リアル変革リーダーシップ~CxOの挑戦~
水野 靖彦 | 株式会社プレアス 代表取締役社長 グロービス経営大学院 大阪校 2017期 慶應義塾大学商学部を卒業後、松下電器産業(現パナソニック)に経理職として入社。その後、ファーストリテイリングおよびテイクアンドギヴ・ニーズにて、財務経理・経営企画・IR部門管理職を歴任し、CFOとしてのキャリアを積む。食品会社2社のCFOとして管理部門の体制構築やIPO準備等の業務を経て、2019年に(株)プレアスを設立し、外部パートナーCFOとしてベンチャー・中小企業の支援事業に従事。 |
理論だけでは解決できない経営のリアル
私が「リアル変革リーダーシップ」をテーマにしたのは、グロービス経営大学院の学生として学びを深める一方で、実際に会社経営に携わる中で、学んだ理論だけでは解決できない経営課題や難所に直面することがあると感じていたからです。そして“教科書通りにうまくいかない難しさ”“正解がない中で前に進む怖さ”といった「経営のリアル」を共有し議論することで、参加者の皆さんに学びを実務に活かす際のヒントを提供できるのではないかと思ったのです。
そこで、自らのCFO(Chief Financial Officer:最高財務責任者)経験をもとに、CxOといわれる各業務における最高責任者として「会社経営を行う上での難所は何か」「さまざまなタイプの経営トップや株主とどう向き合えばよいのか」について議論できるセッションを創ろうと考え、テーマを設定しました。
「優れた経営者」と「CxOとして求められること」
前半は、冒頭で「CFOとしての会社変革のための取り組み」について紹介をしました。全社レベルの変革から、M&A(企業の合併買収)やIPO(新規上場)といったプロジェクトレベルの取り組みまで、「具体的な難所はどこだったのか」「経営トップとどのような話をして進めたのか」という点にポイントを絞って話をしました。
その後、発表内容に関する質疑応答に続けて、参加頂いた方の悩みの共有や意見交換を経て、「優れた経営者」について、以下の3点に沿って整理しました。
・圧倒的な意思決定の早さと視野の広さ
・会社の状況や外部環境に合わせてマネジメントスタイルを変える柔軟性
・強烈な当事者意識と人を惹きつける力
後半は「CxOとして求められること」をテーマに意見交換をしました。「CxOは自らの管掌だけでなく、全社目線で経営課題を自分事として捉えること、そして“ラストマン”ではなくともトップと同様の覚悟を持ってその課題に取り組むことが重要」という話になりました。
最後にまとめとして「変革は一気呵成に動くこと」「トップと同様の覚悟と目線で経営課題に向き合うこと」を話した上で、参加者の皆さんには次のアクションにつなげるための振り返りワークシートを作成してもらい、セッションを終了しました。
今回、運良くセッションの機会をいただきましたが、今後も授業の学びだけでは得られない「経営のリアル」を発信できる場を積極的に作っていきたいと思っています。
水野 靖彦株式会社プレアス 代表取締役社長
グロービス経営大学院 大阪校 2017期
慶應義塾大学商学部を卒業後、松下電器産業(現パナソニック)に経理職として入社。その後、ファーストリテイリングおよびテイクアンドギヴ・ニーズにて、財務経理・経営企画・IR部門管理職を歴任し、CFOとしてのキャリアを積む。食品会社2社のCFOとして管理部門の体制構築やIPO準備等の業務を経て、2019年に(株)プレアスを設立し、外部パートナーCFOとしてベンチャー・中小企業の支援事業に従事。