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投稿日:2024年01月15日  更新日:2024年02月20日

投稿日:2024年01月15日
更新日:2024年02月20日

リーダーシップとは何か?種類や必要とされる特徴を紹介

リーダーシップとは何か?種類や特徴、養う方法(効果的な高め方)を紹介

リーダーシップは、ビジネスシーンはもちろんのこと、社会生活全般に関わる身近なテーマです。その一方で、人の心理や行動を科学するという奥深い分野でもあります。

リーダーシップを発揮して個人や組織に働きかけることで、個人の行動変容を促し、組織の変革を推し進められます。では、どのような人をリーダーと呼び、リーダーになったときにはどうすれば人々がついてくるのでしょうか。

リーダーシップとは何か?

リーダーシップには明確な定義はありませんが、一例としてピーター・ドラッカーによると、「リーダーに関する唯一の定義は、付き従う人がいること。信頼がなければ誰もついてこない」とのことです。また、リーダーシップ理論にはさまざまな種類があり、リーダーの行動、能力、意識など、どの点に着目するかが異なっています。

リーダーシップの種類と特徴

リーダーシップの種類と特徴:状況によってつかい分けることが効果的なリーダーシップとして、指示型リーダーシップ、支援型リーダーシップ、参加型リーダーシップ、達成志向方リーダーシップがあります。また、時代の変化に応じて求められるリーダーシップとして、変革型リーダーシップ、サーバント・リーダーシップがあります。

1971年にロバート・ハウスが発表したパス・ゴール理論では、「リーダーシップの有効性は、リーダーの取る行動によって部下が動機づけられるかどうかによる」という考えのもと、リーダーが取りうる主な行動を4つにまとめ、状況によってつかい分けることが効果的だとしました(①ー1~4)。また、②③のように、時代の変化に応じて求められるリーダーシップ像が新しく出てきています。

①ー1. 指示型リーダーシップ

与えられた課題を達成する方法や工程を具体的に示すスタイル。指示型リーダーシップは、タスクがあいまいな場合、チーム内に対立がある場合、あるいは部下の自主性や経験値が高くない場合に有効です。逆に、部下が高い能力や豊富な経験を持つ場合には、モチベーションが下がる可能性があります。

①ー2. 支援型リーダーシップ

親しみを持って、部下の状態に気遣い・配慮を示すスタイル。支援型リーダーシップは、タスクが明確な場合や、リーダー/部下間の公式権限の差が明確な(職務範囲が分かりやすい状態の)組織の場合に有効です。

①ー3. 参加型リーダーシップ

決定を下す前に部下に意見を求め、活用するスタイル。参加型リーダーシップは、部下の能力や自主性が高く、自己解決意欲がある場合に有効です。

①ー4. 達成志向型リーダーシップ

高い目標を示し、部下に努力を求めるスタイル。達成志向型リーダーシップは、困難であいまいなタスクでも前に進めたい場合に、努力をすれば高業績につながるという期待で部下を動機づけられる点で有効です。

②変革型リーダーシップ

1980年代にアメリカ企業の変革を担ったリーダーたちを、ミシガン大学のノール・ティシーとコロンビア大学のメアリー・ティバナが分析し、特徴を抽出しました。変革型リーダーの特徴は、1.自ら変革の推進者を任じている、2.勇気がある、3.人を信じる、4.価値によって動く、5.生涯にわたって学び続ける、6.複雑さやあいまいさに対処できる、7.ビジョンを追う、の7つでした。

③サーバント・リーダーシップ

企業経営においても倫理観が重視される風潮が強まった2000年代初頭から、注目されるようになったリーダーシップのスタイル。リーダーはサーバント(奉仕する人)であり、その時代や局面において人々が最も求めているものを与えるために尽力する、という考え方です。ぐいぐいと力強くメンバーを引っ張る支配的なリーダーシップとは対照的と言えます。

リーダーシップが必要とされる背景

不確実性が高く、将来の成長が見通しにくい時代において、組織は変革を求められています。組織は個人の集まりであるため、組織が動くには優れたリーダーによる個人への働きかけが不可欠なのです。ただ、リーダーに必要な資質や行動は、時代背景や組織・集団が置かれた状況によって異なり、一義的には決まりません。そのため、上述したリーダーシップの種類や特徴をはじめ、さまざまなリーダーシップのスタイルを理解することが重要です。時代の変化に合わせて、また状況に応じてつかい分けることで、効果的に人や組織を動かすことができます。

リーダーシップを発揮できる人の特徴

リーダーシップを発揮できる人の特徴として、信頼関係を構築できている、精神的に成熟している、誠実で相手を思いやる、うまくコミュニケーションがとれる、率先して行動を起こせる、決断する能力がある、アイデアを生みだす発想力がある、といったことが挙げられます。

信頼関係を構築できている

繰り返しになりますが、ピーター・ドラッカーによると「リーダーに関する唯一の定義は、付き従う人がいること。信頼がなければ誰もついてこない」ということでした。人間関係には個人の相性や組織間・部署間の関係性なども影響しますが、仕事を進める上では信頼されていないと人を動かせないことは、言うまでもありません。

精神的に成熟している

精神的に成熟したリーダーになることは一朝一夕にはかなわず、人生のさまざまな経験を通して成長する必要があります。このようなリーダーは「オーセンティック(真正の)・リーダー」と言われます。彼ら、彼女らには、自らの目的を理解している、しっかりとした価値観に基づいて行動する、真心を込めてリードする、強固な人間関係を築く、自己を律する、という5つの特性が備わっているとされています。

誠実で相手を思いやる

あらゆるビジネスパーソンに誠実さが求められますが、とくにリーダーが信頼されるにあたって重要な要素でもあります。誠実さとは単純に約束を守ることにとどまらず、たとえ組織として命令する場面であっても、権限に頼って強要するのではなく、相手とコンセンサスを得ながら納得を促すといったことです。また、一歩引くことを心得ており、相手に利益を与える意識のあるリーダーは誠実だと見られやすいでしょう。

うまくコミュニケーションがとれる

日々のコミュニケーションから、リーダーへの信頼が醸成されていきます。例えば、自らの意見を押し通すのではなく、相手が望んでいることを聞きだすために傾聴し、どうすれば役に立てるかを考えるといったことです。また、相手の立場に立って相手の気持ちを理解するという共感力も重要です。人は不完全であることを前提に相手を受け入れるのです。

率先して行動を起こせる

リーダーには行動力が求められますが、ただやみくもに動けばよいということではありません。現状の問題点を正しく評価し、組織が追求するべき戦略的なビジョンを示した上で行動を起こすのです。その際、目標達成のためにはリーダー自らがリスクを取って自己犠牲的な行動を取ることによって、周りの人を巻き込んで組織変革といった大きな目標を達成することができます。

決断する能力がある

意思決定をするポジションには決断力が欠かせず、とくに非常時や危機的な状況において発揮されるべき能力です。不測の事態に対応するためには、希望的観測は捨てて現実を直視し、現場に立って素早く決断することが重要です。しかし、いくら迅速に決断しても現場を動かせなければ意味がありません。日頃から社内コミュニケーションを取ることで、リーダーが決断した意図を現場がすぐに把握できる状態を作ることも重要です。

アイデアを生みだす発想力がある

情報感度が高い人は、新しいアイデアを生みだして個人や組織を変えていくことができます。そういった人は、鋭い感性で物事をありのままに見ることで多くの気付きを得て、相手に対しても気付きを与えられます。また、現在の出来事と過去の出来事を照らし合わせて、そこから直感的に将来の出来事を予想できるという先見性があります。

リーダーシップを効果的に高める方法

リーダーシップを効果的に高める方法として、STEP1. ありたいリーダー像を描く、STEP2. 現状の自分を客観視する、STEP3. 現状とありたいリーダー像とのギャップを埋める、というステップで進めるとよいでしょう。また、STEP0として、公式権限を持つまでに後輩指導でパワーを磨くことがあります。

STEP1. ありたいリーダー像を描く

まずは、到達点として「どのようなリーダーになりたいのか」を考え、その要件を描くことで行動指針とします。ただ漠然と考えるというよりも、尊敬する経営者や上司、理想とする歴史上の人物など、具体的な人物をもとにリーダー像を描いてみましょう。そこから、あなたが目指すリーダーの要件を洗いだします。要件を洗い出せたら、他者に共有してフィードバックをもらうと、自分が考えていなかった要件に気付けます。

STEP2. 現状の自分を客観視する

次に、自分自身の現状を分析し、現在地を把握します。自分の何を分析するのかについては、行動なのか、能力・知識なのか、意欲・意識なのかという切り口(氷山モデル)で考えると分かりやすいでしょう。そして、分析方法については大きく2通りあります。1つ目は他者評価で、360度評価が代表的です。2つ目は自己内省で、自身の過去を振り返り、感動体験や挫折経験から、自らの行動・能力・意欲の源泉となる価値観を探るというものです。

STEP3. 現状とありたいリーダー像とのギャップを埋める

客観視した自分と、目指すリーダー像との間のギャップを埋めるにはどうするべきかを考え、行動します。仕事においては、試行錯誤を繰り返して成功体験を積むことが重要です。その際、明確な意図を持って行動し、結果を振り返り言語化することで、より大きな成長につながります。また、Off-JTをうまく活用するのも効果的です。ビジネススクールなどで異業種の方と議論したり、経営を疑似体験したりすることで視野を広げられるのです。

STEP0. 公式権限を持つまでに後輩指導でパワーを磨く

リーダーは、公式権限(ポジションパワー)のみに頼って組織を動かそうとしてもうまくいきません。そこで、現在はリーダーの立場にない人は公式権限を持つまでに、パーソナルパワーやリレーショナルパワーといった影響力を磨いておくと、リーダーになった際にバランスよく影響力を行使できます。後輩指導をする場面があれば、信頼関係に基づいて人を動かす絶好の機会と捉えましょう。

リーダーシップを学ぶ「組織行動とリーダーシップ」講座詳細

上記のとおり、リーダーシップの意味や発揮できる人の特徴、効果的に高める方法を見てきました。人や組織を動かして仕事をうまく進めるためには、リーダーシップが欠かせません。現在リーダーである人はもちろん、これからリーダーになる人が身に付けておくべきスキルでもあると言えます。

では、どのように学べば、効率よくリーダーシップについての知識が身に付くでしょうか。主に3つの習得方法があります。

①書籍で学ぶ
書店には、初学者にとって手に取りやすいさまざまな種類の書籍が並んでいますので、まずは興味に沿ったものを読んでみましょう。例えば、『【新版】グロービスMBAリーダーシップ』など、リーダーシップ理論を体系的にまとめており、実践へと生かす方法まで解説している書籍がおすすめです。

②動画で学ぶ
最近は、無料や安価でビジネススキルについて解説する動画も増え、映像を通じて学ぶビジネスパーソンが増えています。書籍を読むより時間がかからず、また要点を押さえたものが多いため効率的に知識をインプットできます。一方で、書籍と同様に基本的に受動的な学びのため、知識を定着させるには繰り返し反復して学ぶ努力が必要なのですが、それを行わずに「学んだつもり」になってしまうこともあります。

③ビジネススクールでディスカッションをして学ぶ
リーダーシップを集中して学べる講座を受けるのも方法のひとつです。「使える」学びを手に入れたいのであれば、インプットした知識を用いてディスカッションする形式の講座を選ぶのがよいでしょう。ビジネスで成果を出すためには、以下の4つのポイントを押さえなくては、効率的に仕事で活かせる学びになりません。

①知識をインプットする
②知識をつかいアウトプットする
③アウトプットに対し他者からフィードバックを受ける
④フィードバックを踏まえて、自分の思考を改善する

グロービス経営大学院でも、さまざまな人とディスカッション形式で学べるリーダーシップに関連する講座を用意しています。こちらの講座では、リーダーの在り方を捉えるために必要なフレームワークを理解した上で、エンパワーメント、グループ・マネジメント、組織変革とそのマネジメントなど実践的にリーダーシップを発揮する方法を学ぶことができます。

詳しくはこちら:組織行動とリーダーシップ 講座詳細

<こんな方におすすめです>

  • 状況に応じたリーダーシップの発揮方法を学びたい
  • リーダーとして持つべき信念や意思決定時のスタンスを学びたい

まとめ

リーダーシップには、万人向けに一般化できる「正解」はありません。また、組織の状況や環境に応じて適切な型をつかい分けることが求められます。そのため、まずは体系的な知識としてリーダーシップの種類やリーダーシップを発揮できる人の特徴を理解することが、優れたリーダーとなるための第一歩と言えるでしょう。その上で、リーダーシップを効果的に高めるステップに沿って実践力を高めていきましょう。理論として「 分かる」だけでなく実践的に「つかえる」ようになるには、Off-JTでの他流試合でアウトプットし、フィードバックを受けることも効果的です。

グロービス経営大学院の「組織行動とリーダーシップ」に興味を持たれた方は、ぜひ「体験クラス&説明会」にご参加ください。グロービス経営大学院の授業の特徴や提供科目の内容、キャンパスライフなどについて詳しくご案内しています。

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    開催:オンライン(Zoom開催) ※卒業生スピーチあり
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