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【おすすめ書籍】『科学的な適職』 後悔の少ない意思決定をするためには?

【おすすめ書籍】『科学的な適職』 後悔の少ない意思決定をするためには?

目次

この本で解ける疑問は?

  • 後悔の少ない意思決定をするためにはどうしたら良いのか?
  • 私たちに本当の喜びをもたらす働き方とは何か?
  • 「人生の選択」という正解のない悩みにどうやって答えを出せばいいのか?

『科学的な適職』って?

「自分に適した職とは?」

おそらくすべての社会人が、この問いの答えを知りたがっているはずです。
しかしながら、不思議ですよね。
他人にはフラットにアドバイスできている"つもり"でも、いざ自分事となると、一気に強いバイアス働いてしまう
もっとも、「自分の中のバイアス」の存在にすら気づけないケースが大半ですが・・・
そのバイアスの結果、職業選択に失敗してしまう。
「こんなはずではなかった」と。

では、どうすれば「こんなはずではなかった問題」を解消することができるのでしょうか?
この問いに、4021の研究データを使って答えを導いた本が出版されましたので、ご紹介します。

本のタイトルは『科学的な適職』。
本書の内容を、1枚の図にまとめてみました。

20191213134146.png

内容を要約すると、次のことが書かれていました。

本書のゴール

本書のゴールは、「仕事選びにおける意思決定の精度を高め、正しいキャリアを選び取る確率を上げ、最終的に"人生の後悔"を限界まで減らすこと」です。
このゴールを達成すべく、複数のデータから「幸福な仕事選び」に役立つ可能性の高いテクニックを抜き出し、5つのステップに体系化しています。

<5つのステップ>

  • ステップ①:幻想から覚める
  • ステップ②:未来を広げる
  • ステップ③:悪を取り除く
  • ステップ④:歪みに気づく
  • ステップ⑤:やりがいを再構築する

ステップ①:幻想から覚める

まず、仕事選びにおける「7つの大罪」に気づく必要があります。

<7つの大罪>
1.好きを仕事にする
2.給料の多さで選ぶ
3.業界や職種で選ぶ
4.仕事の楽さで選ぶ
5.性格テストで選ぶ
6.直感で選ぶ
7.適性に合った仕事を求める

ステップ②:未来を広げる

次に、仕事の幸福度を決める「7つの徳目」に自覚的になる必要があります。

<7つの徳目>
1.【自由】その仕事に裁量権はあるか?
2.【達成】前進している感覚は得られるか?
3.【焦点】モチベーションタイプに合っているか?
4.【明確】ミッションやビジョンは明確か?
5.【多様】仕事にバリエーションはあるか?
6.【仲間】組織内に助けてくれる仲間はいるか?
7.【貢献】どれだけ世の中の役に立つか?

ステップ③:悪を取り除く

このステップでは、最悪の職場に共通する8つの悪を取り除いていきます。

<8つの悪>
1.ワークライフバランスの崩壊
2.雇用が不安定
3.長時間労働
4.シフトワーク
5.仕事のコントロール権がない
6.ソーシャルサポートがない
7.組織内に不公平が多い
8.長時間通勤

ステップ④:歪みに気づく

バイアスを取り除くための4つの方法を駆使していきます。

<バイアスを除く4つの方法>

  • 方法1.『10・10・10テスト』
    この選択をしたら、10分後・10か月後・10年後にはどう感じるか?
    を考える。
  • 方法2.『プレモータム』
    「①敗北の想定、②原因の探索、③過程の想起、④対策」の考察の流れで、失敗したときのシミュレーションを入念に行う。
  • 方法3.『イリイスト転職ノート』
    1日15分~自分がその日行った「職選びに関する意思決定」の内容を3人称で書いていく。
  • 方法4.『友人に頼る』
    「360度フィードバック、クローズドクエスチョン、脳内の友人と会話」を活用する。

ステップ⑤:やりがいを再構築する

詳細は割愛しますが、ここでは人生の満足度を高める7つの計画を紹介しています。

<人生の満足度を高める7つの計画>
1.ビフォースケッチ
2.ビフォースケッチの省察
3.動機と嗜好のピックアップ
4.課題クラフティング
5.関係性クラフティング
6.認知クラフティング
7.アクションプラン

まとめ

いかがでしたでしょうか。

筆者の言い回しを見て見るとわかりますが、「バイアスをなるべく取り除いて、客観的に語ろう」とする姿勢が浮彫になってくる文章です。
世界の著名な研究者の論文やデータが、実に適切に、絶妙に紹介されています。
何より驚くべき点は、世界の研究者のバラバラの意見を、1つの体系、1つのストーリーとしてまとめあげているところです。
相当な読解力と構造化力がないと、このような本は書けません。

筆者の力量には感服いたします。

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著者情報

本山 裕輔(グロービス経営大学院 東京校 スタッフ)

本山 裕輔(グロービス経営大学院 東京校 スタッフ)

慶應義塾大学商学部卒業。グロービス経営大学院経営学修士課程(MBA)修了。外資系コンサルティングファームにて業務改革及びシステム導入のプロジェクトマネジメント等を行う。その後、グロービスに入社。グロービス経営大学院のCRMチームにてDX(デジタルトランスフォーメーション)を主導。また、グロービス経営大学院のVoicy「ちょっと差がつくビジネスサプリ」のパーソナリティを務める。"ビジネス書コンシェルジュ"として、選りすぐりの良書情報をお届けするブログ「BIZPERA」を運営している。

※本記事の肩書きはすべて取材時のものです。

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