで、本業の企業に何かあった場合でも「収入ゼロ」のリスクから身を守ることができます。
パラレルワーカーになる前に押さえておきたい注意点
複数の仕事を掛け持ちすることになるため、自己管理能力が問われます。
一方の業務に時間をかけ過ぎ、もう一方の納期に間に合わない、となると、クライアントからの信頼を失ってしまいます。
かといって、納期に間に合わせようとがんばりすぎて体調を崩してしまっては元も子もありません。
自分の実力を冷静に見極め、適切な業務量や報酬かどうかを管理、判断する必要があります。
パラレルワーカーに必要なスキル
実際パラレルワーカーとして働くには、どのようなスキルが必要とされるのでしょうか。
主なスキルを3点ご紹介します。
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力はパラレルワーカーとして働くために重要なスキルの1つです。
多くのクライアントと連絡を取り合う必要があることのみならず、コミュニケーションを通して相手の要望を的確に捉え、質の高いアウトプットを出すことが、信頼関係の構築や次の仕事につながっていくからです。
特に、今後はオンラインが主流になっていくものと考えられます。
意思疎通の助けとなるコミュニケーションツールなどを柔軟に取り入れると良いでしょう。
専門分野における知識
クライアントから個人で仕事をもらうとなると、当然高いレベルの専門知識や能力が求められます。
パラレルワークが始めやすい職種は下記のようなものがあります。
例:動画編集/Webデザイン/ライター/エンジニア
もちろん、それ以外の職種でもパラレルワークは可能です。
まずは自身のキャリアやスキルの棚卸をしっかり行い、力を発揮できそうなフィールドを絞り込むことが重要と言えるでしょう。
自己管理能力
注意点のところでも述べたように、パラレルワーカーは複数のタスクを並行して抱えることになるため、タスクやスケジュールなどの自己管理能力は必須です。
「いつまでに、何をやらなければいけないのか」を常に意識し、優先順位をつけて進めなければなりません。
また、体調やメンタルヘルスの管理にも気を配る必要があります。
限られた時間の中で確実にアウトプットを出すためにも、自身のパラレルワークの目的を設定し、そこから逆算して受ける仕事の量を調整すると良いでしょう。
まとめ
パラレルワークは、収入源を多数持てるという以上に、自身の関わる仕事においてシナジー効果を発揮できること、スキルを高められること、人的ネットワークを広げられることなど、自身のキャリアを構築していく上で非常に重要なメリットが得られる働き方といえるでしょう。
まずは無理のない範囲から、少しずつ始めてみてはいかがでしょうか。