1908年にミシンの修理業から始まったブラザーグループ。高い技術力を持ち、家庭用ミシンでは国内トップシェアを誇るメーカーであり、創業のミシン事業の他、プリンター、工作機械や工業用部品、通信カラオケシステムなどの製造からコンテンツサービスまで、独自の技術開発で蓄積したコア技術を駆使し、事業の多角化を推進している。戦後の高度経済成長を支えてきた多くの企業が事業の「選択と集中」をして成功を収めてきている中、あえて「多角化経営」を貫いてきた。そこには、創業当時から一世紀を超えて築かれてきた「今ある事業はいつなくなるかわからない。だからこそ、常に新しい市場を開拓し続ける」という変革を恐れない企業風土が根底にある。絶え間ない技術革新と新領域への挑戦というブラザーのDNAは、幾多の困難を乗り越え世界中に拠点を広げた今も、脈々と受け継がれている。
激動する時代の変化とともに、お客様のニーズに応えながらグローバルに事業展開するブラザーグループで、常に新しいフロンティアを求めて挑み続ける冒険家がいる。海外拠点の1つとして、2009年に設立されたブラザーインターナショナルコリア株式会社で代表を務める宮脇健太郎さんだ。長年、国内外の新規事業開発に携わり2017年より代表取締役社長に就任した宮脇さんは、自身のことを「会社の中でもマイノリティな人間だ」という。今回、そんな宮脇さんの今までのキャリアと未来についてお話を伺った。