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MRから事業開発へ

海外ベンチャーと“Unmet Medical Needs”に
応える日々。躊躇せず、自分のできることを
最大限やることで道は開ける。

「先端・信頼の医薬で、世界の人々の健康に貢献する」ことを経営理念に掲げ、グローバルに事業を展開しているアステラス製薬。文系学部を卒業し、営業職(MR)として入社、その後は人事を経て事業開発部へと異動をしたのが西浜秀美さん。そんな輝かしいキャリアの裏には、並ならぬ努力があった。今回は、西浜さんのこれまでそして現在の仕事内容、キャリアアップを望む若手へのメッセージなどについて、お話を伺った。

「小さな経営者」として
走り抜けてきた1年半

MRそして人事という職種を経て、現在は事業開発部にて活躍されている西浜さん。会社の経営にも大きく関わる事業開発部での業務範囲は多岐にわたり、現在のポジションを西浜さんは「小さな経営者」と表現する。

西浜氏:1年半前に、現在の事業開発部へ異動となりました。グローバルなライセンス提携・M&A等における新規案件探索から契約交渉等を担当しており、これまでの業務と比べてスケールが格段に大きくなりました。事業開発は会社の未来と根幹を担う業務であり、社長を含め経営陣へのダイレクトレポートの機会も多く、言ってしまえば会社の経営に大きく関わる仕事です。そのため求められるスキル、知識も幅広いんですね。医療や薬、最先端の科学技術のことはもちろん、ファイナンス、契約・交渉、税務、マネジメント、そして、戦略立案などが求められます。

また、全社戦略の深い理解が必要ですし、海外バイオベンチャーなどとの提携プロジェクトの評価や、そのプロジェクトのリードも重要な仕事です。研究、開発、技術、知財、法務、マーケティング、広報、営業、管理部門といった社内のステークホルダーへの理解・連携を深め、そしてグローバルなプロジェクトリードを行います。ですので、これまで以上のマネジメントスキルや様々なプロフェッショナリティが求められます。さらに海外のパートナー企業とのコミュニケーションも必要ですから、実践的なビジネス英語のスキルや異文化理解力なども求められるんですね。

関わる範囲が多岐に渡るため、なるべく電話や対面でコミュニケーションをとり、相手の意図を汲み取りながらきめ細やかな対応をするよう心がけています。この1年半を振り返ってみても、ただただ「走り抜けてきた」というのが感想ですね(笑)。
しかし、1つの会社の中でここまで幅広いことをできる経験はとても貴重です。いまの私のポジションはまさしく「小さな経営者」だなと感じています。

ミッション達成に向け海外での仕事も多い西浜さん。

西浜さんが行うのは、 “Unmet Medical Needs”(未だ満たされていない医療ニーズ)を満たせる最新科学(薬剤や技術)を自社に取り込むこと。そのため、西浜さんは海外のバイオベンチャーとの面談の機会も多く、“Unmet Medical Needs” に応えるような最新の薬剤・技術を開発する研究者とのディスカッションも行う。

西浜氏:私たちは “Unmet Medical Needs” と呼んでいるのですが、治療法が未だ存在せず、治療満足度が低い疾患(病気)が世界にはまだまだあります。そんな“Unmet Medical Needs”に応えるべく、最先端の研究をされている研究者とディスカッションをする機会もあります。

以前、バイオベンチャーとのマッチングを目的とした海外カンファレンスに参加しました。5日間、朝から晩まで様々なバイオベンチャーと英語で面談をする非常にタフなカンファレンスだったのですが、そこで、「こういう病気で苦しんでいる人を救いたい!」というバイオベンチャーそれぞれの強い想いを受け取りました。

それから、違う案件でアメリカの企業を訪問させていただいたときも、その企業は「世の中から癌をなくす」という強いミッションを持たれていて、会社や文化、国は違えども、「患者さんの明日を照らしたい」という想いは同じなのだなと、とても感動しました。
そういった想いを形にし、患者さんに届けることが私たちの仕事です。いまの業務は会社の成長に繋がり、そして社会に貢献できる、非常にやりがいのある仕事だなと感じています。

躊躇せず、自分のできることを
最大限やることで道がひらけた

「もともと経営に関わりたいと思っていた」と語る西浜さんであるが、難なく今のポジションに就いたわけではない。しかし、自分のできることを最大限やり抜くことで、西浜さんはこれまでも自ら道を切り開いてきた。

西浜氏:いまのポジションに至るまで、すべてが順調だったわけではありません。MR時代も思うように結果が出せず、悔しい思いをしたことはあります。また文系出身の私にMRが務まるのかと、入社時は不安に思うこともありました。

そんな中、担当していた案件で医師とディスカッションをする機会があり、地域の医療関係者のために、専門医を招いたセミナーを実施することになったんですね。私は「地域の40万人の市民の健康を背負って仕事をしている意識をもち、自分ができることを最大限にやるんだ!」という思いで、MRの仕事を超えてセミナー実施に取り組みました。

その結果、開催されたセミナーは大成功。地域医療のレベルアップに繋がると評価をいただき、最初にディスカッションをした医師からも「ここまでしてくれたMRは初めてだ。きみのことは忘れない」と言っていただけたんです。私もとても嬉しくて、それまでの苦労も全部吹っ飛び、達成感と充実感でいっぱいでした。

そういった経験を通じて自分の仕事の範囲かどうかに限らず、「やった方が絶対いい!」と思ったことは躊躇せずに全力でやることの大切さを改めて学びました。わからないことがあれば、とにかく周りに聞くこと。「謙虚」「努力」「感謝」。この3つの姿勢を絶対に忘れずに取り組めば、まわりの人も協力をしてくれます。

新しいことへのチャレンジは正解がないので、とりあえず進んでみることが一番だと考えています。自分のできることを増やし、そして自分のできることを最大限やることで、道は開けるのだなと実感しています。

日々情報のインプットを行い、努力を惜しまない。

会社と患者さんの明るい未来をつくる
仕事のプロフェッショナルになりたい

学生時代から「人や社会に貢献したい」という“志”を持ち、理想とするキャリアを着実に突き進む西浜さん。今後はどのようなキャリアの展望を抱いているのかを伺った。

西浜氏:やはり学生時代からの志として「医療を通じた社会への貢献」というのがあるため、今後もその志を最大限実現できるようなキャリアを目指しています。ただ、現在の事業開発部の仕事は1年半経ってもまだ「できた感」を感じられないほど、非常にスケールが大きいんですね。そのため、いまの時点では私がどこまでいけるのかを楽しんでいるフェーズかもしれません。

将来的には、より経営の意志決定に携われるようなポジションを目指したいという思いはあります。そのためには海外での経験やマネジメント経験をもっと積む必要があるなと感じています。
しかし、決して出世すること自体が目的ではなく、医療を通じて社会に貢献することが目的です。会社と患者さんの明るい未来をつくる仕事のプロフェッショナルになりたいですね。

西浜さんが営業職(MR)から事業開発部という異なる職種に異動し、現在のような活躍が出来ているのは、多忙なMR時代でありながらグロービス経営大学院(MBAプログラム)に通い、自身の成長スピードを最大限に加速させていたからこそ。キャリアに悩む若手へのメッセージを伺った。

西浜氏:MRとして過ごしてきて、ある程度仕事に慣れてくると成長スピードが鈍化してきたなという実感がありました。しかし自分の志に照らし合わせてゴールを考えると、まだまだ身につけるべき能力、スキルというのが見えてくるんですね。そこで自分の成長スピードをもっと加速させようと、グロービス経営大学院に通いMBAを取得すると決めました。

グロービスでは、アカウンティングやファイナンスなどMRや人事以外の職種にも求められるスキル以上のことを幅広く学ぶことができました。だからこそ、事業開発部への異動という突然の変化にも対応できたのだと感じています。

また、様々な年齢、職種の尊敬できる方々がグロービスに集っていること、副次的なことですが、このことが、私に大きな価値をもたらしてくれました。卒業後も、お互いの将来のキャリアについて語ることもあるのですが、「そういえば、去年立てた目標の進捗どう?」とグサリと鋭いボールが飛んできたり、いい刺激をもらっています。仲間として切磋琢磨して学んだおかげで、視野の広がりや、視座も高まりを感じることが多いです。

いまは、パナソニックや富士ゼロックスなどの大企業のメンバーが集まる有志団体「One JAPAN」に、アステラス製薬の有志団体代表者として積極的に参加しています。企業間を横断したプロジェクトを立案したり、理想の働き方を提案・実践していくような活動を行なっています。こちらも、年齢や職業の垣根を超えて素晴らしい活動を実践しているメンバーが多く、自分の価値を発揮しようと、奮い立たされます。

仕事と学習の両立はもちろん大変です。しかし、お互い切磋琢磨できる仲間がいると「私も頑張ろう」と思えますし、私は「医療を通じた社会への貢献」という目的があったからこそ、乗り越えることができました。目的を持って、大きなミッションをやり遂げることは、自分自身の大きな自信にも繋がります。自身のキャリアを切り開くためにも、そして後悔しないためにも、ぜひ前に進んでみてください。全力で取り組めば、道は開けますから。

アステラス製薬
事業開発部

西浜 秀美

入社後、営業職(MR)を経て、2014年より採用担当、研修企画などに従事。新規のグローバルPJの立ち上げ等に携わる。2016年10月より、事業開発部に異動し、ポートフォリオ戦略実現・企業価値向上のため、新しい製品や技術におけるグローバルのライセンス提携・M&A等について、新規案件探索から契約交渉等を担当している。グロービス経営大学院には2015年入学し、2017年3月卒業。

肩書はインタビュー当時のものです