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クライアントとともに未来を創造するイノベーターへ

マイクロソフトのクラウドサービスを武器に、
ひとつ先の未来を創造する

「Microsoft Azure(マイクロソフト・アジュール)」は、マイクロソフトが提供するクラウドプラットフォーム。2008年の発表、2010年の正式サービス開始を経て、現在では毎月12万ものライセンス契約が結ばれるほど、多くのクライアントが利用する世界的プラットフォームへと成長した。日本でも大企業からスタートアップ企業、政府機関、教育機関まで、あらゆる分野のクライアントがビジネスに活用している。

米国本社・マイクロソフト コーポレーション所属のシニアプログラムマネージャーである佐々木明夫さんは、「Microsoft Azure」の開発部にてサービスそのものを創造する一人。年間の3〜5割は海外へ渡り、ボーダレスに活躍する佐々木さんの瞳には、まだ見ぬ未来を切り開いていこうとする情熱が秘められていた。

インターネットの発展を確信した学生時代

父の海外駐在により、幼い頃からイランやアメリカに住んでいた佐々木さん。国と国を結ぶ、グローバルな仕事をしたいという思いを抱くようになったのは、必然ともいえる。中学生の時に帰国し、少年から青年へと成長する過程で、佐々木さんはあるものと出会い夢中になった。それがインターネットである。

佐々木氏:大学生だった1994年にインターネットにはじめて触れ、衝撃を受けました。とくに電子メールは、遠く離れた国に住む友人ともリアルタイムで連絡を取り合える素晴らしいツール。最初にメールを使った瞬間から、「そう遠くない未来に誰もが電子メールを使う日が来る」と確信しました。あのときの興奮は今も忘れません。

インターネット関連の仕事に就くため、新卒で大手商社グループのICT企業に入社。2年半の勤務後、アメリカに本社を置くネットワーク機器メーカー、シスコシステムズに転職しました。データセンター技術エンジニアやマーケティング職に計12年携わった後、マイクロソフトに再転職して、現在7年目です。

インターネットに傾倒し、インフラを構築することに情熱を注いできた佐々木さんが、転職先にマイクロソフトを選んだのはなぜか。それは「Microsoft Azure」の将来性に着目したからに他ならない。

佐々木氏:それまではデータセンター構築やプロバイダサービス立ち上げなど、インターネットを広げる仕事に従事してきましたが、これからはネットを「広げる」から「使う」という創造力が問われる時代になる。インターネットを活用して「何をするか」が重要になってくる。そう感じていたときだったので、まったく新しいサービスを実現することに重点が置かれていたマイクロソフトと「Microsoft Azure」は、まさに理想のチャレンジの場でした。

2012年に転職し、最初の1年は「Microsoft Azure」よりも、国内の独立系ソフトウェアベンダーと一緒にマイクロソフト技術を利用した新しいソリューションをつくる仕事がメイン。上司は海外にいて、同じ業務を手がける人も海外にしかいないという環境の中、自社のことを学ぶ期間だと思って手探りで仕事をしていましたね。その後に、本社直下の「Microsoft Azure」コンサルティングチームに異動しました。

マイクロソフトには横の繋がりを積極的に広げる文化があって、興味のある部署のマネージャーに「そちらの部署に将来行きたいです」と連絡すると、「うちに来るにはこの能力を新たに身につけるべき」「これができるようになったらマッチする人材になれるよ」とアドバイスをくれるんです。そして能力が必要レベルに達し、人員の枠が空いたタイミングで、見込みのある人には声がかかります。私もそうやって「Microsoft Azure」のチームにコンタクトを取り、世界で40人ほどのコンサルティングチームの一員になることができました。日本人は私一人で、クライアントは世界各地。世界中のお客様、マイクロソフト社員との日々が約5年続きました。

『Microsoft Azure』でつくる、次の未来

世界140ヶ国54リージョン(2018年12月現在)にデータセンターを持ち、最大級のクラウドサービスを提供する「Microsoft Azure」。オンライン上でグループウェアやWordやExcelなどのアプリケーションまで提供されるSaaS型の「Microsoft Office 365」に対し、「Microsoft Azure」はIaaS型・PaaS型(※1)でより自由度が高く、用途に応じたプラットフォームをクラウド上に構築することができる。

佐々木氏:所有から利用する時代になり、ビジネスのあり方も大きく変化しています。かつてはIT機器を購入すると減価償却に5〜15年を要していましたが、それだと投資したシステムが陳腐化し市場の変化にはついていけないので、常に最新機能に保たれているクラウドを積極的に活用していくことは有効な手段になります。コンサルティングチームでは、クライアントのビジネス要件をヒアリングし、それを具現化するために必要な人材・技術・期間・タイミングを洗い出してお客様とプロジェクト化する仕事をしていました。いわばクライアントのイノベーションプランをやりきるための期間と資源を特定するお手伝いのような仕事です。

案件として多かったのは受発注や在庫管理システム。事業が拡大して海外に進出するようになると、時差・輸送時間・商品サイクルコントロールなどボリュームやスピードが予測不能なレベルで成長する時があるため、より柔軟性をもったサプライチェーンマネジメントとそれを支えるインフラが必要になってきます。そうした場合に「Microsoft Azure」を導入することで、どこかの国に依存したシステムを使うのではなく、世界の誰もが同じようにフラットにいつでも拡張できる状態に改革することができるのです。

「Microsoft Azure」は規模や処理能力はもちろん、コンプライアンスやセキュリティレベル、マイクロソフト製品との連携、ユーザビリティなどに定評がある。IoTやAIといったソリューションサービスも多様で、アメリカのフォーチュン誌が選定するフォーチュン500企業の95%(2018年12月現在)が「Microsoft Azure」を利用しているという実績もあるほど、順調にシェアを伸ばしている。

佐々木氏:世界人口に相当する処理を許容できるシステムはクラウドの他にありません。年末商戦をはじめ、近年ではブラックフライデーや「独身の日」なども盛り上がりを見せており、あるアパレル系クライアントのECサイトでは、1秒間にもはや人間ではとても追い付けないほどの商品が売れている状況です。取引が特定の時間に集中するような仮想通貨や株の取引などにも処理能力が伸縮できるクラウドは有効です。

なかにはクラウドへの移行に抵抗を感じる方もいますが、将来性のあるものにクライアントを誘導することもコンサルタントの役割。意義を理解していただいた上で当社の製品を導入し、納得いただけたときは、やはり喜びを感じます。

※1 クラウドサービスの提供形態。IaaS(Infrastructure as a Service)、PaaS(Platform as a Service)、SaaS(Software as a Service)

コンサルティングチームで世界を飛びまわった後、2017年に現職の開発部へと異動した佐々木さん。「Microsoft Azure」を通じてクライアントの課題を解決する立場から、「Microsoft Azure」の新たな可能性をクライアントとともに切り開いていく立場へとシフトした。

佐々木氏:自社の向かう方向性とあるべきイノベーションを可視化できている有数のクライアントと共同開発を行い、「Microsoft Azure」の新たな基本機能として整備していくことが今の私の仕事。クライアントと話をしながらマーケットを常に探り、世の中を変える因子になるものを見つけて3〜6ヶ月スパンで具現化していきます。

たとえば最近では、巨大データベースを構築する案件がありました。通常、データの蓄積量が多くなるほど処理速度は落ちますが、量も速度も両立させたシステムを開発しつつ、将来必要となる企業間でセキュアに情報共有して利用できるようなクラウドならではの仕組みをさらに付加しました。最小は最小構成でクライアントは低コストで利用でき、それを将来多くのユーザに提供していくことで我々は自社の利益も確保できる。特定のクライアントのためだけでなく、広い世の中へのインパクト指標も重視しているのは、コンサルタント時代との最大の違いかもしれません。それは将来「Microsoft Azure」の競争源泉になります。

人とのつながりが財産に

未来を見据えるための情報収集はどのように行っているのか。2日に1冊は本を読み、新製品が出れば自腹で購入して触ってみるという佐々木さんだが、もっとも重要だと感じているのは人とのコミュニケーションだという。

佐々木氏:週1回のチームミーティングでは、さまざまなクライアントと実際に接しているチームメンバーたちから旬な情報を仕入れます。テレワークも活用していますがオフィスに来たらなるべく多くのフロアを散歩するのが習慣。歩いていると次々に声をかけられるので、近況を聞いたり相談に乗ったりしながら自分の情報収集にも役立てるんです。

米国本社や海外で仕事するときはなるべく同僚と食事に行き、「今年は何が来てる?」「この国は今どんな状況?」といった会話をしています。世界中のマイクロソフトの社員と知り合えたことは私にとって財産ですね。

前職でマーケティングを担当していた際に、ビジネスの知識が不十分だと感じて、MBA取得のためにグロービス経営大学院に通っていたのですが、そのときの同窓生ともよく会っています。何か新しいことを始めるときは、グロービスの友人や、知見を持っている人に話を聞くのがいちばん早い。構想を話してみて、食いついてくれる人がどれくらいいそうかを確かめたりもします。

マイクロソフトでの仕事と並行し、世界の子どものプログラミング教育や、次世代のクラウド技術者育成などの取り組みも行っている佐々木さん。その原動力はどこから来るのだろうか。

佐々木氏:アメリカの小学校にはIQ200レベルの天才が普通にいて、楽しいことをやっているだけで、努力をしなくてもできてしまう人たちを目の当たりにしてきました。そういうトップレベルの天才と肩を並べて仕事がしたい、という思いは昔から漠然とありましたね。そのためにもベンチマークは常に高く置きながら、興味のあることを純粋に追求してきました。

好きなことを追求するって、シンプルだけどとても大切。今の仕事で追求できていないと感じるなら、副業でもいいから始めてしまえばいいと思っています。私には9歳と6歳の子どもがいますが、あれもダメこれもダメと言わずに、何事も飽きるまでやらせるようにしています。飽きずに続けられるものがあれば、それが仕事につながるかもしれません。インプットとアウトプットを対等にすることも重要で、たとえばYouTubeを観たらおもしろかったシーンの絵コンテを描かせたり、好きな絵があるなら模写をさせたり。一方通行で終わらせず自分の中で取り込んで出す、好きを能力に昇華させる秘訣だと思います。

飽くなきチャレンジを続ける佐々木さんが、最終的に目指しているものは何か。その問いに佐々木さんは冗談まじりに「世界征服」と答えた。自分の創造したものが全世界で利用され、あらゆる人々の生活が豊かになる。そんな未来の到来を目指し、佐々木さんは今日も世界のどこかでイノベーションに挑んでいる。

マイクロソフト コーポレーション
シニアプログラムマネージャー

佐々木 明夫

父の海外駐在にともない幼少期をイラン・アメリカで過ごす。日商エレクトロニクス、シスコシステムズ合同会社を経て、2012年にマイクロソフト コーポレーション入社。『Microsoft Azure』のコンサルタントに従事後、2017年より現職。グロービス経営大学院2012年卒業。

肩書はインタビュー当時のものです