第4部 分科会
「企業による地域・都市の再生~新しい地方創生のカタチ~」
企業投資と地域社会への効果や影響について熱い意見が交わされました。
パネリストは、ブランド運営ほか岡山の文化交流や経済振興を進める株式会社ストライプインターナショナル代表取締役社長 石川康晴氏、石垣島産ミドリムシを用いた商品開発を行う株式会社ユーグレナ代表取締役社長 出雲充氏、広島県で英語教育施設運営に携わる株式会社ジャパンタイムズ 代表取締役会長の末松(神原)弥奈子氏、倉庫街だった天王洲をアートの聖地に変えた寺田倉庫株式会社取締役社長CEO 寺田航平氏。モデレーターは、行政の立場から観光都市の魅力化を進める奈良市長 仲川げん氏。
全員が、企業運営とととに地域の再生や課題解決を成功させてきた先駆者です。
国際展覧会「瀬戸内国際交流」のプロデュースを行い、岡山と周辺地域の活性化を独自に進めている石川氏は、「日本初の近代美術館と直島というアートの聖地がある結節点、岡山のまちに現代アートを飾って美術館化を進めている。近々、A&A(アーキテクチャー&アーティスト)建築家と現代美術家によるホテルを建設する予定。海外からの観光客のほうが文化度が高いので人気が出ると思う」とこれからの計画を。
こうした活動に対し、末松氏は、土地をつなぐ建築にはセンスが必要だと語ります。「とはいえ、地域に根ざした風土や個性を知った人が関わることが大切です。仮に失敗しても地域の次世代に繫いでいくことができます。尾道駅の駅舎も、昭和風の街にあわせながら、サイクリストの聖地として快適な駅舎になりました。地域特性を活かして地元の人がやることが大事だと思っています」と語りました。
まちづくりが道や学校など機能重視だった時代から、現在はアートや建物など、クリエイティブな部分にも移行しています。各地の実例は、自治体だけでは地方再生が困難な現代における起業家の力の必要性や可能性を再認識させられるものでした。