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職場の人間関係の悩みを解消するコツ ~自分の考え方を変えよう~

職場の人間関係の悩みを解消するコツ ~自分の考え方を変えよう~

目次

職場の人間関係について、悩みを抱えている人は多いですよね。
様々な原因がありますが、自身の考え方が原因でこじらせているケースも少なくありません。
本記事では、自身の考え方や捉え方を変え、人間関係を良好なものに改善していくためのコツをお伝えします。

自分の考えが人間関係をこじらせている代表例

大きく2パターンあります。

パターン①:相手へネガティブな感情を持っている

知らず知らずのうちに抱いていた「自分の中のネガティブな感情」が発端で、負のループに入ってしまっていた、ということが往々にしてあります。
例えば、このようなケースがあります。

  • つい相手と自分を比べてしまう
  • 相手のことが信頼できない
  • 相手のことが嫌い・苦手

パターン②:相手を気にしすぎてしまう

相手を気にするあまり、自分が疲弊してしまうというパターンです。
例えば、このようなケースがあります。

  • 人の意見に流されてしまう
  • 人から嫌わるのが怖い

ここからは、ケースごとの対処法をご紹介していきます。

「つい相手と自分を比べてしまう」時の対処法

他人と自分を不必要に比べてしまう。
これはよく聞かれる悩みです。
例えば、「あの人は自分より仕事ができる」「あの人は自分よりも年収が高い」「あの人に比べると自分なんて大したことはない」などです。
他人と自分を比べることは、良い方向に働くこともありますが、自分を卑下する方向に働くと様々な悪影響がでます。

例えば、

・自分に自信が持てなくなる
・嫉妬心がわいて心が穏やかではなくなる
・委縮してしまう

などです。

原因は「自己否定感」と「嫉妬心」

このような状態の原因は一体どこにあるのでしょうか?
おそらく、「自己否定感」と「嫉妬心」という2つの感情にあります。
自分より優れた人と自分を比較することは、「あの人みたいになれるよう、自分もがんばろう」「憧れの人に近づけるよう、努力しよう」などというポジティブな要素も多く含みますが、自己否定感や嫉妬心からの比較が始まると、心が穏やかでなくなります。

具体的には以下のような感情が沸いてきます。

・「あの人はすごい、自分はダメだ。」(=自己否定感)
・「あの人はすごい、悔しいから失敗しないかなぁ。」(=嫉妬心)

このようなネガティブな比較は、多くの人が「無意識」に行っていることであるため、まずそのことを自覚する必要があります。
それくらい誰にでもあることです。
では、自覚した上で何を意識すればよいのでしょうか。

相手ではなく、過去の自分と比較しよう

「自己否定感」や「嫉妬心」を遠ざけるためになにをすればよいのでしょうか。
それは「他者ではなく、過去の自分と比較する習慣」を持つことです。
例えば、1年前の自分、3年前の自分と比べた時に今の自分はどうでしょう?
少しは進歩、上達しているのではないでしょうか?
これもまた意識をしないと気付かないことです。 
相手と比べて自分の不足点を嘆くよりも、過去の自分と比べて進歩している点を喜ぶ。
これはとても健全なマインドセットとなります。

また、過去の自分と比較して、まったく進歩をしていないと思う場合であっても、「今日から3ヵ月これを頑張ろう」と決めて、3か月後の自分と今の自分を比べることはできるはずです。
他者との比較は、ポジティブなマインドセットで行える場合はプラスの効果が大きいです。
ただ、自己否定感や嫉妬心が渦巻くようであれば、その時間を「過去の自分と比較する」時間に使ってみましょう。

「相手のことが信頼できない」時の対処法

「周りに信頼できる仲間が少ない」「上司が信頼できない」このような悩みをもっている人は、実は少なくありません。
エン・ジャパンが実施した「職場の人間関係意識調査」によると、35%の人が「職場に信頼できる人がいない」と回答しております。
職場において3割の人は信頼できる同僚や上司をもっていないのです。

信頼関係は一朝一夕にはできない

信頼できる人がいない理由は、職場環境に原因があるのかもしれません。
しかし、まず始めに認識すべきことは「信頼関係とは、すぐに構築できるものではない」という事実です。
信頼とは関係性のことです。
複数回会話をし、協業をしたり、持ちつ持たれつしながら築かれていくものです。
「信頼できる人がいない」というのは、新入社員や転職したての人に起こりがちな悩みですが、それは「信頼関係ができる時間軸」を短く見積もりすぎていることに原因があるのかもしれません。
同僚や上司との信頼関係を1~2か月という短期間で捉えるのではなく、半年~1年という長期スパンで捉えてみる
そして、その間は相手と会話を重ね、ときに貢献し、ときに協業する。
その過程の中で気づけば出来上がっているものが信頼関係です。

自分からも歩み寄る努力をしよう

また、信頼関係は1人で作るものではなく2人で作っていくものです。
上司や先輩との人間関係において、「信頼関係構築は上司や先輩がやってくれて当然」と考えてしまう人が時々いますが、それは間違いです。
信頼関係の構築は共同作業です。
目上の人に対しては、自分から積極的に動かなければいけないことの方が多いかもしれません。
この意識をもち、時間軸を半年~1年くらいに広げて信頼関係が育つのを待ちましょう。
1年後にはまったく違う景色が広がると思います。

「相手のことが嫌い・苦手」な時の対処法

「自分の周りから苦手人がいなくなったらどんなに過ごしやすくなるだろう」
そんな風に思ったことはないでしょうか。
nifty社が行った人間関係に関する調査では、約8割の人が「苦手な人がいる」と回答しています。
かつ、30代以下においてその割合は高まっておりました。
生まれも育ちも違うので、苦手な人がいるのはある種当たり前のことなのかもしれません。

「嫌い」の感情は見抜かれる

相手にネガティブな感情を持っていても、それを言葉や態度に出さなければよいのでは、と思う人もいるかもしれません。
しかし、「嫌い」の感情は相手に見抜かれていることが多いです。
よく言われるように人間のコミュニケーションには「言語コミュニケーション」と「非言語コミュニケーション」があります。
言語と非言語で相違なるメッセージが発せられたとき、相手は非言語的メッセージを優先して受け取る傾向があることが、心理学の実験からわかっています。
つまり、「○○さんってすごいですね、いつも学ばせてもらっています」とヨイショしたとしても、普段の何気ない態度や反応の方がリアリティをもって相手に伝わってしまうのです。
人間は好意に対しては好意で返しますが、悪意に対しては悪意で返すという傾向があります。
例えば、口では言わないまでも、あなたが上司を嫌いと思えば思うほど、上司は非言語的なサインを無意識に察知して、あなたに対しての態度はより冷たく、厳しくなるかもしれません。
このように、「口に出さなければいい」というものではないのが「嫌い・苦手」な感情の厄介なところです。
そして、お互いの「嫌い」の連鎖反応で最悪の人間関係が出来上がってしまう。
そうなってしまうと元に戻すのは至難の業です。

相手の良い所に焦点を当て、「嫌い」の感情を減らす

では、この厄介な問題を解決するためにはどうすればよいのでしょうか。
それは「嫌い・苦手」という感情を減らすことです。
「それができたら苦労しないよ」という風に思われるかもしれませんが、実は、工夫次第で減らすことができるのが「嫌い・苦手」という感情です。
例えば、嫌いな人や苦手な人の長所や良いエピソードに焦点をあてていくというのは効果的な方法です。

具体的には、その人の長所や良いエピソードを7個ほど上げてみましょう。
もし7個あげることができれば、その人への見方が変わるはずです( 通常は悪い点ばかりに目が行っているはずなので)。
見方が変われば、コミュニケーションが変わり、コミュニケーションが変われば相手の感情が変わります。
嫌なところに目がいきそうなときほど、長所を思い出すようにしてみましょう。
このような意識付けをすることで、「嫌い・苦手」という感情は減少していきます。
そうすることで、相手からあなたへのネガティブ感情も減り、人間関係がスムーズになることでしょう。

「人の意見に流されてしまう」時の対処法

「周りの人の意見に流されてしまう」
「態度の強い人の意見に押し切られてしまう」
日本人の多くは、和を大切にするあまり人の目を気にする傾向が強いと思います。
自分の意見が強くあり、他人の意見に流されずに自分で判断し、決断できるという人はもしかしたら少数派かもしれません。

人によって「言うこと」はバラバラ

他人の意見に流されても特に支障が出ない場合も多いですが、高頻度で他人の意見に流されてしまうという人は、人間関係の悩みに繋がってくる可能性が高いです。
なぜなら多くの場合、人によって「言うこと」がまったく違うからです。

例えば、転職ひとつを例にとってみましょう。
友人Aさんは、「転職しない方がいい」といい、友人Bさんは「転職した方がいい」といいます。
雑誌や新聞では、「今は転職しない方がよい」という記事がでているかもしれません。
また、「転職した方がいい」という友人にしても、「どこに転職した方が良い」かの意見はまったく異なったりします。
誰もが、自分の価値観で意見や考えを好き勝手述べてきます
そのような雑多な意見に迎合してしまうと、こっちにもいい顔をして、あっちにもいい顔をしなければなりません。
そして、コミュニケーションに神経を使った挙句、どちらに行ったらいいかわからなくなり、迷走状態に陥ってしまいます。
人の意見に流される傾向が強い人は、少なからず人の顔色を気遣うようになり、神経をすり減らすことになります。

「自分の意見を作る力」を鍛えよう

「人の意見に流されてしまう。」このことの根本原因は何でしょうか。
それは、「自分に自信がないこと」です。
自分に自信がないから、自分の意見を持ち貫き通すよりも、他人の意見に従った方が楽、と無意識に思ってしまうのです。
一方で、「自信をつける」というのはすぐに実現をするのは難しいものです。
そんなときは、「持論形成力を高める」という観点をもつことから始めてみましょう。
持論形成力とは、「自分の意見を作る力」のことを意味します。
人の意見に流されてしまう人は、柔軟性という長所がある一方で、自分の軸が弱い可能性があるため、「持論形成力」という観点をもつことからスタートすることをお勧めします。
自分の考えや意見を言語化していく習慣を持っていくと、自分の考えを「文字」や「言葉」で表現する能力が高くなります。
結果、意見を求められた際に自分の考えをはっきりと伝えることができ、その頻度が増えていくと必然的に自信も生まれてきます。

「人から嫌われるのが怖い」時の対処法

ベストセラーになった『嫌われる勇気』の中にこんな一節があります。

10人の人がいるとしたら、そのうちの1人はどんなことがあってもあなたを批判する。あなたを嫌ってくるし、こちらもその人のことを好きになれない。そして10人のうち2人は、互いに全てを受け入れ合える親友になれる。残りの7人は、どちらでもない人々だ。

ユダヤ教の教え、『嫌われる勇気』より


この本で示されている「嫌い:1、好意:2、中立:7」というのは一つの目安になります。
性格や考えが違う人間同士なので、「全員と馬が合う」ということはないと思います。
また、「誰からも嫌われない」「全員と仲良くする」ということもまた不可能です。
そんなときに投げかけてほしい問いは「職場に20人自分と関わる人がいるとして、自分のことを嫌っている人(苦手に感じている人)は何人か?」という問いです。
もし2人以下であれば、その状態は「嫌い:1、好意:2、中立:7」の目安に沿っております。
その2名を気にして委縮するよりも、他の18名を大切にしながら振舞った方が良いと思います。
また、「嫌われないようにしよう」という努力は無駄に終わることも多いです。
なぜなら他人は簡単に変えられないからです。
あなたの感情を他人が簡単に変えられないように、他人の感情を変えるのは難しいです。 
まずは、「誰からも嫌われないようにしよう」というという考えから解き放たれることが重要です。

「嫌われない」努力より、「好かれる」努力をしよう

人から嫌われないようにするのは難しいことですし、自分らしさが損なわれることも多いでしょう。
例えば、「相手のご機嫌をとる」「反発をうけないように、自分の意見を言わない」など。
これらを意識すると自分を殺すことに繋がりかねません。
自分を抑圧して過ごす日々が長く続くと、それは明確なストレスとなります。
「嫌われないようにする努力」はそのような悪循環にも繋がっていきます。

では、どうすればよいのでしょうか?
「嫌われないようにする」から「好かれるようにする」に切り替えることです。
「嫌われないようにする」は抑圧的な行為になることが多いですが、「好かれるようにする」行為は、自身の長所を存分に活用できます。
自分の長所を用いて人に喜ばれることをやればよいのです。
それは自身の個性や強みを発揮することにもつながり、プロセスとしても楽しいものです。
「嫌われない努力」をするより「好かれる努力」をしましょう。
それでも相手が自分を嫌うようであれば、「嫌い:1、好意:2、中立:7」の目安を思い出して下さい。決して無理して付き合う必要はないのです。

まとめ

自分の考え方を変えることで、人間関係を改善していくコツについてお伝えしました。
根気強く取り組み続けていくことで、確実に相手との関係性も変わってきますので、ぜひ日常で意識してみてくださいね。

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著者情報

山口 貴士(グロービス経営大学院 東京校 スタッフ)

山口 貴士(グロービス経営大学院 東京校 スタッフ)

早稲田大学国際教養学部卒業。グロービス経営大学院経営学修士課程(MBA)修了。米半導体メーカーインテルにて法人営業を経験した後、パーソルキャリア株式会社(旧:インテリジェンス)にてキャリアアドバイザーとして2500名以上のキャリアカウンセリングを実施、グループリーダーを経験。その後、グロービスに入社。現在は、グロービス経営大学院の学生募集企画、および採用業務を担当。国家資格キャリアコンサルタント。

※本記事の肩書きはすべて取材時のものです。

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