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「仕事にやりがいを見いだせない」
「毎日が同じことの繰り返しのようでつまらない」
入社して数年、仕事にだいぶ慣れてきた頃、このような気持ちになる人は少なくありません。
本記事では、仕事におけるやりがいが低下した時の対処法を紹介します。
必ずしもやりがいは「仕事上で」必要というわけではないが...
家族や趣味、友人との時間など、人生において大事にしたいポイントは人それぞれです。
「働くことに対して、どうしてもやりがいを見いだせない」という状態でも、無理にやりがいを見つけようと焦る必要はありません。
とはいえ、多くの人にとって仕事は「人生の大半を費やすもの」です。
とくに人生100年時代と言われる今、働く期間は長くなっています。どうせ働くなら、やりがいを感じながら楽しく働く方がいいですよね。
仕事における「やりがい」とは?
そもそもやりがいとは何でしょうか。
やりがいとは、「物事に対する充足感や手応え」のことを指します。
仕事でやりがいを感じるポイントは、大きく4つあります。
- ①:仕事に対する充足感や達成感が得られる
- ②:持っている知識や能力を発揮できる
- ③:自身の成長が感じられる
- ④:自分が行った仕事に対して、相応のリターン(成果や評価、報酬(※)など)が得られる
(※)金銭だけでなく、顧客や同僚からの感謝の言葉なども含む
①~④のどれに重きを置くかは個人差がありますが、いずれにしてもどれかが満たされていない状態の時に、人はやりがいを感じられなくなってしまいます。
仕事のやりがいは人それぞれ
一人ひとりの性格や価値観が異なるように、同じ労働環境で同じ仕事をしていても、やりがいは異なります。
例えば、「成果を上げチームに貢献すること」がやりがいの人もいれば、「お客様から"ありがとう"と言われること」という人もいます。
イキイキと働いている同僚をみて、「なんで自分はあんな風にモチベーション高く働くことができないんだろう...」と悩む必要は、まったくありません。
自分自身にとって満足度の高い人生を送るためには、周囲に振り回されず、「自分にとってのやりがい」を見つけていくことが大切です。
仕事でやりがいを見つける方法
やりがいを見つけるためにおすすめの方法をご紹介します。
方法①:自分にとってのやりがいを知る
人によってやりがいを感じる場面は様々です。
まずは、自身にとってのやりがいを知ることから始めましょう。
そのためには、日常生活やこれまでの経験を振り返り、やりがいを感じた場面とその理由を書き出していくことが有効です。
- ①:仕事でやりがいを感じたのは、どんな時?それはなぜ?
- ②:学生時代にやりがいを感じたのは、どんな時?それはなぜ?
- ③:プライベートでやりがいを感じたのはどんな時?それはなぜ?
複数でも構いません。
どんどん書き出してみてください。
その中に共通する、「自分の軸(やりがい)」は見えてきたでしょうか?
「目標を達成することによって得られる充足感」にやりがいを感じてきた人もいれば、「他者のために行動し感謝されること」や「困難を乗り越え、自身の成長を感じること」、「努力が評価され、相応の報酬を得ること」にやりがいを感じてきた人もいるでしょう。
また、1つと言わず、複数のやりがいの軸があったという方もいると思います。
今後のキャリアについて考えやすいように、最も自分にとって大事にしたいやりがいは、①~③のうちどれに含まれているかも考えてみてください。
現状仕事に対してやりがいを感じられず悩んでいる人の中には、①(=仕事)には含まれないけど、②や③には含まれている場合があります。
仕事のモチベーションが低下した時は、どうしたら仕事でもそのやりがいが持てるようになるかを考えることが解決の糸口になります。
方法②:ストレッチ目標を立てる
単調で張り合いのない仕事が続いており、充足感が得られない時におすすめの方法です。
自分の力を100%以上出す必要があるような少しストレッチした目標を立てたり、新しい知識やスキルの獲得が必要な仕事に挑戦してみるなど、日常業務で張り合いが生まれるような工夫をしていきましょう。
方法③:成長の余地はないか探す
「今の仕事に対して成長実感が得られない」という人におすすめの方法です。
普段の自分の仕事を振り返ってみて、本当に成長する余地はないか考えてみましょう。
例えば、プレゼンが先輩ほど上手くできない、感覚に頼りがちで論理的思考が苦手など、いろいろと出てくると思います。
日常業務をそれらの足りていないスキルを磨く場としてとらえてみましょう。
仕事の張り合いも生まれますし、成長実感を得ることで充足感を得ることもできます。
方法④:異動や転職をする
どうしても今の職場や職種でやりがいを見いだせない方もいると思います。
その場合は、今の仕事に見切りをつけて、異動や転職といったキャリアチェンジも視野に入れましょう。
検討する順番としては、まずは社内での異動、次に他企業への転職をおすすめします。
転職となると、どうしても労力がかかるし、「やりがいを持って働けると思って転職したのに、実際は違った」ということも起こりうるため、どうしてもリスクが伴います。
なので、まずは社内の人脈を活用するなどして、自分の理想とする仕事や働き方ができる別の部署やポジションがないか情報収集してみましょう。
方法⑤:仕事以外でやりがいを見つける
働くこと自体にあまりやりがいが感じられない人の場合は、仕事は仕事と割り切って、家庭や趣味、友人との時間などを充実させるというのも1つの手です。
プライベートが充実することで、仕事とのメリハリもつき、仕事に対するモチベーションがアップすることもあるからです。
また、副業やボランティアなどの社外活動に挑戦するのもおすすめです。
新たな出会いにより、今まで知らなかった世界を知ることで、自分はどんなところにやりがいを見出して生きていきたいのかをより広い視野で考えることにつながります。
まとめ
今回は、仕事でやりがいが感じられない時の対処法についてお伝えしました。
もちろん、ここで書かれているような形でやりがいを考えなくてはいけない、というわけではありません。
「人生の大半を費やす仕事を充実したものにしたい」そんな方の内省の一助になれば幸いです。
著者情報
鈴木 麻希(グロービス経営大学院 東京校 スタッフ)
早稲田大学文学部フランス語フランス文学コース卒業。グロービス経営大学院経営学修士課程(MBA)修了。EC事業を行うベンチャー企業にて自社商品の輸出業務、オンライン・オフラインのマーケティング全般を担当。その後、グロービスに入社。グロービス経営大学院の学生募集企画にて、受講生の個別相談やセミナー等の運営、営業施策の立案などを行う。また、グロービス経営大学院のVoicy「ちょっと差がつくビジネスサプリ」のパーソナリティを務める。
※本記事の肩書きはすべて取材時のものです。