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「人的ネットワーク」の本質って何だろう?

今回は人的ネットワークや人脈、についてお伝えしたいと思います。

良質な人的ネットワークによって、打算のないフィードバックを得る

ビジネスにおける「人脈」の重要性は、今更語るまでもないことかもしれません。

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「一人の人間では何もできない。だからこそ、どういうネットワークを持っているかが重要。」

このくらいの抽象度で、人脈の必要性を理解している人は多いでしょう。

実際に、グロービスにおいても、教育理念の1つとして「人的ネットワーク」という言葉が入っています。

しかし、概念的に「人脈」や「人的ネットワーク」の必要性が分かったとしても、実際にそれがどんな意味があるのか、ということに、リアリティを持って語れる人はそんなに多くはいません。

では、その正体は何でしょうか?

その一つの側面は、なかなか日常的に生活していると気付かない「言葉」に出会えることにあるのではないかと思っています。たとえば、

・キャリアに対する打算抜きの率直なアドバイス

・会社や事業に対する素朴で本質的な質問

・自分の強み、弱みにおける想定していなかったフィードバック

といったものです。

「なんだ、そんなものか」と思われる方もいるかも知れませんが、実は強い人間関係の中にいると、今後の関係性なども考慮してしまってなかなか率直なフィードバックなど期待できないものです。

キャリアの相談なども、職場で議論するにはあまりにもセンシティブな話題であるとともに、そのアドバイスは大抵は同質的な仲間であればあるほど予想の範囲内にとどまりがちです。

また、事業に対する素朴な質問のようなものは、聞いてくるのは新人や異動したての若手くらいなもので、大抵は、「そういう面倒なことを聞く前に、まずは仕事を理解しろ」で片付けられてしまいます・・・。そのうち当の若手も組織に染まってしまい、どんな疑問を持っていたのかすら忘れてしまいます。

つまり、上記にあるような「ピュアで打算のない」アドバイスやフィードバックというのは、なかなか日常的には得難い代物なのです。

「弱い関係性」をどれだけ意図的に築いているか?

"The Strength of Weak Ties"(「弱い紐帯の強み」)という説をご存知でしょうか。

マーク・グラノヴェッターというアメリカの社会学者が1973年に提唱したものです。

そのリサーチでは、282人のホワイトカラーの労働者に対して、現在の職を得たプロセスを調べたのですが、その結果、家族や職場など身近な人(Strong Ties)よりも、たまにしか会わないような繋がりの薄い人(Weak Ties)からの意見や情報の方がより参考になっていた、というものです。

強い関係性からの情報は、大抵予想される話であるのに対して、弱い関係性からの情報は、自分でも気付かなかった発見などに溢れているために、本人にとって多くの気付きが隠されている、ということがその本質なのだと思います。

とするならば、よりよいキャリアを歩みたいのであれば、「どれくらい意図的にWeak Tiesを作っていけるのか」ということがポイントだと言えるでしょう。

Strong Tiesというのは意識しなくても出来上がるものである一方、Weak Tiesというものはその名の通り「弱い」ために、本人が意図を持ってメンテナンスをしていかなくてはならないからです。

全世界から意欲ある人たちが立場を超えて集まるオンラインMBA

しかし、そうは言っても、なかなかWeak Tiesが築きにくい環境があるのも事実です。

たとえば、海外駐在者、地方勤務者、子育てや介護中の方などはその典型でしょう。

そういう環境下では、Strong Tiesは地元のコミュニティなどを通じて強固になる一方で、Weak Tiesの構築は難しいのが現状です。

結果的に、極めて同質性の高い環境下でありきたりの情報に触れながら時間を過ごす、ということにもなりがちです。

そのような中で、もし皆さんが「既存のコミュニティではないところで新鮮な刺激を受けたい」という意欲を持っているのであれば、その解決策の一つとして、是非オンラインMBAを検討してほしいと思っています。

バーチャルの場とは言え、自分自身を成長させようという人が、全世界から業種、立場を超えて集まってくる場というのはそんなにあるものではありません。そういう場から生まれてくるコメントは、多くの気付きに溢れています。

既に始まったクラスでのやり取りを見ていると、Weak Tiesだからこそ、業界や立場、年齢などの垣根を超えて率直に言えること、聞けることががあるのだと、改めて感じています。

グロービスは、オンライン・通学型限らず、このような人間同士の生きたコミュニケーションを大切にしています。

現在の日常的な環境にもしマンネリ感を感じている方がいれば、是非、オンラインMBAの門を叩いてみてください。

「学ぶ内容」とともに、「学ぶ仲間」からの刺激に気付かれると思いますよ。 それでは、皆さんとの出会いを心よりお待ちしております。

オンラインMBAの体験クラス&説明会

自宅からでも参加できるオンラインの体験クラスは常時開催しています。
是非一緒に悩み、考え、議論しながら、立場を越えた仲間を作っていきましょう。

頭の反応速度を高めるちょっとしたコツ

こんにちは、荒木です。

先日、とある法人の研修に講師として行ってきました。

選抜された部長クラスの方を対象とした、会社のあるべき戦略についての議論を深める、

というプログラムです。

その中で、ある参加者のノートがふと目に入ってきました。

そのノート、感動的なほどにきれいでした。

どうきれいだったかというと、クラスの内容が、
自分なりの視点で体系的・構造的に整理されていたのです。

学生時代にやっていたようなホワイトボードまる写し、ということではなく、自分なりに論点を関係づけ、独自の構造で学んだことを整理していたのです。
クラス自体は必ずしも構造化された内容ではなく、その時々の質問や意見に応じていろんな議論を深めていったので、あっちこっち喰い散らかしたような議論でした。
ただ、それを自分なりに咀嚼し、議論を位置づけ、その学びの構造の中に取り込んでいたのです。

その方の発言は当初からちょっとした特徴がありました。

具体的には、発言の瞬発力があること。

つまり、質問に対する反応スピードが他の人より圧倒的に速い。

そして、過去の他人の発言を引用する機会が多い、というのも、もうひとつの特徴でした。

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なので、クラスの中でも一目置かれる存在だったわけですが、その背景にはこのノートの存在があったわけです。

「知識」というのは「机の引き出しの中身」、

もしくは「クローゼットの中の洋服」と似ています。常に整理された状態にしておかないと、

「いざ必要」という時に取り出せません。
「あれ、確かこの引き出しにハサミがあったと思うんだけど、どこだっけ?」

「春物のコートはどこ?」

頭の反応速度が遅い人は、頭の中で毎日これに似たようなことが起きているわけですね。

もちろん、机の引き出しの中がすっからかんであれば話にならない。

でも闇雲に中身を増やせばいいというわけではありません。
中身を増やしていくのであれば、それと同時に「整理整頓すること」が大切なのです。

さて、我々の頭の中の引き出しはどれくらい整理されているでしょうか?

いろいろ本を読んだり、勉強したり、多くのことを経験しているにもかかわらず、

「いざという時に頭が動かない」という問題意識を持っている方、実は多いのではないでしょうか。

もしそうだとすれば、「知識量」ではなく、「頭の中の構造化」ということに意識を向けてみるといいかも知れません。

ちなみに、グロービスでも、学んだことの整理、ということはいずれのクラスでも行っています。

いきなり整理すること、構造化することはできなくても、回数をこなすことにより、自分にとって心地よい構造化の仕方などが分かるようになります。

オンラインの1クラスは90分×12回ですが、12回この構造化を繰り返すことができれば、あっという間に「自分なりの整理整頓術」が身に付きます。

ということで、この機会に一度、自分の頭の整理整頓がどれくらいできているか振り返ってみてください。

引き出しやクローゼットの中がグチャグチャになっている自覚症状があれば、一度立ち止まって整理してみることも大切ですよ。

2017年を飛躍の一年にしたい人へお薦めの一冊 ~『やり抜く力 GRIT』~

皆さん、あけましておめでとうございます。
オンラインMBAの荒木です。

さて年始のご挨拶に代えて、書籍のご紹介をします。

今年最初の1冊としてお薦めしたいのは『やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』です。
すでに出版以来、各所で話題になっているので、読まれた方もいるかと思います。
予め言っておくと、この本、特段の目新しさはありません。
この本のメッセージを5文字で言うとするならば「努力は大事」ということ。
いや、実際にはもうちょっと複雑ではありますが・・・(笑)、つきつめるとそういうことです。
なので、「そんなこと分かっとるわい!」という声がamazonのレビューにもたくさん載っています。
私のように手放しで評価する人がいる一方で、

「努力を強調しているだけで、他に何も新しいことを言っていない。この著者自身が努力の人だったのかも、だけど、面白みも新しさもなく、何も生み出してない。」


とか、散々な書かれ方もしています。イラストby荒木博行
こういった批判、まさにその通り。

しかしその上でなぜこの本が私に刺さったのかというと、私が普段から成長にとって大事だと考えていた「目的」「意図」「意味づけ」という3つの視点が(やや異なる表現方法ではあるものの)しっかり記載されていたからなのです。

「そうそう、俺が常に意識しているのはこれ!」ということで、ページをめくるたびに膝を叩くようなイメージでした。やっぱり自分と同じ主張をしている本は大好きになるものです(笑)

以下、私が定義する「目的」「意図」「意味づけ」という枠組みに沿って、この本の内容の簡単な引用をしておきたいと思います。




「目的」:


手段を考える前に、何を目指すのか。その目的を絶えず意識すべき、ということです。これが何かを始める最初の一歩になるべきです。
言ってしまえば当たり前のこと。しかし、これは相当行動原理の中に染みついていないとあっという間に「手段の目的化」に陥ります。
何を目的にしてやっているのか分からないようなルーティン、身の回りにたくさんありませんか?
本書では、物事をやり抜くために、目標を定義することの重要性を至るところで語っています。

「仕事」のピラミッドの頂点には、複数ではなくひとつの目標を据えるのが望ましい。 要するに、目標のピラミッドが全体としてひとつにまとまり、各目標が関連性をもって、整然と並んでいる状態が望ましいのだ いちばん重要なことは、「やり抜く力」の鉄人たちは「コンパス」を替えないことだ。彼らにはたったひとつの究極の目標があり、ほぼすべての行動がその目標達成に向けられている。だから究極の目標に関しては、そんな投げやりな言葉は口にしない



「意図」:


目標や目的を定義した後、具体的なトレーニングに入るわけですが、トレーニングをがむしゃらにやればいいというわけではありません。
ホークスの工藤監督がかつて現役選手だった頃、「単に筋トレをするだけだったらしない方がまし。どういう能力を鍛えたいのか?そのために具体的にどこの筋肉をどのようにしたいのか、ということを考えなければやる意味はない」というような発言を聞いた記憶がうっすらと残っていますが(遠い記憶なので、相当怪しいです・・・)、要はそういう「明確な意図」と「設計」を持って訓練すべき、ということが本書に書かれています。

エリクソンの研究によるもっとも重要な洞察は、エキスパートたちの練習時間が並外れて多いことではない。いちばん重要なことは、エキスパートたちの練習のしかたが、他とは一線を画するという点だ。 ふつうの人びととちがって、エキスパートたちは、ただ何千時間もの練習を積み重ねているだけではなく、エリクソンのいう「意図的な練習」(deliberate practice)を行っていた 今回の調査でわかったもっとも重要なことは、時間の長さよりも「どんな練習をしているか」が決め手になることだった。ほかのどんな練習よりも「意図的な練習」が、大会を勝ち進むための要因になっていることがわかったのだ



「意味づけ」:


意図を持ったトレーニングを重ねていても、必ずしも望ましい結果が出るわけではありません。
出てきた結果をどう捉えるか、どう意味付けするのか、というのはもう一方で大切な心構えです。
本書においても、「意味づけ」の重要性は各所で語られています。

ポイントは、「心のつぶやき(考え方、物事の受けとめ方)は、よい方向に変えることができる」ということ。そして、目標に向かって進んでいくときに、ネガティブな心のつぶやきに邪魔をさせないようにする方法も、身につけることができるということだ。指導を受けて練習を行えば、困難な状況に陥っても、自分の考え方や感じ方を変えることができる。そしてもっとも重要なのは、行動を変えることができるということだ
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リーダーという立場に立つ前に読んでおきたい3冊

スポーツ界において、「名選手、名監督にあらず」という言葉があります。
たとえ選手として優れていたとしても、監督として優れていることにはならない、ということです。
そして、これはビジネスにおいても同様。
プレイヤーとしてはバリバリ業績もあげていたにもかかわらず、チームを持った途端に、チームメンバーから反発を受け、チーム運営が立ち行かなくなる・・・。そんなケースは至る所に見受けられるのではないでしょうか。

怖いのは、プレイヤーとして優秀であればあるほど「なんでもできてしまう」というブランドイメージが自他共についてしまうことです。
担当者とリーダーは延長線上にはありません。
スポーツで言うならば、野球とサッカーくらい違うかもしれません。
にもかかわらず、「野球ができるから、サッカーもできるだろう」と思われてしまうし、自分でもそう思ってしまう。ここに悲劇の始まりがあります。

ではどうすべきか?
その答えは極めてシンプルで、「リーダーになる前にできるだけ準備をしておくこと」。
それ以外にありません。
ということで、今回は、リーダーになるための心の準備、ということで、お勧めの3冊をご紹介したいと思います。


メンバーの才能を開花させる技法


あまり有名な本ではありませんが、名著です。51R-uqQ1JHL._SX338_BO1,204,203,200_
この本では、リーダーを、「増幅型リーダー」と「消耗型リーダー」の2つに分類しています。

増幅型リーダーとは、部下の才能が最大限活かし、結果として部下の能力が「増幅」していくマネジメントを行うタイプです。
部下の隠れた能力を見出し、機会を通じてその能力を引き出し、その成長を支えていく。課題は最終的に「その当人が解決できる」ということを信念においている。しかし、ただ「人当たりがいい」だけでなく、結果には厳格であり、ベストを尽くすことを大前提とする。
こんなリーダーのことを「増幅型リーダー」と呼びます。

他方で、消耗型リーダーとは、その対極です。
つまり、「今できない人間はこれからもできるようになるはずがない」と考え、「問題を解決できるのは、自分しかいない」と思い込んでいる。重要な意思決定は自分が行い、メンバーには細部に至るまで命令を下し、全てのことを「支配」しなければ気が済まない。
結果的にメンバーはあたかも組織の「部品」であるかのように感じてしまい、疲弊し、やがては消耗する・・・。

怖いのは、自分自身がプレイヤーとしての自信が高ければ高いほど、「消耗型リーダー」に陥ってしまう可能性が高いということです。
「この仕事のクオリティは自分でないと出せない・・・」
「他のメンバーは信用できない・・・」
「自分で全部やらなくちゃ・・・」
というマインドセットになりがちな人は、仕事の充実感はあるかもしれませんが、ひょっとしたら「消耗型リーダー候補」かもしれません。
気になる方、是非この本でチェックしてみましょう。


自分の小さな「箱」から脱出する方法


この本は知る人ぞ知る名著。71g0DkP4VIL
これほど「人との向き合い方」を分かりやすく書いてある書籍はないかもしれません。
この本では、「自分は正しくて、相手が間違っている」というものの見方をしている状態を、「箱に入った状態」と呼びます。
一旦「箱」に入ってしまうと、相手がどれだけ正しいことをやろうが、物事が歪んで見えてきます。
自分がやっていることは、全て「正当化」しようとする。
相手がやっていることは、全て批判の対象となる。

一旦誰かが「箱」に入ると、その相手もやがては「箱」に入っていきます。「自分はこれだけ頑張っているのに、相手が理解してくれない・・・」
こうして「箱」に入った者同士、いい関係が築けるはずがありません。
お互いの「人間観」が歪んできて、一人の人間ではなく、「だらしない生き物」くらいにしか見えなくなってくるのです。

大事なことは、「箱」から出て、相手を一人の人間として見ること。
「偉そうなことを言っているこの自分だって、強く見せかけているだけで、いろんな誘惑に負けるし、気分屋だし、大事なことをごまかそうともする弱い人間じゃないか」
そこから物事をスタートしない限りは、先に進むはずがないのです。
これは、同僚や部下に対してもそうですが、上司に対してもそうだし、夫婦関係や子供に対しても同じです。
誰だって「一人の人間」として見られていなければ、「自己正当化」したくなるのです。

ここで書かれていることは、極めてシンプルなことですが、人の上に立つ人間として、しっかり理解しておきたいことです。
リーダー、リーダー候補のみならず、全てのビジネスパーソンにお勧めしたい1冊です。


27歳からのMBA グロービス流 リーダー基礎力10

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営業力をさらに伸ばしたい時に読む3冊

「当初は全く買う気がなかったにもかかわらず、営業担当者の説明を聞くうちに買ってしまった・・・」

そのような経験をお持ちの方、結構いらっしゃいますよね?

そういう時、「あの人は営業力がある」というような表現をよく使いますが、ひとくちで「営業力」といっても奥が相当深いはず。
単なる口八丁手八丁のような「トークが上手」というだけではありませんし、「交渉上手」というだけでもないでしょう。
では、この「営業力」の正体は一体何なのでしょうか?

今回は、その奥深い「営業力」の本質を考えるための書籍を3冊ほどご紹介したいと思います。

1)なぜハーバード・ビジネス・スクールでは営業を教えないのか?

ハーバードビジネススクールを卒業した著者が、世界中の営業力の優れた人に関して取材した内容をまとめた書籍です。41Yr9B7QYsL-210x300.jpg

では、この著者の調査の結果として判明した「優秀なセールスマンの資質」はどのようものかを見てみましょう。

それは、

「共感力」「自我」を兼ね備えている

ということ。

つまり、顧客に耳を傾けてその頭の中を理解する、という力と、何度断られてでも成約にこぎつけるという自我の強さが重要だということです。
この2つは、どちらかだけを持っていてもダメです。
共感が強すぎれば、単なる良い人で終わってしまう。
自我が強すぎれば、強烈な押しの強さはあるが、嫌われる。
したがって、バランスが何よりも大事なのです。

では、その「バランス」というのはどの辺が落とし所なのでしょうか?
どうやったらバランスを取ることができるようになるのでしょうか?

いろいろな疑問は湧いてきますが、この本には以下のような身も蓋もないコメントも引用されています。

「営業は教えてできるものじゃないんです。だって、自分がいつも考えていることや、生きざまそのものが問われる仕事ですから。」

確かに、「共感と自我のバランスをとれ」だとか、それこそ「営業は断られてからが勝負だ!」ということを「教える」ことはできます。
しかし、その教えを実践できるかどうかは、究極的にはその人の「生きざま」次第。
そこには理屈だけでは片づけられない領域が存在します。

「なぜハーバードビジネススクールでは営業を教えないのか?」という表題に対する答えは、この辺にあるのかもしれません。

ちなみに、原題(米国版)は「Life's a pitch」(=人生は売り込みだ!)。
理屈を超えた「営業人生論」を感じたかったら、おススメの一冊です。

2)人を動かす、新たな3原則

こちらは、「ハイ・コンセプト」や「モチベーション3.0」などで有名な、ダニエル・ピンクの書籍です。

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ちなみに本書の原題は、「To sell is Human」訳せば、「セールスは人なり」
自己啓発的な印象を持つ邦題とは全く異なる深いタイトルです。

この本においてダニエル・ピンクは、セールスに必要な特性として、以下3つを定義しています。

同調(Attunement) 浮揚力(Buoyancy) 明確性(Clarity)

英語で見れば「ABC」という韻を踏んでいますが、日本語だと語呂もよくないですし、そもそもよく意味がわかりませんね(笑)

ここでいう「同調」とは、先ほどの「なぜハーバードは~」にある「共感力」、そして「浮揚力」とは、同じく「自我」に近いものです。
やはり、他者を理解する力と、ポジティブさや挫けない心の強さは、営業において何よりも大事なこと。
この辺りは前書との共通点です。

他方で、この書籍は最後に「明確性」というものが加わっています。
明確性とは、「相手が見えていなかった状況を明らかにして、置かれた状況を理解できるようにする能力」のこと。
「問題発見力」、「問題提示力」と言えるかもしれません。

人の心を動かすために重要なのは、他人の問題を「解決」する能力よりも、問題を「発見」する能力なのである。 かつて、優秀なセールスパーソンは疑問に「答える」ことに長けていた。現在、優秀なセールスパーソンは、「訊ねる」ことが得意でなくてはならない。可能性を明らかにし、隠れた論点をあぶりだし、思いもよらない問題を見つけ出すということだ。

といった言葉は、この「明確性」をわかりやすく説明していると思います。
つまり、単に相手に同調・共感するだけではなく、相手が見えない課題を提示してあげられるかどうか。
確かにこの力は大事ですね。

3)営業力

そして、最後は、田坂広志先生の書籍。41GRCSAD8NL._SX322_BO1204203200_-205x300.jpg
タイトルは、そのままずばり、「営業力」です。

これ以上ストレートなタイトルはないでしょう。
この本では、営業に関する行為の一つひとつの意味合いが、田坂先生独特の世界観の中で語られます。

この本では、冒頭に、田坂先生が「営業力」という問いに対して答えてくれています。

もし私が、「営業力とは何か」と問われれば、答えは、一言です。 人間と組織を売り込む力。 それが「営業力」です。

すべての企業や会社も、最初は実績も商品も何もないところから、始まるわけです。
最初にあるのは「人」だけ。その人が語る夢に共感してくれる顧客がいて、初めてビジネスがスタートする。
したがって、営業の原点には、商品やサービスの前に、「自分自信を売り込む」ということがあるわけです。

振り返ってみれば、オンラインMBAのサービスも同じでした。
オンラインを通じて「ライブでMBAを学ぶ」というコンセプトは、実績もなければ目に見えるモノもない。ゼロからのスタートです。
今でこそ受講経験者がいろんなところで語っていただいてますが、当時は「自分たちのコトバを信じてもらうしかない」という状況だったわけです。
だからこそ、サービス開始当初に受講を決めていただいたお客様のことは忘れませんし、「人間と組織を売り込んだ」という経験は大切な経験になっています。

さらに、田坂先生は、この「営業力」という本の中において、

もし我々がプロフェッショナルの「営業力」を身につけたいと思うならば、やはり「商談」において、この「技術」と「心得」の両方を身につけなければなりません。

と語ります。

3冊を通して語られていること

我々は「技術」は学べるかもしれませんが、ここでいう「心得」というものは、経験を通じて磨き上げていくしかないのかもしれません。

そして、結局のところ、3冊を通して語られてきた

「営業とは生きざまそのものが問われる仕事」 「セールスは人なり」 「営業とは人間と組織を売り込む力」

という言葉は、表現こそ違えど、「営業は小手先のテクニックではない。全人格の勝負なのだ」、ということに気づかせてくれます。
この人間味あふれる勝負の奥深さを理解している人こそ、真のセールスパーソンと言えるのかもしれません。

もし営業において壁にぶつかったら、これらの本を手にとってみて、営業の「心得」に思いを馳せてみてはどうでしょうか?
そして、「理屈」の部分を深めたかったら、「クリティカル・シンキング」や「マーケティング・経営戦略基礎」あたりがおススメです!

グロービス経営大学院 教員/荒木博行

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意思決定に悩んだ時に見たい映画3本

こんにちは、グロービス・オンラインMBA荒木です。
前回は「コミュニケーション力を高めたい時に読みたい3冊」というテーマで書籍の紹介をしましたが、今回は「意思決定に悩んだ時に見たい映画」というタイトルでお話しします。

リーダーであるかどうかにかかわらず、意思決定というものはついてきますよね。

お客さんからの無理難題に対してどう応えるべきか?
3人の採用候補者のうち、どの1人を選ぶべきか?
今、自分は異動届けを出すべきかどうか?

悩みの大小の差こそあれ、私たちは日々意思決定を重ねている、といっても過言ではありません。

そして、意思決定で何が難しいかと言えば、必ずしもロジカルに割り切れるものではないところにあります。
人と人が作用し合う経営の中において、「感情」という捉えどころのない要素も大事なファクターになりますし、もっと言えば「時の運」みたいな正体不明なものもかかわってきます。
結局、何が正しい意思決定なのか、ということを事前に理解することは不可能であるとも言えるでしょう。
だからこそ、「意思決定」はどんな時であっても私たちを悩ませ続けるし、そして同時に「少しでもその能力を高めたい」というモチベーションが湧き続ける分野でもあるのかもしれません。

さて、今回はそんな「意思決定」を追求するための映画を3本ほど。
敢えて「経営」という領域から離れた映画をピックアップしてみました。
まだ見たことがなければこの機会に是非どうぞ!

1.「八甲田山」






実際に1902年に起きた「八甲田山雪中行軍遭難事件」をテーマにした映画です。914pBfRDxaL._SL1500_
この事件は、参加者210名中199名が死亡、そのうち6名は救出後に死亡という大惨事です。
Wikipediaによると、「日本の冬季軍事訓練における最も多くの死傷者が発生した事故であるとともに近代の登山史における世界最大級の山岳遭難事故」とのことで、その惨事の様子を克明に描いた映画です。

この映画では、実際に行軍に成功した部隊と、失敗して遭難した部隊の2つを対比する形で描かれているのですが、失敗した方についてはまさに「意思決定でよくありがちな落とし穴」にハマるシーンが各所で見ることができます。
例えば、雪中行軍ということの情報収集を十分にせず、その特性を理解しないままに、「組織の理屈ありき」で行軍のプランや体制が決まってしまう、というようなことはその典型です。

「あの部隊には負けられない・・・」
「どうせやるのであればこの目的もついでに・・・」
「せっかくならばこの部隊も一緒に・・・」

こうした思惑がないまぜになり、そしてその思惑が最優先され、結果的にはよく分からない組織体制やプランが組まれることになります。
そして、「そもそも雪山というのがどういうものか」、「本来どのように臨むべきなのか」という考察や分析は二の次、三の次なのです。

「戦う場を十分に理解しないまま、組織の都合だけで勝負に出る」

というこの姿は、ビジネスでもよくある負け戦のパターンに通じます。

そして、映画での1シーン。
追いつめられたこの部隊は、崖の雪山斜面を登る、という無謀な意思決定を行うわけですが、このシーンはもう言葉になりません。
体力尽きて崖から次々に落ちていく隊員達・・・。
しかし、この崖という難関をクリアした隊員たちには新たな悲劇が待ち受けています。
死力を尽くして登ったその先には、希望が見えるのではなく、ただただ無情にも次の真っ白な極寒の世界が広がるだけなのです。
何とか登った先で感じるこの絶望感は、筆舌しがたいものがあります。改めて「意思決定」の重要さを感じさせるシーンです。

この他にも、組織のあり方、現場でのリーダーシップの発揮方法、トップの下につくミドルの役割・・・などなど、ビジネスに置き換えて考えられるシーンがいくつも出てきます。
リーダーの意思決定の本質を考える上で、是非「自分がこの当事者の立場だったらどういう意思決定をするだろうか?」という視点で見ていただきたい作品です。

2. 「ハンナ・アーレント」






ドイツ系ユダヤ人の哲学者であるハンナ・アーレントを描いた作品です。71UybwRa5rL._SL1131_
ミニシアター系の映画で小規模の上映だったにもかかわらず、満員が続き、当初からかなりの話題になった映画。
テーマとしてはナチス・ドイツのアイヒマンの裁判に関する話であり、ややもすると難解なテーマなのですが、テーマに対する知見がある、なしにかかわらず、見た人すべてに深く考えさせる作品になっています。

この作品のメッセージは、アーレントがこの映画の最後に発する8分間の名演説に凝縮されています。
そのメッセージとは、

「考えを放棄した人間は、気付かぬうちに悪の根源になる」

ということです。

つまり、

「なぜこうなっているのか?」
「なぜこれをやる必要があるのか?」

といった根源的な問いを忘れた「惰性の意思決定」を続けていると、結果的に無意識に破滅に至ることになる、ということです。

私たちは往々にして「組織の要請」に基づいて、深く考えることのないままに意思決定をしてしまうことがありますよね。
「まあ仕方ない、ここで何か考えても無駄だ」
「どうせ今までもやってきたことだ」と。
しかし、悪意を持った意思決定以上に、この思考停止の姿勢こそが危険なのだということを、この映画は気付かせてくれます。

実はこの話は先に紹介した「八甲田山」の意思決定においても根底に流れているテーマでもあります。
上官の指示に対して、思考停止のまま言葉を飲み込むリーダー。
結果的にはこういった些細な「惰性の意思決定」の積み重ねが、取り返しのつかない悲劇を生むことになるのです。

考えることを放棄しない「思考の粘り強さ」こそが何よりも重要なことである、ということに気付かせてくれる一本です。

3. 「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」

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コミュニケーション力を高めたい時に読む3冊

こんにちは。オンラインMBA荒木です。
前回のコラム(「ビジネス書を読むときに意識したい3つのポイント」)では、ビジネス書の読み方についてまとめましたので、これからはその続編ということで、何回かに分けて具体的なお薦め書籍をご紹介したいと思います。

今回のテーマは、誰もが悩む「コミュニケーション」についてです。

ちゃんと話しているつもりなのに、うまく話が伝わっていない・・・ メールがなぜか「上から目線」と言われて批判を受ける・・・ 感情的になってしまい、ちゃんとした議論ができない・・・

このようなもどかしさ、おそらく一度ならずとも感じたことがあるのではないかと思います。

そして、そんなもどかしさを感じた時、手に取りたくなる本というのは、堅苦しくなく、教科書っぽくないもの。
それでいてちょっとしたヒントを与えてくれるもの・・・ではないでしょうか。

ということで、今回は「コミュニケーション」をテーマに、敢えて比較的軽く読める「やわらかめ」な本を3冊選んでみました。
それではどうぞ!

1.あなたの話はなぜ「通じない」のか






この本は私が教鞭をとる「クリティカル・シンキング」を受講してくださる方にもお勧めしている一冊です。41oywjKsDSL._SX350_BO1,204,203,200_
コミュニケーションに必要なスキルやテクニックなどが満載。

『考えるスタートは、「問い」の発見だ。問題が与えられたら、私たちはすぐ、「答え」を探そうとする。(略)でも、正解のない問題を自分で考えたいなら、まず、「問い」を探すことだ。』


なんていう素晴らしい一節もあったり。

そんなお持ち帰り盛りだくさんなこの本の中でも、僕が一番強調したいのは、第4章にある「共感の方法」です。
例えば、相手が自分の文章を十分に読まないままリアクションしてくるような時、ありますよね。
こちらが丁寧に書いているにもかかわらず、素っ頓狂な返信メールをしてくる・・・。そんな時、「ちゃんと読めよ」とこちらも言い返したくなります。でも、それでは話は前に進みません。お互いの感情がささくれ立つばかり。
この本では、そういう場面に対して、このようなアプローチを勧めています。

『もう一度、「この人が本当に言おうとしていることはどういうことか」をつかむ気持ちで、相手のメールをじっくり読んでみよう。 そう。「相手にもう一度読め」ではなく、「自分の方がもう一度読む」のだ。想像力を働かせて相手の思考、想いに、いったん寄り添ってみよう。 嫌だろうけど、分かるけれど、「相手の読解力に頼る」より、「自分の読解力に頼る」方が確実だ。』


そうなんです。相手に「読め」と期待するのではなく、自分がもう一度相手の文章を読む。そして、相手の思いを読む・・・。
こんな負の感情が高まっているときほど、ロジカルな「論破モード」のスイッチを入れるのではなく、「共感モード」のスイッチを入れなくてはなりません。
こういうスイッチの切り替えができないと、折角身に付けたスキルやテクニックが全く逆方向に作用してしまうんですよね。もったいない。

この本では、コミュニケーションのスキルとともに、こういったコミュニケーションに対する心のありようなどを教えてくれる良書です。
是非多くの人に読んでいただきたい一冊。

2.20歳の自分に受けさせたい文章講義






さて、次は「文章の書き方」についての本。31QfJVEjrDL._SX306_BO1,204,203,200_
タイトルは「20歳の・・・」となっていますが、年齢は全く関係ありません。
何を隠そう、僕が現在文章を書く際においても貴重な参考材料とさせていただいている本でもあります。

さて、書くことについて、胸を張って「自信がある」と言い切れる人はあまり多くはないでしょう。
僕自身、物を書く際は、短いコラムであれ、書籍のような長文であれ、ひとしきりもだえ苦しみ、「脳みその中身をそのまま言葉にしてくれるデバイスがあれば必ず買うのに!」という類の余計な妄想が必ず入り、「時間を掛けた挙句にこの程度の文章か!」と自己突っ込みを入れ・・・というお約束の紆余曲折を経てようやく形になっていきます。

文章力を高めたい、スピードアップしたい、というのは僕の切実な願いでもあります。
そんな願いに対して、力を与えてくれるのがこの書籍です。超使えるスキルが満載。
一例を引用して紹介しましょう。

『書き手の側も聴覚的なリズムを気にする前に、「視覚的リズム」を考えなければならない。 視覚的リズムとは何か? 分かりやすく言えば、文字や句読点が並んだ時の、見た目の気持ちよさだ。 本屋さんでぱっと本を開いた瞬間、ネットのブログ記事を見た瞬間、受け取ったメールを開いた瞬間。 読者はこの一瞬で「なんか読みやすそう」「なんか読みづらそう」を判断している。視覚的で、直感的な判断だ。 (中略) 「視覚的なリズム」は、ぼくは大きく次の3つによって生まれるものだと思っている。 ①句読点の打ち方 ②改行のタイミング ③漢字とひらがなのバランス 読みやすく、しかもリズミカルな文章を作るためには、いずれも大切な要素である。』


実は、このような文章の基本動作を教えてくれる実用書、あまりないのですよね。
そういう意味で、この本は大変重宝しています。お薦め!

3.心を揺さぶる語り方 -人間国宝に話術を学ぶ-

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ビジネス書を読むときに意識したい3つのポイント

こんにちは。グロービス・オンラインMBA荒木です。

さて、そろそろ夏本番。夏休みだからこそ、たまった積読(つんどく:未読書)をまとめてよみたい!という方も多いのではないかと思います。ffcd87c53fc02edfd5667b95bafc9d59_s
しかし、自分の読書法に自信を持っている人、意外に少ないのではないでしょうか?
もちろん本の読み方は最終的に人それぞれでいいと思いますが、「これだけは!」という3点を整理してみました。
この夏、机の上の積読に向き合う前に、まずは本の読み方そのものを意識してみましょう!

ということで、ビジネス書の読み方を3点ほどご紹介します。




1.合わない本は早めに見切りを付ける


一度買ったら最初から最後の1ページまで読み切る、という読み方をする人は、勉強熱心な方ほど多い気がします。
もちろん丁寧に読み切るというのは決して悪いことではないのですが、たまたま手に取ってしまった「自分に合わない本」まで時間を掛けて丁寧に読む必要はありません。
「折角買ったのだからもったいない」という気持ちは分かります。
しかし、お金以上にもったいないのは、我々の「貴重な時間」です。
「この本はキツい」と思ったら、「さっさと諦める」。「斜めに読んでおく」。「大事だと思ったところだけつまんでおく」。
そんな感じでもいいのです。そして、もしその本が本当に良い本なのであれば、その本の意味が分かるようになったタイミングでまた読めばいい。

念頭に置いておかなくてはならないのは「過去に支払ったお金より、これから過ごす時間の価値」の方が重要だということでしょう。
無理して最初から最後まで同じ力を掛けて読む必要はないのです。




2.ベストセラーよりもロングセラーを選ぶ


皆さんは本を選ぶ時、どのような選び方をしているでしょうか?
勉強熱心な方ほど、「今売れているから・・・」、とか「Facebookで友達の間で話題になっていたから・・・」、というケースが散見されます。

もちろん、純粋に流行を理解する、話題にキャッチアップする、という目的で選ぶならばいいでしょう。
しかし、言うまでもなく、その時のベストセラーが必ずしも今の自分にとって良い本とは限りません。
そもそも、ベストセラーというものは、内容とは関係ないところでの「書籍マーケティングの巧拙次第」といった側面もあるので、必ずしも質を保証するものではありません。
そして、本当に良い本だとしても、今の自分の問題意識に合致しているかどうかはまた別問題です。
本屋で平積みになっていたり、ネットで紹介されている中で、誘惑にかられる気持ちはよく分かります。
しかし、一度冷静に立ち止まって考えたいものです。
「この本は今の自分にとってどのような意味があるのだろうか?」 そして、「どうせ読むのであれば、本棚に前から眠っている別の本の方が良くないか?」と。

よく「ベストセラーよりロングセラーを」ということが言われます。
いわゆる古典的なロングセラーは、見栄えとして新鮮味に欠けるかもしれません。
しかし、同時にロングセラーは、多くの著者の批判的な視点に耐えてきた、という事実もあります。
打率は間違いなく高まるでしょう。
もし何らかの指標を頼るならば、「その瞬間的なの売れ行き」に目を奪われるのではなく、「売れている期間の長さ」に着目した方がいいかもしれません。




3.読んだ冊数にこだわらない


そして、最後のポイントが、「冊数の呪縛」です。
よく「毎月何冊読んでいるんですか?」という質問を受けますが、冊数そのものはあまり意味がありません。
「読み終わったけれども何が書いてあるのかさっぱり覚えていない」という本を増やしても仕方ないからです。
大事なことは、冊数にこだわるより前に、「読んだ本からの持ち帰り」を増やすこと。

・その本から得たことは一体何だったのか?
・その本から引用できる文章があるとするならばそれは何か?
・本を踏まえて自分が変えるべきポイントがあるとするならばそれは何か?

そういった「問い」を自分に問いかけ、自分なりに答えを出しておくことが何よりも重要です。
もし読書時間を1時間使うとした場合、55分は読書に使うとしても、5分程度は問いかけに向き合う時間にあててみてください。それにより読書の冊数は減ることになるかもしれませんが、読書効果は間違いなく高まるはずです。

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AERA特集記事から考える人脈の価値

こんにちは、荒木です。
AERAの2015年6月1日号における「日本を変える最強の人脈」という特集で、グロービスが紹介されました。

AERA 2015年6月1日号
「ビジネスは人脈で動く」というコンセプトで、人脈形成をしやすい環境の事例として、マッキンゼーや楽天、リクルートのような企業とともにグロービス経営大学院も紹介されています。



記事の中では、グロービス経営大学院の主な卒業生として、20名弱の方々が紹介されていました。90837ea86a7aca37f63e560ec280ef08_s
グロービス経営大学院が輩出している数多くの卒業生の中でここに紹介されている方はほんの一部ではありますが、改めて本当に素晴らしい方々が卒業されているんだなと感慨深く思います。

 

さて、記事においては「こういった人脈があれば、ビジネスチャンスが広がる」という事例が多く紹介されていました。
しかし、こういう人脈における忘れてはならないもう一つの側面があると思います。

それは「当たり前の基準作り」という観点です。

私たちビジネスパーソンが大きく飛躍していくために大事なこと。それは、いきなり何か壮大なチャレンジをし始めることではありません。
むしろ、目の前の一日一日をどうやって密度濃く過ごしていくか。日々の小善の積み重ねこそが大事だと思います。
多くの素晴らしいビジネスリーダーと接していて感じることは、彼らの一日の過ごし方における「当たり前の基準が高い」ということです。

つまり、
「こういうことをやって当然」
「こういう姿勢で取り組んで当然」
「ここまで深く考えて当然」
・・・というように、一つひとつのアクションに対する標準値が高いわけです。

たとえば、平均的な人が「1」という基準で1日を過ごすのに対して、ある人は「1.2」の基準で過ごし続けたとしましょう。
1日の差はたかだか0.2だけの差ですが、これが365日積み重なれば、それだけでも2ヶ月以上の差がついてしまう。
つまり、この1日の「当たり前の基準」というのは短期間で埋めがたい差を生み出すのです。

しかし、この当たり前の基準というのは、相対比較において徐々に形成されていくものです。よほどストイックな人でない限りは、個人だけの力で適切な基準を作ることは難しいでしょう。

だからこそ、「基準を高く設定している人々」の間に身を置いてみることが大事になってきます。
そういう人の傍にいて、その人が日々何をしているのか、どういう姿勢で取り組んでいるのか、どういう目つきで取り組んでいるのか。それを身近に感じてみる。
まだ自分自身の基準が不明確な人にとっては、そのリアリティが何よりも重要です。

「長い時間をともに過ごしている5人」の平均が、今と未来の自分を作っている

という記事が過去にありました。
いかに人生で成功するかというのは、どんな人と一緒に過ごすかということに関わっている」ということを述べたものです。
この内容の真偽のほどは分かりませんが、「どういう人脈の中に自分の身を置くべきなのか」、ということを考えさせてくれる記事だと思います。

さて、私たちの身の回りには、「自分の当たり前の基準が高めてくれる人」がどれくらいいるでしょうか?
その人とどれくらいの頻度で接することができているでしょうか?

もしそこに一抹の不安を感じるのであれば、一度グロービスを覗いてみる価値はあるかもしれません。
物理的に通えない人は、是非オンラインMBAへ。
オンラインMBAはまだスタートしたばかりではありますが、もう既に多くの「当たり前の基準の高い人たち」が集まってきていますので。

「頭のカタい人」の5つの特徴

「うちの上司は頭がカタくて困る・・・」といったような愚痴、よく聞きますよね。 しかし、そう言っている自分の頭は十分柔らかいのでしょうか?

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人の批判ばかりしていて、自分の頭がカタかった、なんて言ったらシャレになりません。


そこで、簡単な「頭のカタさのセルフチェックリスト」を作ってみました。是非確認してみてください。

1)どんなときにも通用すると思っている「オレ流」「ワタシ流」ロジックがある

ビジネスをある程度やっていれば、その領域におけるやり方というものが出来上がります。たとえば、
「こうすれば組織がうまくまとめられる」とか
「こうやれば営業で数字をあげられる」など、
仕事に応じた自分なりのやり方というのは遅かれ早かれ出来てくるはずです。
そのような自分なりのロジックがあることはいいことです。

ただ、怖いのは、そのロジックが

「どんな場面でも汎用的に使える」と思い込んでいることです。

環境が変われば、今まで通用していたものも全く使えなくなります。
それを超越した「オレ流」「ワタシ流」のロジックがあると考えている方は、まず自分の頭の固さを疑った方がいいかもしれません。

2)そのロジックの根拠は「自分の過去の経験」のみである 

また、たとえかなり汎用的なロジックがあるとしても、
その背景にあるのが「自分の過去の経験のみ」というのもかなり危険な兆候です。
当たり前ですが、個人の経験というものは限られます。
その限られたものだけをもって世の中すべてのことを片付けようという意気込み自体は素晴らしいですが、同時に頭の固さ疑った方がいいかもしれません。

3)新しい理論に出会った時、ケチをつけることに全精力を注ぐ 

いろいろな人に話を聞いたり、本を読んだり勉強をしたりすると、大抵はその場ですぐには飲み込みきれない理屈に出会います。
その際、素直に理解しようと試みるのではなく、まず「そのロジックのどこに粗があるか」ということを発見することに全精力を注いではいないでしょうか
もちろん「新しいものをすべてを飲み込むべき」、とは言いません。

ただ、このパターンの人は

「自分にとって初めて」→「よく分からない」→「気に入らない」→「粗を探す」

という思考回路が異常に発達している可能性があり、新しいものをすべて反射的に跳ね返してしまう強力なバリアを持っています。
バリアを持ってケチばかりつけていないか、頭を柔らかくして振り返ってみてください。

4)表面的な「謙遜の言葉」だけで会話が終わる 

新しい知見に出会った時、
「さすがです」、「目から鱗が落ちました」、
「いかに自分が未熟かということに気付きました」
というような、ある種の謙遜する発言をよく耳にします。

しかし、その手の言葉だけで終わっていないでしょうか。
本来、新しい知見に出会い、何らかの知的好奇心を刺激された場合は、そういう言葉で終わらずに「なぜそうなのか?」「どうすべきなのか?」というようなガチンコの問いがその先に次々に出てくるはずです。
頭が固い人というのは、この手の謙遜言葉を、脳みその「シャッター」代わりに使います

つまり、

「私にはその手の新しい知見は間に合ってますので結構です~。よそへどうぞ~。」

というサインなのですね。この手の人はいつも謙遜モードなので、「ザ・頭の固い人」みたいに一見しても分からないのが特徴です。
遠目に見れば柔らかそうな人。でも近づいて見るとガチガチ。一番厄介なパターンなので気をつけてください。

5)勉強に対して資金や時間を投資していない

最後に具体的な時間とお金の使い方です。
学びに対する自己投資、どれだけしていますか?
体にたとえるならば、勉強をする、ということは、ストレッチや運動をすることと同じです。定期的にそういうことをしていなければ、すぐに体は固くなります
つまり、頭は柔らかい「つもり」であっても、新しい知見に触れる機会がなければ、「オレ流」「ワタシ流」ロジックが強化されていくだけです。気付けば、かつては忌み嫌っていた「頭の固い人」に自分がなっている、ということになりかねません。
この1年間、具体的に自分自身はどれくらい「勉強」ということに時間や資金の投資をしてきたのか、振り返ってみてください。

5つのチェックポイント、どれだけ合致しましたか?

もし1つでも身に覚えがあれば、周囲からは「頭の固い人」と思われているかも知れません。

そして、我らがオンラインMBAは、そんな頭の固い人をお待ちしています(笑)

自宅からでも参加できるオンラインの体験クラスは常時開催しています。
是非一緒に悩み、考え、議論しながら、柔らかい頭を作っていきましょう。

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