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自分らしく生きるために。3つのヒントと注意すべき本当の自分を隠す壁

自分らしく生きるために。3つのヒントと注意すべき本当の自分を隠す壁

目次

「自分らしく働きたい」
「ありのままに自分らしく生きたい」
「自分らしさが発揮できる仕事をしたい」

このように考えたことのある方は、多いのではないでしょうか。
「自分らしさ」は、キャリアデザインのセッションに登壇していると、必ず出てくるキーワードです。
今回は、自分らしい生き方を実現するために押さえておきたいポイントについてご紹介します。

なぜ私たちは「自分らしさ」を求めるのか?

「自分らしく生きたい」と考える人は多く、また、そうした想いを否定する人も少ないでしょう。
そもそも、なぜ私たちは「自分らしさ」という言葉にひかれるでしょうか。

理由①:人は本能的に「自分らしい状態」を欲する

1つ目の理由として、本能的に人間の心が「自分らしい状態」を欲するからでしょう。
私たち人間が自然物である限り、自然な状態を望むのは、ごくごく当たり前のことと言えます。

理由②:「自分らしさ」が手の届くものになった

2つ目の理由としては、「手が届くかも」という期待があるからです。
人は、求めても到底手が届かないものは求めようともしません。
自分らしさを求めるということは、「自分らしさが手の届くものになった」ということではないでしょうか。

以前、私が大学生向けのキャリアセッションに登壇し、働くうえでの価値観の変遷を説明する中で「定年まで1社で勤め上げる」という言葉を口にした時、会場に笑いが起こりました。
従来の日本では、いわゆる"幸せ"のイメージが画一的でした
良い大学を出て、有名な企業に入って定年まで勤め上げ、年金で余生を楽しむ。
一度レールに乗ったら自動的に人生が進んでいくイメージです。
しかし、今の大学生たちは、そうしたケースはもはや稀だと分かっているので、思わず笑ってしまったのでしょう。

時代は変わりました。
働き方も多様化し、「1億総転職」「副業・複業のパラレルキャリア」「独立・フリーランス」という生き方が市民権を得た自由な時代が始まっています。
新しい働き方が手の届くものになった以上、「自分らしさ」を求めるのは必然的なことではないでしょうか。

自分を知るための3つのヒント

なぜ私たちは自分らしく生きたいと思いつつも、実現していくフェーズで悩んでしまうのでしょうか。
それは、自分らしさを追い求める一方で、「自分らしさというものが分からない」ことに原因があるからです。
自分らしく生きるための即効薬はなく、よくあるHow toで簡単に片づけられるものではありません。

自分らしさを求めるのであれば、まず丁寧に自分自身を知っていく必要があります
「ジョハリの窓」に"盲目の窓(他人は知っているが自分はしらない領域)"が存在するように、私たちは思っている以上に自分のことを知らないのです。

/自分のことを知るヒントとして利用できるジョハリの窓

ここからは、自分自身を知るための3つのヒントをご紹介します。

ヒント①:価値観を探る

価値観とは、人生の根っこにある考え方や概念です。
ぜひご自身のこれまでの人生を振り返ってみてください。
まずは、自分の人生の判断軸となるものを探り当てることが、自分を知るための第一歩です。

・皆さんが「人生で大切にしてきたこと」は何ですか?
・心の底から「幸せ」を感じるのはどんな時ですか?
・「ワクワク」したり、「憤り」を感じることに、それぞれ共通点はありますか?

ヒント②:直観に従ってみる

価値観を探ることに似ていますが、直観に従って生きてみるのも有効な一手です。
自分らしく生きようとする反面、私たちは他人の期待に応えようとします。
前者は直感が、後者は理性が働いた結果です。
直観に従うとは、「自分らしく生きようとした瞬間を逃さず捉えること」です。
直観を大切にすることは、自分らしさを大切にすることに繋がります。

ヒント③:他者を鏡にする

自己理解をしようとすると、ひたすら自分と向き合い、内省することが大事なイメージがあるかもしれません。
しかし多くの場合、自己理解は他者からもたらされます
私が登壇するキャリアセッションでも、他者からのフィードバックで有益な気づきを得る人が圧倒的に多いです。

自分のことを自分の力だけで知ろうとすると、限界があります。
私たちは、自分が見えている自分しか認知することができないからです。
先ほど述べたジョハリの窓の「盲目の窓」のように、自分自身では気づいていない自己が必ず存在します。

自分では当たり前すぎて気づいていない「自分らしさ」や、まだ表に出ていない「自分らしさ」を知るためには、多様な価値観を持つ人たちが集う場に身を置いてみるといったこともおすすめです。
他者とのやりとりを通じて、自分らしさに出会えるかもしれません。

本当の自分を覆い隠す3つの壁に注意する

3つのヒントをご紹介しましたが、それでも自分を知ることは簡単ではありません。
本当の自分にアクセスしようとしても、「本当の自分を覆い隠す3つの意識の壁」が邪魔をするからです。
これらの壁に心当たりがないか、ぜひ振り返ってみてください。

壁①:「常識の壁」

「それを始めるには年齢的にもう遅い」「失敗することは悪いことだ」など、過去の常識や一般的なルールの壁です。
一見もっともらしく思えますが、過去の前提や根拠のない思い込みであることも少なくありません。

壁②:「他者の壁」

「知名度の高い会社で働こう」「年収で自分の価値が決まる」など、他人(自分の外部)の評価の壁です。
みんなの意見に従う安易な道ばかり選んでいると、「自分はどう思うのか」が押し殺されてしまいます。

壁③:「自分の壁」

「組織ではどうせやりたいことはできない」「自分は起業するようなタイプではない」など、自分で決めつける壁です。
自分で自分にレッテルを貼るパターンに気づき、自分で自分の限界を決めるのはやめましょう。

まとめ

私はグロービス経営大学院という社会人向けビジネススクールで教鞭をとっていますが、グロービスでは自分らしさを「」と表現し大切にしています。
2年間をかけて、ヒントに挙げたアプローチも含め、徹底的に自分らしさと向き合います。
その過程に携わり思うのは、やはり即効薬はないことです。
本当に大切なものとは、そういうものなのでしょう。
自分らしさとは、単なるキーワードではなく、妥協せずに追い求める価値があるものだと信じています。

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著者情報

中村直太(グロービス経営大学院 教員)

中村直太(グロービス経営大学院 教員)

慶應義塾大学理工学部卒業、同大学院理工学研究科修士課程(工学)修了。グロービス経営大学院経営学修士課程(MBA)修了。株式会社インテリジェンス(現:パーソルキャリア)にて約1,000名のキャリアコンサルティングを経験した後、事業企画にてサービス企画、営業企画、BPRなどを担当。その後、グロービスに入社。グロービス経営大学院のマーケティング(学生募集)企画、名古屋校の成長戦略の立案・実行や組織マネジメント、アルムナイ・キャリア・オフィス(卒業生向けサービス企画)や学生募集チームの責任者などを経て、現在は顧客コミュニケーション設計やセミナー開発・登壇、WEBコンテンツ企画・執筆など様々な事業推進活動に従事。同時に個人としては、人生の本質的変化を導くパーソナルコーチとして活動。グロービス経営大学院の専任教員としては、思考系科目『クリティカルシンキング』、志系科目『リーダーシップ開発と倫理・価値観』に登壇。また、キャリア関連プログラムのコンテンツ開発及び講師を務める。

※本記事の肩書きはすべて取材時のものです。

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