◆MBA生活
【MBA生活】MBAでの学びをチャレンジのエンジンに!-地銀マンの挑戦-
【名前】古市 大輔
【勤務先】地方銀行
【入学年】2019年
<自己紹介>
2004年地方銀行に入行。8年間の支店勤務を経て、メガバンクのストラクチャードファイナンス部への1年間の出向を経験。帰任後、本部ストラクチャードファイナンスチームに6年超在籍し、プロジェクトファイナンス、LBOファイナンス等の業務に従事。後半3年間はリーダーとしてチームを牽引。2019年6月に経営企画部に異動し、PEファンド事業の立ち上げを担当。2019年12月に同事業を営む子会社が設立されるに伴い出向。グロービス経営大学院2019年入学。在学中。
■MBAを目指したきっかけ
私にとっての転機は、30歳の時に経験したメガバンクへの出向です。
出向するまで自行は完成した組織と思い込んでいましたが、メガバンクには自行が未到達の業務領域がたくさんあることを知り、衝撃を受けました。同時に、既存の枠組みにとらわれず自行外の知見やノウハウを持ち帰れば、もっと面白いことができると思い始めました。出向からの帰任後は、ストラクチャードファイナンスチームのメンバーとして、これまで取組んでこなかった融資領域の発掘に尽力しました。
そんな折、LBOという融資手法に出会いました。投資ファンドがM&Aの際に活用することが多いのですが、投資ファンドと接点を持つ中で、彼らの中小企業に対する価値向上に向けた取組みに興味を持つようになりました。時を同じくして、直属の上席が中小企業の事業承継課題への解決手法として、自行での投資ファンド事業の立ち上げを検討し始めていました。そのため、いつしか上席と近い距離で企画のサポートをさせて頂くようになりました。
【MBA生活】経理・総務で働く私がグロービスで手に入れた変化
【名前】 村瀬 玲子
【勤務先】電力系プラント会社
【入学年】2018年
<自己紹介>
電力系プラント会社勤務。入社後10年間、経理部にて会計、税務、財務、収支管理を担当。2018年総務部へ異動。社会保険、所得税、出向派遣、勤怠管理に従事。現在、業務効率化のためRPA導入プロジェクトに参加中。グロービス経営大学院2018年入学。在学中。
◆外部環境変化のスピードに追い付きたい、という思いから受講を決意
グロービスで学ぼうと思ったきっかけは、業界・キャリアへの「危機感」でした。東日本大震災を機に、原発廃止・電力自由化の加速など、会社を取り巻く環境は一変しました。激しい外部環境変化に対する漠然とした不安。本質的な変化を感じられない会社内部の環境。そして、その不安を言語化できず、提言も行動もできないことに対する歯がゆさを感じていました。
また、AIをはじめとする技術革新により管理業務の多くが消滅すると予測される中、一人のビジネスパーソンとして生き残っていくためには、新しいスキルが必要だと感じていました。そのような中、ダボス会議で活躍する堀学長の存在から、グロービスを知りました。その後、名古屋校で開催された学長セミナーに参加。「激変する環境下でビジネスリーダーに必要とされる資質を身に付けるために、今こそ学び直す時だ!」と感じ、単科生として受講をスタートしました。
【MBA生活】エンジニアの私が、なぜグロービスでMBAを学ぶのか
【名前】山田 憲吾
【勤務先】株式会社デンソー
【入学年】2017年
<自己紹介>
大学院卒業後、株式会社デンソーに入社。自動車部品を製造する部署に所属し、生産技術者として社会人生活をスタート。「品質と安全のデンソー」の看板のもと、燃料噴射部品や安全装置部品の高精度なモノづくりに従事。その約1年後に生産技術の開発部に異動し、次期型製品の企画・設計段階からモノづくりの立場で参画。競争力のある生産技術の研究開発、新規生産ラインの構築と海外拠点への展開などに従事。グロービス経営大学院2017年入学。在学中。
■このままの成長スピードではなりたい自分になれないという危機感(グロービス経営大学院 通学前)
<自分をどう変えたらいいのか分からないけれど、このままではだめだという感覚>
私は入社当時から、いつかは海外でも活躍できる人材になりたいと考えていました。海外で仕事を任せられることは多様な価値観を持った仲間をまとめられるスキルがあると認められ、期待されている証だと思っていましたし、たった一度の人生なので多様な考え方に触れながら、仲間たちに喜んでもらえる職場を作りたいと考えていたからです。
入社5年目を迎えた頃、念願の海外プロジェクトを任されるチャンスが訪れました。しかし、一生懸命取り組んでいるにも関わらず、なかなか成果を出せない状況に陥り、また自分に何が足りないのかも分からず、その状況から脱することができませんでした。
【MBA生活】一歩踏み出す勇気で見える景色が変わった
【名前】近藤 未来
【入学年】2018年
<自己紹介>
大学卒業後、新卒でダンス用品総合メーカー、チャコット株式会社に入社。自社店舗で販売職として3年勤務した後、営業職に異動。自社製品の取扱先を広げるべく個人事業主向けの営業職に従事。グロービス経営大学院2018年入学。在学中。
■実務だけでは得られない成長を目指して、受講を決意
私がグロービスへ通い始めたのは、社会人15年目を迎えた頃でした。これまでキャリアの多くを営業職として過ごし、部署や担当もずっと同じだったので、業務に対して苦労する点はほとんど無く、今まで通りにやっていれば実績を残せる状態でした。ただそんな中、特にやりがいを持って取り組んでいた後輩の育成には課題を感じていました。
勤務先は、風通しの良い社風で自由度が高く、個人の裁量に任される環境でした。反面、マニュアルが無く、成長の進捗には個人差が出やすい状況でした。自ら効率よく吸収出来るスタッフもいれば、与えられたほうが吸収しやすいスタッフもいる中で、どちらに対しても自己流でしか教えてあげることが出来ず、育成方法は本当にこれで正しいのかと自信が持てませんでした。
【MBA生活】大人になってからの学びは楽しい!(知的好奇心が、見える世界と私と未来を変える!)
【名前】新宅 亮子
【勤務先】NTT西日本
【入学年】2016年
<自己紹介>
大学卒業後、東西分割前のNTTに入社。以来、営業一筋に近いキャリアを積み、直近の4年間は育成業務に従事。昨年、育成業務の傍ら応募した、ある企業のアクセラレータープログラムにおいて、自ら起案したビジネスアイデアが書類選考に合格。これを契機としたご縁に恵まれ、本社異動のチャンスを掴む。今春より、本社オープンイノベーション推進室勤務となり、新たな事業領域の開拓にチャレンジ中。グロービス経営大学院2016年入学。在学中。
■こんな世界があったのか!という驚き
グロービスとの出会いは4年前。長年の営業業務から突然の育成業務を命ぜられ、畑違いも甚だしい異動に戸惑いながら従事する中、会社からグロービス・マネジメント・スクール(GMS)派遣の機会をいただきました。育成という経験のない未知の領域での業務遂行にあたってはちょうど何か勉強しないとマズイな、と危機感を感じていた矢先でしたので、これ幸い!とGMS受講を決めました。
仕事と子育ての隙間時間で事前課題に取り組み参加した『リーダーシップと人材マネジメント基礎』で出会ったクラスメイトは、皆一様に学ぶ意欲に燃え、活発なグループ討議はもちろん、ケースの主人公(経営者)の立場に立った見解を積極的に展開。その圧倒的な熱量に感化され、純粋に学ぶ楽しさを実感しました。軽いめまいのような驚きの他、「こんな世界があったんだ!」という興奮と発見がグロービスに対する最初の印象です。
【MBA生活】医師の私がグロービスMBAで学ぶ理由
【名前】水野晶子
【勤務先】瑞穂ガーデンクリニック
【入学年】2016年
<自己紹介>
国立大学医学部卒業後、大学病院、日本赤十字病院、民間急性期病院に呼吸器内科医として勤務。外来、病棟、救急、当直業務を行い、多くの病気を治す一方で、多くの死と直面。30代後半で呼吸器内科部長となり若手医師の育成を行いながら病院経営に参加。同時に栄養サポートチームを組織して患者の栄養状態改善と治療効果向上に貢献。健診センター長を兼務して予防医学に取り組んだ経験も持つ。2017年1月、ともに輝く人生を送るため「瑞穂ガーデンクリニック」を開院。グロービス経営大学院2016年入学。在学中。
■医療現場で感じた、良いマネジメント・良い経営の必要性
大学を卒業して医師となり、基本的な医術を習得する10年が過ぎた頃、医師にも組織の中でリーダーの役割が回ってきます。若手医師の育成や、多職種のメンバーで結成されたプロジェクトの遂行、部門長として約20名の部下を持ち人事考課まで行うなど、今まで学んできた医学だけでは対処できない役割に戸惑いながら、独学でマネジメントを勉強していました。
そんな中、私が一時期所属していたある組織で、現場のスタッフは優秀で良い人達ばかりなのに、マネジメント層が悪いために現場の人が苦しみ、良い成果を上げることができないという環境を経験しました。
【MBA生活】「事業継承×グロービス」家業としての責任・使命に加え、「誇り」を持つことができた
【名前】中村 浩康
【勤務先】株式会社秋田屋本店
【入学年】2015年
<自己紹介>
大学卒業後、食品メーカーにて就職し、営業部門でスーパーなどの売場提案と製造部門にて食品製造工程を経験。2008年にベンチャー企業に転職し、4年間広告営業に従事。
2012年に家業である秋田屋本店に入社。将来的には事業継承を視野に入れ、商品開発、営業、人事を担当。グロービス経営大学院2015年入学。
■グロービスとの出会い-自分の無知さを痛感し入学を決意
私は大学卒業後2社を経験し、30歳で事業継承を前提として家業である「秋田屋本店」に入りました。養蜂・食品製造を行っている会社で、現社長(父親)が9代目となります。会社を経営する祖父や父を見ながら育ったこともあり、幼少期から漠然と、いつかは自分が会社を継ぐのかなぁと考えており、30歳を機に戻ってきたという形です。
【MBA生活】こんな世界があったんだ!~エンジニアが進むGMBAの道~
【名 前】 間嶋 宏
【勤務先】 自動車メーカー
【入学年】 2015年
理工系の大学院を卒業して以来、自動車メーカーで働いています。
今はエンジニアとして燃費関係の技術開発を担当し、チームリーダーをやっています。
◆学び始めるまで
仕事に慣れてきた30歳間近。心にゆとりができたこともあって、ふと今後のキャリアを
考えたとき「あれ?今の延長線上になりたい自分はいるのかな?」と不安になってしまい、
何かを変える契機が欲しいと思ってセミナーへ参加しました。
それから通学をはじめて1年半。大学院入学前から学んだ期間を含めて、ここではエンジニアの自分にとって、グロービスMBAでの学びがどう活きているかをご紹介させていただきます。
◆エンジニアにも有益なMBAの学び
♯「意外と我流なビジネススキル」...実務に直結した講義からの学び
実務にすぐ役立った科目は、いずれもビジネスで必須のスキルである「クリティカル・シンキング」、「ビジネス・プレゼンテーション」、「組織行動とリーダーシップ」です。
仕事は相手がいてはじめて成立します。だから、どの科目でも言われるのは、
「相手目線を意識することの大切さ」です。「クリティカル・シンキング」は単なる論理思考
とは違い、相手を強く意識します。いくら論理が正しくても、相手に伝わらなければ仕事では
役に立ちません。リーダーシップも同様で、相手の特徴や状況をみてスタイルを変えたほうが
効果的だと学びました。
エンジニアといっても、1人で研究・開発に没頭するわけではありません。特に、自動車の
ように、たくさんのパーツで構成される製品では、「専門領域の異なる大勢の仲間」と協力
して開発を進めます。互いに違うバックグラウンドを持つからこそ、相手を思いやる姿勢が
大切で、このことは他の職種と同じです。
受講前、私のビジネススキルは恥ずかしながら結構な「我流」が多かったです。
自分の正当性を主張するためにわかりづらい論理を押し付けたり、「自分のやり方」と
銘打って柔軟性の低いリーダーシップを取ったりしていたところがあります。
改善の余地はまだ多いですが、最近「マネジメントの仕方が変わって、昔より仕事がしやすい」、「プレゼンがわかりやすくなった」と、職場で言ってもらえたのは、体系的な型を
学んで成長した証だと思います。
エンジニアである以上、専門的な技術力はもちろん重要です。ただ、一般的なビジネススキルと「どちらか片方」である必要はありません。「両方とも持ち合わせたい」ちょっと欲張りなエンジニアさんたちが、グロービスにはたくさんいらっしゃいます。
♯「これ受けて、自分の仕事に役立つのか?」...不慣れな科目は発想の幅を広げる
「これ受けて、自分の仕事に役立つのか?」と受講を躊躇した科目は「ファイナンス」、
「アカウンティング」といったカネ系の科目でした。エンジニアから一番縁のない科目に
感じるかもしれませんが、こちらも実務に活きています。
おカネの知識を使ってみるために、自身が開発している技術について簡単な損益計算書を
作ったことがあります。今後生み出しそうな価値(売上予測)と費用(人件費や開発費)から利益を算出しました。ラフな計算でも、自分達の仕事がどれだけ会社に貢献しているのか数値でわかると、それは働く自信やモチベーションになりました。カネ系の知識は、人の働く意欲にもつなげられるんですね。
不慣れな分野の科目には、今まで触れたことのない観点が盛りだくさんです。実務に直結しない講義は、視点や発想を広げてくれます。授業で扱うケース(企業の実事例)は、「そのままだと仕事に使えない」こともよくあります。ただ、授業の最後(または授業後)には「ケースの学びから自分の仕事に応用できること」を考える機会があります。トヨタ生産方式がスーパーマーケットからヒントを得たように、一見すると関係ないと思える業界からも仕事に応用できる学びは多いです。
私も実践編として、ケースで学んだエッセンスを、技術開発の提案に織り込もうとしています。ヒントをくれたのは、自動車とは異業種にあたる「証券会社」と「建設機械会社」が、
既存市場から戦う場所を変え、競争優位を築いた事例です。アイデアは、意外な組み合わせ
から出てくることがあります。次のステップでは、提案のリスクを数値(おカネ)に置き換えて、定量的に分析してみる予定です。アイデアの広がりにしても、分析手法にしても、講義を通じて自分の観点が増えているのは実感しています。
◆仲間と共に学ぶ意味...「強くなった当事者意識」
学生の特徴は、前向きで当事者意識が高いことです。仲間に職場での問題を話すと、
「ところで、その問題を解決するために、何をしているの?」と聞き返されることがあります。単なるグチでは終わらせてくれないです(笑)。そして、「自分だったらこんなことをするかも」というアイデアをくれたりもします。「誰かが問題をなんとかしてくれる」のを願っている人が少ないですね。日頃から、自分なら環境を変えられると信じ、当事者として何ができるかを考えているんだと思います。
私自身も、「もっと職場のみんなも社外と触れ合ったほうがいい」と問題意識を持ったので、受講生同士で職場の人達を連れてきて交流会を開催しました。以前だったら、こんな発想は
ありませんでした。
◆受講を検討されている方へ
私も受講を決めるまでに、結構な時間悩みました。ただ、悩んでいても不安は解決しないし、時間がもったいない。そこで「よくわからないから"やらない"」でなく、「わからないから
少し"やってみよう"」と考え方を変えて、お試しで1科目受けることにしました。そうしたら、仲間と学ぶのが刺激的でおもしろくて、そのまま受講を続けたくなっちゃいました。
学ぶことでの「おもしろさ」も「仕事に役立つ実感」も、実際に受講して初めてわかりました。私の場合、行動する前から頭で考えすぎていましたね。立ち止まるのをやめて、
一歩前に踏み出してみたら、それまでとは少し世の中の見え方が変わりました。
「こんな世界があったんだ」という感じです。
今までとちょっと違う世界を感じたい方、ぜひ一緒に学びましょう。
【MBA生活】事業承継者の私がグロービスで感じた、志の大切さ
【名 前】 長尾 泰幸
【勤務先】 新星電機株式会社
【入学年】 2014年
2014期生の長尾泰幸と申します。
5年前に父が創業した電気設備メーカーの会社に入社し、2014年2月に事業承継をしました。
元々、「家業なんて継ぐものか!」と決め込んで、音楽業界で働いていた私が、
なぜ事業を継ぐことになったのか。またなぜグロービスで学ぼうと思ったのかについて、
語りたいと思います。
●家業で抱いた危機感からグロービスへ
前職では音楽業界にいたのですが、私のライフサイクルの変化と会社の人材不足のタイミングがちょうど合ったこともあり、急遽実父が創業した電気設備メーカーに入社しました。
30代半ばになってから、全くの異業種へ飛び込んだため、ベースとなる電気の基礎知識は、
学生時代の記憶がかすかにある程度。もちろん事業の専門知識は全く持っていません。
加えて、入社後はこれまたほとんど知識を持ち合わせていない労務管理や経理など管理業務を担当することになり、業務に追われる毎日が続きました。
入社して2年。ようやく日々の業務に余裕が生まれた頃、ふと社内を見渡したときに、
自分の立場に不安を覚えました。
管理部門で責任者になったものの、コスト管理や財務会計の正確さだけを求められ、
管理会計のような攻めの経営への参画は求められていないし、その知識もない。
かといって今から専門技術や営業を学び始めたとしても、業界30年以上のベテラン社員と
同じ土俵で戦い圧倒的な価値を生むことができるまでに、何年かかるのか。
冷静になって、自分の立ち位置を見たときに、強烈な危機感を覚えたのです。
何かアクションを起こさないといけない!と思い始めたときに、
偶然拾い読みした経営書からかいつまんだ意味不明な経営用語が頭をよぎりました。
「経営のプロになればいいんだ!社内で差別化戦略だ!この会社に経営を
理論的に考えられる人間はいない!しかも経営企画部も経営管理部もないから
自分で作ってしまえ!これブルーオーシャンじゃん!」
(※今では、使い方が激しく間違っているのがわかります。。。
これもまた、グロービスでの学びによる成長を実感します。)
こうして具体的な情報を探すうちに、無料体験クラスの情報を得て、グロービスを体験。
経営のプロとして必要な能力が得られると感じ、受講を決意したのです。
最初は講師や共に学ぶ学生のレベルが高く、クラスについていくのに必死でした。しかし、
「クリティカル・シンキング」で論理的思考を徹底的に叩き込んだ後、
「マーケティング・経営戦略基礎」「組織行動とリーダーシップ」や「人材マネジメント」と
順を追いながら学びを広げていくことで、大きな満足感を得ると共に、確かな能力成長と
自信という変化を感じられるようになりました。
これまでは悩み続けるだけで、答えへの道筋が得られず堂々巡りしていたことも、
体系的に整理することを学び、考え前進させられるようになりました。また、志を同じくして
学ぶ社会人学生の仲間との実践的な議論を通じて、自分一人では考え付かなかった発想で、
具体的な行動を起こせるようになりました。
そして、行動を起こす際には、クリティカル・シンキングの講師が何度も伝えていた
「論理的思考を身につければとても強い武器になるが、それをむやみに振り回せば周りの人を
傷つけるから武器の使い方を間違えないように」という言葉を心がけ、物事を進めていきました。
それから1年後。経営管理部・企画部も作るのではなく、なんと、私が事業承継をすることになりました。他に有能な社員もいる中でなぜ私に承継を決めたのかは、父に詳しく聞いていませんが、能力を高めつつも驕らず、グロービスで得た学びを社内に自然に浸透できたことが
評価されたのではないかと考えています。
●グロービスで磨かれた"志"
事業を承継してからちょうど1年が経ちました。立場・役割が大きく変わったこともあり、
雲をつかむようにもがいた1年間でした。
社内の誰にも相談できない突発的な問題をどうやって解決するか。
「社長業は孤独である」とよく言われますが、それを痛感した時期でした。
そんなときに支えになったのが、グロービスで得た「学び」と「志」です。
この問題の重要な論点はどこなのか。そもそも自分は何を実現したいのか。
グロービスで得た学びと志があったからこそ、突発的な課題にどう向き合うかを判断し、
即座に物事を前に進められたのではないかと思っています。
グロービスからは数多くのことを得られました。
「クラスから得た、マーケティングや組織、会計・ファイナンスなどの経営能力」
「様々な学生との交流から得た、頼れる強固なつながりと多様性を受け入れる力」
「志科目や学事行事から得た、経営者としての志」
なかでも特に大きなものは「志」の学びです。
経営者となり分かったことは、社員一人ひとりの思いは、びっくりするくらい様々だということ。TOPはそれらの思いを1つにまとめていく必要がありますが、まとめ上げるには、飾り物ではない、自分の確固たる軸(真ん中)となるものが必要だと感じました。
そんな、自分の真ん中と向き合う機会が、グロービスの志科目でした。
-自分の真ん中は健全か。
-世間体を気にし自分に無理や乖離はないか。
-長期的に見て、その自分と付き合っていけるか。
-社員の様々な思いを受け入れつつブレずにいられるか。
-自分の志を受け入れてもらうにはどうすればいいか。
経営者が抱える課題に正解はありません。自分なりの答えを導くために、もがくことも多々ありました。そんなときにグロービスで得た志が、自分なりの答えを導くヒントとなり、実行を後押しし、自信に繋がり始めています。
また経営者として社内を一つの方向性を導くことができるようになってきたと感じます。
事業承継の悩みのひとつに、先代である父親と自分との個性の違いによる経営方針の違いが
ありました。そして弊社は規模が小さいこともあり、先代の個性が会社の個性になっていました。
この先代の個性が浸透した会社=社員に、事業承継者である自分の個性と経営方針をどう浸透させていくのか。そして、そもそもその経営方針は正しいのか。
この悩みを解決するために、グロービスを通じて得たものをフル活用しました。
「現状をどう捉え、何を残し何を捨てるのか」を判断するために、自分自身の個性・志を大切にしながらも、冷静に経営的な切り口から考えることができました。
そして自分だけで抱えきれない悩みは、「事業承継者」という同じ立場であるグロービスの仲間に話をすることで、解決の糸口をつかんできました。
この悩みとは、恐らく今後も向き合い続けていくのだと思います。しかし、いざ困ったときにどう向き合えばいいのかという解決策のパターンを、自分の中に作ることができたのは、これからの経営者人生に不可欠な大きな収穫だと感じています。
経営知識だけに留まらず、人間と経営の関わりにも深い学びが得られるグロービスで学んだからこそ、経営者としての自信が得られたものと確信しています。
●事業承継者の皆さんへ
MBAと聞くと、「欧米っぽい」「大企業向けでは」「理論や知識を振りかざす」といった先入観から、歴史ある日本的な会社には使えないと思っている人もいるかもしれません。
しかしグロービスは、規模を問わず実務に使える経営知識の学びはもちろん、自分と
とことん向き合い、経営者としての器を大きくする機会があり、事業承継者の方にとって、
最高の選択肢だと思います。
ここには表現しきれない私のリアルな体験を皆さんにお伝えしたいし、皆さんの体験もぜひ聞いてみたいと思っています。グロービスで一緒に学ぶことで、体験を共有し、更なる発展に向けて学びを一緒に昇華させましょう!
【MBA生活】地球の裏まで行って帰ってきたはなし
【名前】内藤 貴世志
【勤務先】大手自動車メーカー
【入学年】2009年
2009期本科生として名古屋校に入学。その後、海外駐在のため4年間の休学を挟み、
現在また名古屋校で学んでいる者です。某メーカーの製造部門で働いております。
海外駐在の可能性を理由にMBA入学をためらっている方々へ、
私の実体験を一つの判断材料として提供しようと思い、筆をとりました。
初めての海外駐在
2009年4月に大学院生として学習をスタートしてから、わずか9ヶ月を終えた所で、
私はグロービスを休学し、社命を帯びて南半球へと発ちました。
幸運なことにグロービスには、海外赴任者向けに最長5年間の休学制度が在りましたので、
それを有効活用しての休学でした。
私の職務は、工場の生産管理。ライン可動率や廃棄ロス、納期遅れ等、
工場の成績に責任を持つ役割です。IT化のお陰で、こうした数値は空調の効いた
オフィスビル2階の席に座っていても見ることができますが、成績を好転させようと思えば、
そういう訳には行きません。この工場でも組立工程で部品が不足し、ラインが止まるという
事態が頻発していました。
私は出社初日、まだ稼動が始まる前から現場を歩いてみました。
問題は山ほど見つかりました。ところが、現地スタッフに自分の言いたいことが伝わりません。色々質問してみるものの、相手の返事は強烈な訛りとスラングのせいでチンプンカンプンです。これには正直怯みました。
初めての海外駐在、新たな職場で、私の目の前に早速大きな壁が立ちはだかりました。
現地人とのコミュニケーションです。
グロービスがくれた"三枚のお札"
学んだ科目の中に、自分が抱えた問題に対して直接の回答を授けてくれるものがあった訳ではありません。それでも、9ヶ月の在学経験は、私の駐在生活を大いに助けてくれたように
思います。グロービスの学習スタイルであるケースメソッドは、自分だけ分かったつもりに
なっていてもダメで、クラスメイトや講師を説得しないといけません。その為には
論理的思考力が不可欠です。はじめはおぼつかなくても、負けるかという気持ちで
食らいついていると、だんだん力がついてきます。
そのようにして互いに切磋琢磨する仲間は、友人であって、敵であって、師匠であって、
そして自らを映す鏡です。
格好悪い姿を見せたくない、でも悩む仲間がいれば余裕のある者が助ける、
そのような関係が自然にできあがり、仕事と勉強を両立しながらのハードな9ヶ月を
皆で乗り越えることができました。(私は助けてもらってばかりでしたが...)
「論理は万国共通、という信念」
「日本には見ていてくれる仲間がいる、という信頼」
「新たな困難も乗り超えられる、という自信」
そうした手応えを在学中の9ヶ月で得ていた私は、未体験ゾーンに飛び込んでやろう、
という気概を持つことができました。
現場から出発
という訳で、ひきつづき毎朝、現場歩きを続けることにしました。
(後に了解を得て、座席も現場脇の休憩室に引っ越ししました。)
身振り手振りに手書きの絵を加えて、何とか意思疎通を図るということを続けて、
3ヶ月目くらいでしょうか。ある時、すっと会話できるようになったのです。
語学習得の極意を掴んだような気がした瞬間でした。(※)
現場で困っている人の話を聞き、問題の真相が明らかになり、論理をもって現象を説明できるようになると、現地スタッフも力量を認めてくれたのか、問題解決に向けたサポートを
引き受けてくれるようになりました。
「クリティカル・シンキング」での学びは、確かに実践でパワーを発揮したわけです。
現場の監督は「俺たちの味方」として応援してくれ実際にリソースを割いてくれるようになりましたし、自部署のスタッフにも私の言動を真似る者(フォロワー)が現れるようになりました。
「Naito-san、仕事って面白いものだったんですね」
そう言って彼らが自ら問題を解決していく時の没頭感と笑顔には苦労が報われました。
人材育成なんて格好いい事は言いません。ただ真剣さは伝染するという
「組織行動とリーダーシップ」のクラスでの学びを、身をもって体験できました。
部品不足でラインが止まる問題も解消にいたりました。
任期中には、東日本大震災やタイ洪水といった天変地異があり、私のいた工場も部品供給を
受けられずに甚大な影響を受けると予想されましたが、現地スタッフとしっかり信頼関係が
できていた為、前もって部品ごとに影響を読み、ボトルネックに合わせて生産計画を変更し、
シフトを見直して、といった膨大な仕事をチームで乗り越え、オペレーションへの影響を
最小限に留めることができました。
(※)余談ですが、後に慢心を戒める出来事がありました。スタッフにパレート(Pareto)分析をお願いしたのに、 パレット(Pallet)の分析が出てきたのです。語学の体得に終わりはない、なんちゃって(^_^;) 分かることと出来ること
生産管理は、お客様のオーダーと生産の橋渡し役でもあります。いただいたオーダーは
原則作りきること、そして、そこから利益が出るよう原価低減するのも工場の責務です。
グロービスでは、「ファイナンス」や「アカウンティング」を学べますが、そうした知識の
おかげで自工場の収益コスト構造には明るくなりました。現場と原価の話をしても、
管理会計のロジックがしっかり腹落ちしていれば惑わされません。
現状が見えると、問題も見えてきます。
実需以上に営業からのオーダーの振幅が大きく製造原価を引き上げる要因になっていること、
稼動率に関わらず赤字にしかならないオーダーが有ること、
企画台数に乗らない場合に投資プロジェクトで幾らの損失が出るか、等々。
赤字事業の継続が株主に与える影響や取締役の説明責任を直視しない文化も、
カネ系科目の視点で物事を捉えられてしまうが為に頭を悩ませた問題です。
そうした問題の幾つかには着手できたものの、引き続き課題が山積みの中で、帰任の命を
受けることに。「もっとやれたのではないか?」と、自分の力不足に悔しい思いを残しながら
帰国することになりました。
ただ、4年間の任期を振り返ってみると、殆ど話の通じない所からよくまぁ還ってこれたなと言うほかはありません。悔しい思いも有り、自分に足りない所も見えましたが、
総じて言えば「きっとどこでも食べていけるだろう」という自信がつきました。
生還できたのは、環境に合わせ成長しつづけたからで、その成長を支えたのは、
未体験ゾーンに飛び込む自信と、いい意味でのプレッシャーを与えてくれた、
グロービスのお陰があったからこそ、そんな風に思います。
復学にあたっての不安
帰国直前、グロービスへの復学に関して、いろいろと不安はありました。
「学校の制度変化に対応できるだろうか」
「私が好きだったグロービスの校風が様変わりしていないだろうか」
「仲間達はもう残っていないだろうか」
不安を抱えている時に一番ありがたいのは、やはり情報提供でした。
幸い、私の休学中もずっと名古屋校を支えていてくださったスタッフの方と、帰国前から
コンタクトが取れ、必要な情報をすべて提供いただくことができました。
4年の間に名古屋校は校舎を移転し、カリキュラムや制度も世情に合わせ変更されて
いましたが、いただいた情報を元に変更点を確認し、履修計画を立てることができました。
これはとても助かりました。お陰で帰国した1月からさっそく復学が叶いました。
復学してみると、前述のスタッフの方をはじめ、懐かしい顔がチラホラ。
単科生だった仲間が本科生になっていたり、卒業した仲間が新規受講生をサポートする役割を
務めていたりと、形を変えながら活躍していました。
校舎が広くなり、学生の数も増えましたが、集まってくる皆さんは相変わらず熱い思いを
持った方々でした。私が好きだった校風は変わることなく、更に縦の繋がりが太くなって、
いい形で年輪を重ねている、と感じました。
そうやって組織として成熟していく名古屋校に帰ってきて思うことは、自分という存在を
どう組織の為に役立てるかという事です。赴任前は、それこそ自分の事で精一杯でしたが、
今は、多くのOB・OGを知るユニークな縦糸の一本として、学校の一層の発展に貢献できる
やり方を模索している所です。
最後に
駐在の可能性を理由に、MBA入学をためらっている方々へ。
学習と仕事の両立は決して楽ではありません。
しかし、修羅場の疑似体験、仲間との切磋琢磨は、必ず海外でも活きることと思います。
また、グロービスは皆さんが成果を出される事で発展する運命共同体ですから、
困った時にも味方になってくれます。
何より、多くの信頼し合える仲間との出会いが得られ、そこからあなたのユニークな価値が
生まれるものと思います。駐在経験者として、ぜひとも挑戦されることをお勧めします。
長文になりましたが、最後までお読みいただき有難うございました。