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投稿日:2018年10月24日

投稿日:2018年10月24日

水野学・田川欣哉が語る「センスを磨くためにはどうすればよいか?」

水野 学
クリエイティブディレクター good design company 代表取締役
田川 欣哉
株式会社Takram 代表取締役/ロイヤル・カレッジ・オブ・アート 名誉フェロー

あすか会議2018「競争優位を生み出すデザイン×クリエイティビティ」ダイジェスト版
(肩書は2018年7月7日登壇当時のもの)

<動画の全文書き起こし>

水野氏:「女性誌」って月に何誌くらい読みますか?

参加者:女性誌は読まないです。

水野氏:僕は女性誌、10~20誌は絶対目を通しているんです。男性誌はもちろん当たり前だし、『鉄道ファン』とか『航空ファン』とか『月刊盆栽』みたいな本とか。建築関係も見たりするし、雑誌だけでも50、60、100誌くらい見るので。もちろんそれは眺める程度ですけど。でも、やっぱり見てるのですよね。今月の『VERY』も面白かったですし。まずは「センスがない」っていうのは「(センスは)超能力じゃない」というところから、「(センスは)努力である」というところからマインドセットを変えていく必要がある。

田川氏:やっぱり「嫌いなものは好きになれない」というのは本当にその通りで。ただ、みんなここにいる人たちもそうだと思うのですけど「自分の好き嫌い」って案外、把握していないのですよね。だから今の水野さん方式で、ちょっとオススメで、デザイナーのプロがよくやっているのが、「雑誌とかを見ている時に、自分が気に入ったものに付箋を貼っていく」こと。それで、何を自分がピックアップしたのかとをたまに振り返る。それをプロに見てもらった時に「何でこれを選んだの?」みたいな話をする。デザイナーとの会話リテラシーってほとんどそれかなと思ってて。デザイナーの側からすると、好き嫌いがはっきりしている人とは仕事がすごくしやすい。これは良いとか悪いとか言ってくれるから。デザイナーは引き出しが多いので結構当てていける。遠山さんとかめちゃくちゃはっきりしているから、「森岡書店」とかも迷わないのだけど。これでも良いかな、あれでも良いかなと言うと、ジャッジが微妙にずれてくる。ブランディングは面で見せていくので。だからデザイン誌とかを見て、自分の好きに付箋を貼っていくことからスタートしてもいいかもしれない。


動画のフルバージョンはこちら

水野 学

クリエイティブディレクター good design company 代表取締役

1972年東京都生まれ。 多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業、1998年good designcompany設立。美しいだけでなく「本当に売れるデザイン」に重点を置き、ブランドづくりの根本からロゴ、商品企画、パッケージ、インテリアデザイン、コンサルティングまで、トータルにディレクションを行う。主な仕事にNTTドコモ「iD」、熊本県キャラクター「くまモン」、農林水産省CI、「中川政七商店」、「久原本家」、宇多田ヒカルCDジャケットなど。世界三大広告賞の「One Show」でGoldほか国内外で受賞歴多数。近著に『センスは知識から始まる』(朝日新聞出版)、特集誌に『gooddesign company水野学』(誠文堂新光社)。

田川 欣哉

株式会社Takram 代表取締役/ロイヤル・カレッジ・オブ・アート 名誉フェロー

プロダクト・サービスからブランドまで、テクノロジーとデザインの幅広い分野に精通する。主なプロジェクトに、トヨタ自動車「e-Palette Concept」のプレゼンテーション設計、日本政府の地域経済分析システム「RESAS」のプロトタイピング、Sansan「Eight」の立ち上げ、メルカリのデザインアドバイザリなどがある。グッドデザイン金賞、 iF Design Award、ニューヨーク近代美術館パーマネントコレクション、未踏ソフトウェア創造事業スーパークリエータ認定など受賞多数。東京大学工学部卒業。英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アート修士課程修了。経済産業省「産業構造審議会 知的財産分科会」委員。経済産業省・特許庁の「デザイン経営」宣言の作成にコアメンバーとして関わった。2015年から2018年までロイヤル・カレッジ・オブ・アート客員教授を務め、2018年に同校から名誉フェローを授与された。