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仕事やプライベートにおいて、影響力が高い人っていますよね。
そして、そうした人に憧れる方も少なくないのではないでしょうか。
本記事では、影響力の種類と高める方法をご紹介します。
影響力とは
影響力とは、「働きかけによって人の心を動かし、行動を喚起したり、考えを変容させたりする力」のことです。
ビジネスでは、1人で完結する業務は少なく、他者の力が必要な場面が多々あります。
そうした中、影響力が高いと周囲の協力を得やすくなり、仕事の推進力もぐっと高まります。
影響力の種類
影響力は、パワーの源泉の違いから3つに分類されます。
①ポジションパワー(公式の力)
言葉の通り、組織における肩書や役職が持つ力です。
「社長だから」「部長だから」といった、いわゆる上司という立場に不随するものであり、肩書そのものが部下への強制力を生みます。
また、人事権など特定の権限や、予算を持つことも、ポジションパワーの1つです。
誰もが肩書を得ることで持てる一方で、失うと同時になくなることも特徴です。
②パーソナルパワー(個人の力)
「個人が持つ魅力」による力です。
その人自身の人間性や人柄、経験、実績、専門性が含まれます。
そうした要素から生じる周囲からの「信頼」が、パーソナルパワーの源と言えます。
③リレーションパワー(関係性の力)
人間同士の関係性からくる力で、「他人の力を借りる力」とも言えます。
ビジネスでは、他者の協力が必要な場面が多々あります。
そのような時に、声をかけたら支援してくれる仲間やネットワークによる力です。
影響力のある人に共通する特徴
周囲にいる、ポジションパワー以外の影響力を持っている人を思い浮かべてみてください。
こういった特徴が挙げられるのではないでしょうか。
まさに、パーソナルパワーとリレーションパワーから構成される特徴ですよね。
- 前向き
- 仕事ができる
- 勇気がある
- 人柄が良い
- 巻き込み力がある
20代、30代が意識すべきは「パーソナルパワー」
若手社会人は相対的に職業人人生が短いので、どうしてもポジションパワーやリレーションパワーは低くなってしまいます。
なので、20~30代は個人の魅力による「パーソナルパワー」を意識して高めていくことをおすすめします。
そして、徐々に社内での関係性構築や昇進によって、リレーションパワーやポジションパワーといった力も獲得していきましょう。
ただし、常に注意しておきたいのは、ポジションパワーは肩書に付随し、肩書を失うと同時に消失する力ということです。
また、リレーションパワーに頼りがちというのもよくありません。
「虎の威を借る狐」のように、後ろ盾の人が転職や異動などでいなくなると、一気にパワーを失う可能性があるからです。
なので、どの立場になっても、最も意識すべきはパーソルパワー、そして次にリレーションパワーという順番になります。
これからの時代は、あらゆる年代でパーソナルパワーが重要
さらに、時代背景を考えても、20~30代の若手層に関わらず、パーソルパワーはあらゆる年代の社会人にとって重要なものになってきています。
「肩書によって人を動かす」というのは、どちらかというと前時代的な印象ですよね。
先行きの不透明な現代においては、個々が自律し、主体的に考え、動く組織であることが求められます。
みなさんも、納得性も論理性もないことを「いいからやれ」「社長が言ってるからやれ」と言われたとしても、心からやりたいという気持ちは芽生えませんよね。
これからの時代は、一人ひとりが本質的に理解し、納得しないと自律した組織にはなりません。
そういった観点でも、肩書に頼らずに周囲を巻き込んでいくパーソナルパワーとリレーションパワーがますます重要となってきます。
影響力のある人になるには?パーソルパワーを高める方法
パーソルパワーを高めるうえでのキーワードは「信頼」です。
周囲から信頼される人を目指すことが、パーソルパワーを高めることにつながります。
ビジネスにおいては、「人間性」と「スキル面」の2軸を意識しましょう。
「人間性」による信頼
人間的な魅力と言っても、様々な要素があります。
例えば、このような特徴を持っている人は信頼される傾向にあります。
- 相手の意見や価値観を否定せず、受容力がある
- ミスをしても他責せず、謝罪できる
- 損得に関わらず、他人のために行動できる
- 口先だけでなく、きちんと約束を守る
- 勇気と責任感がある
周囲の「この人は信頼できるな」と感じる人がいたら、どのような要素がそのように感じさせているのかを分析し、取り入れてみましょう。
しかし究極的には、それぞれその人らしいパワー発揮の仕方があるので、自分はどんな魅力や長所を持っているのかを見つめ直し、それらを高めていくことが大事です。
「スキル面」での信頼
ビジネスにおいては、人間的な魅力だけでは不十分で、当然スキル面での信頼も必要となってきます。
例えば、ビジネスで信頼される人は、このような特徴があります。
- 専門知識やスキルが高い
- 経験が豊富
- 実績を出している
- 納期にきちんと間に合わせる
- 仕事のスピードが速い
- 仕事の質が高い
これらの特徴は、普段の仕事に対する姿勢と、積極的に自身のスキルを磨き、そしてそれを成果につなげていくことで得られます。
より実践的な影響力について学びたい方にオススメの講座
人を動かす力や関係者を巻き込むうえで必要なスキルを本当の意味で身につけるには、やはり書籍や動画学習などの独学では、限界があります。
実践レベルで習得したいという方は、外部の機関を上手に活用して学ぶというのも1つの手です。
例えば、国内最大のビジネススクール・グロービス経営大学院の『パワーと影響力』という講座では、より詳細な影響力の行使プロセスや技術論を学ぶことができます。
壇する講師の多くは、経営に関する体系的な知識はもちろん、経営者やコンサルタントなどの実務経験を持つ"経営のプロフェッショナル"です。
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『パワーと影響力』講座
またグロービス経営大学院では、随時オンラインにて『無料体験クラス』を実施しています。
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まとめ
これからの時代は、パーソルパワーによる影響力の重要性がさらに増しています。
パーソルパワーを支えるのは「信頼」です。
周囲からの信頼は、一朝一夕で得ることができません。
日々の努力と地道な積み重ねにより、「人間性」と「スキル」を高めていくことが、とても大事です。
著者情報
村尾 佳子(グロービス経営大学院 経営研究科 副研究科長)
関西学院大学社会学部卒業。大阪市立大学大学院創造都市研究科都市政策修士。高知工科大学大学院工学研究科博士(学術)。大手旅行会社にて勤務後、総合人材サービス会社にてプロジェクトマネジメント、企業合併時の業務統合全般を経験。現在はグロービス経営大学院にて、事業戦略、マーケティング戦略立案全般に携わる。教員としては、マーケティング・経営戦略基礎、リーダーシップ開発と倫理・価値観、経営道場などのクラスを担当する。共著に『キャリアをつくる技術と戦略』、27歳からのMBAシリーズ『ビジネス基礎力10』『ビジネス勉強力』『リーダー基礎力10』がある。
※本記事の肩書きはすべて取材時のものです。