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【MBA生活】エンジニアの私が、なぜグロービスでMBAを学ぶのか

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【名前】山田 憲吾

【勤務先】株式会社デンソー

【入学年】2017年


<自己紹介>

大学院卒業後、株式会社デンソーに入社。自動車部品を製造する部署に所属し、生産技術者として社会人生活をスタート。「品質と安全のデンソー」の看板のもと、燃料噴射部品や安全装置部品の高精度なモノづくりに従事。その約1年後に生産技術の開発部に異動し、次期型製品の企画・設計段階からモノづくりの立場で参画。競争力のある生産技術の研究開発、新規生産ラインの構築と海外拠点への展開などに従事。グロービス経営大学院2017年入学。在学中。

■このままの成長スピードではなりたい自分になれないという危機感(グロービス経営大学院 通学前)

<自分をどう変えたらいいのか分からないけれど、このままではだめだという感覚>

私は入社当時から、いつかは海外でも活躍できる人材になりたいと考えていました。海外で仕事を任せられることは多様な価値観を持った仲間をまとめられるスキルがあると認められ、期待されている証だと思っていましたし、たった一度の人生なので多様な考え方に触れながら、仲間たちに喜んでもらえる職場を作りたいと考えていたからです。

入社5年目を迎えた頃、念願の海外プロジェクトを任されるチャンスが訪れました。しかし、一生懸命取り組んでいるにも関わらず、なかなか成果を出せない状況に陥り、また自分に何が足りないのかも分からず、その状況から脱することができませんでした。


そんな時、高い目標を掲げて突き進む先輩を観察したところ、いろんな人を巻き込んでいる点が自分と大きく異なることに気付いたのです。しかし人を巻き込むことは簡単なことではなく、部門間の壁を越える動機付けや説得力が足りないなど、自分には色んなスキルが足りていないことにも気づきました。何からどのように変えればいいのかが分からず悩む日々が続く中、足りないスキルを体得している先輩はどのような学びを得て成長しているのかに興味を持ち、そこでグロービスに通っていることを知ったのです。

<ここなら成長できる!と感じたグロービスの体験クラス>

グロービスの存在を知ってからも、実はすぐに通い始めるという選択をしませんでした。なぜなら、エンジニアの私がMBAを取得する必要はあるのか、それよりも専門性を磨いた方がいいのではないかとも考えていたからです。自分が動かなければ何も変わらないということだけは分かっていましたが、学ぶ内容がMBAでいいのかという疑問を持っていました。しかし、エンジニアの先輩も通っていることもあり、物は試しと考えて、まずはグロービスが定期的に開催している無料の体験クラスに参加しました。すると、問題を俯瞰的に捉えて論理的に分解していくこととはこういうことなのか! こういうスキルがないと人を説得できないので体得したい! ここなら成長できる!と感じたのです。この体験クラスをきっかけに、一歩踏み出してみる決意をしました。

■ビジネスを体系的に捉えることで見えてくる世界がある(グロービス経営大学院 単科生時代)

<自分の思考のクセは自分では気付けない>

単科生として初めての受講科目は「クリティカル・シンキング」を選びました。色々なスキルを身に付けていく上では、課題を特定し、解決する能力が必須で、その土壌を作るのはこの科目が最適だと感じたからです。

この科目を受講して感じたことは、自分は表面上の問題だけを捉え、掘り下げるスキルがないということでした。本質的な課題を特定できていないから解決策が曖昧で抽象的になってしまう、課題の全体像を把握していないから有効な結論を導けないという気付きを得ました。また、自分が一度出した結論以外に他の視点で問題を捉えようとしない思考のクセがあることにも気付きました。グロービスには業界の異なる人々が受講しているので、同じ問題に対してその捉え方や分解の仕方、結論の導き方が様々で、クラスの仲間から学ぶことも多々ありました。そして共に成長しようという雰囲気があるからこそ自分の考えを最大限アウトプットして仲間の成長に貢献し、同時に自分の考えに対しても適切なフィードバックをもらえることになりました。

こうした学びは決して独学では身に付かないと実感できたため、継続して他の科目も受講して、業務上で起こる様々な課題を解決できるようになりたいと考えました。

<エンジニアにマーケティングやカネ系の知識は必要なのか?>

次の受講では、「マーケティング・経営戦略基礎」「組織行動とリーダーシップ」を選びました。私の部署はマーケティング部門ではないものの、数人の部下を持つリーダーとして、戦略を考えるとはどういうことか、リーダーシップを発揮していくにはどういう行動を取るべきなのかに受講動機がありました。

いずれの科目も期待以上に多くの学びを得ましたが、中でも特に大きな気づきは、エンジニアの仕事とマーケティングは密接であるということでした。

私の仕事は生産技術開発なので、日々議論や検証実験する内容は、「こんな技術で製品をつくってはどうか」「A技術とB技術を組み合わせて新しい技術を創出できないか」等といった、ほぼ技術的な内容です。

しかしながら、これまでの仕事の進め方では、一番大切な顧客ニーズが十分に把握できていないことに気づいたのです。

製品設計する部署が次世代の製品としてどのような製品を企画しているのか、どのような機能を必要としているのかという社内ニーズを網羅的に把握せずに、「新技術」にこだわりを持ちすぎたあまり、これまで懸命に開発した技術では製品設計部署が求める品質やコストで満足しなかったり、他社の技術の方が優れていたりして、適用できないケースがありました。

新技術の開発は当然重要なのですが、自社の製品に適用できなければ意味がありません。マーケティングもエンジニアの私に必要な活動であると理解でき、積極的に設計部署に通うことでニーズを汲み取れるようになりました。

また、その次に受講したカネ系科目(「アカウンティング基礎」「ファイナンス基礎」)も私の業務に直結していました。エンジニアにとっては、研究開発するための実験機や量産機が必要ですが、その投資がどれほどの売上高や利益を生み出すのかの視点が足りていなかったことは、重要な気づきでした。受講後は、開発設備の投資案件について役員へ説明する際、投資が生み出す利益規模(カネ系)や業界動向のデータ(マーケティング)、他社比較から自社が勝てるシナリオ(経営戦略)などを示し、それを実現する生産技術の価値(専門知識)を説明(論理力)できるようになり、即座に承認をもらうこともできるようになりました。

受講前に気にしていた「エンジニアの私がMBAを取得する必要はあるのか」という疑問は杞憂に終わり、エンジニアの私もこれまで以上に総合的なビジネススキルを高めていくべきだと実感。自分の成長を徐々に感じられるからこそ、もっと多くの学びを得たいと思い、本科生への出願を決意しました。

■自分の価値観や志を真に理解し、夢の実現のために生きていきたい(グロービス経営大学院 本科生時代)

<より実践に近い学びを得て、すぐに行動し、血肉にしていく>

本科生では単科生で学んだ基礎知識をベースに、実務で必要とする科目を自分で選び、より実践的なケースに取り組んでいきます。私の場合、海外での仕事を志望しているため、価値観の異なる人を巻き込んでいくスキルが必要と考え「異文化マネジメント」「グローバル・パースペクティブ」、またエンジニアとして「テクノロジー企業経営」などを受講しました。

単科生で受講した基礎科目の課題に比べて、本科生で受講できる応用科目はケースの内容が複雑で、実際のビジネス同様に多面的に深く考えないと、本質的な課題に到達することができません。でもだからこそ学びの意義と楽しさがあると感じられます。

また、クラスで触れる仲間の意見や考えにも学ぶことが多いです。講師が質問を投げかけたことに次々と手を挙げ、自分の意見を言葉で伝える論理力や視点の高さ、熱量に圧倒されて自身の伸び代を認識出来たり、感化されたりします。クラスでの学びを自身の業務に反映できるように咀嚼し、実践することで学びが深まり、習慣化することで血肉としていきます。そしてどこまで行っても限界がなく、より意欲を駆り立てられていきます。そのように感じられる仕組みや講師・仲間の存在が、グロービスで学び続けるモチベーションを維持できている要素だと感じます。

<自分が成し遂げたい本当のことは何なのか?>

グロービスの科目で特徴的なのは志系科目です。

志系科目は、自分自身の生い立ちや業務での自身の行動について振り返り、偽ることなく、正直な自分を直視していきます。例えば、エンジニアとして業務を進めていく上でも、リーダーシップを発揮して変革を推進する場面や、マネジメント能力を発揮して複雑な問題に挑戦したり高い目標を達成するために効率的に組織を動かしたりする場面があります。それを本当の意味で実行できているか振り返り、出来ていないのであればそれはなぜかをとことん内省することで自分を理解していきます。この振り返りの作業では、自分のありたい姿とできていない現実のギャップを認識するため、目を背けたくなる時もあります。しかし、そこまでするからこそ、一度の人生において本当に自分が成し遂げたいことが見えてきます。

私の話をしますと、漠然と海外で働きたいと考えていたのですが、「企業家リーダーシップ」を受講したことで、競争力のある生産技術を開発するミッションを通じて、海外に一つでも多くの工場を作り、地域の雇用を生み出すことで社会貢献したいという想いに気付きました。そしてこの動機は、学生時代のいじめの経験が端を発しているのではないかと感じています。

いじめという不条理な経験から、貧困地域に生まれたがために人間らしい生活をできていない現実に反応し、そんな世の中を変えていきたいという、自分の核に触れられたことから、目の前に起こった多少の問題に悩まず、乗り越えていこうと前向きな姿勢になりました。そして、私が新しい技術を生み出すことが海外の雇用を生み出すことに繋がっていると考えられるようになりました。

人それぞれの生い立ちや経験から多様な価値観がうまれ、人それぞれの夢があると思います。自分が成し遂げたい本当のことに気付くことは、自分の行動のモチベーションになり、強く生きていこうという原動力になります。それに気付かせてくれたのがグロービスの魅力であり、また、共に学ぶ仲間の存在が自分の支えとなっています。こうして振り返って見ても、改めて自分で一歩踏み出してグロービスに来たことは良かったと感じます。

■最後に

長文にも関わらず、最後まで読んでいただき、ありがとうございます。私と同じくエンジニアの方もそうでない方も、もし一歩踏み出すことに躊躇しているのであれば、体験クラスに参加してみてはいかがでしょうか。私は体験クラスをスタートとして、自分のスキルを磨くだけでなく、人生の方向性を見つけることが出来ました。グロービスでは同じ志を持った最高の仲間に出会えますよ!

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