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【MBA生活】ケーススタディ「松岡英晃とROH経営」

 GMBA2009期 松岡 英晃

※このブログは、松岡の独断と偏見により
 グロービス経営大学院のケース風に記載したものです。 

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本ケースは、松岡英晃がグロービス経営大学院名古屋校/学生ブログ掲載用記事
として作成したもので、その状況や、主人公の人間性に関する適否を例示することを
目的としたものではない。
転載・複製するような奇特な方は、たぶん、いないだろう。
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<テーマ>

このブログ記事では、経営大学院に通う学生の目線を通じて、
グロービスMBAの学び、実践、および自身の変化について学び、
グロービス経営大学院を検討されている方やMBAに関心を持っている方の
参考に資することを目的としています。

<課題>

・松岡がグロービス経営大学院を通じて得た気付きについて、
理由とともに評価してください。

・あなたが主人公(松岡)の立場なら、
 何をMBAから学びたいと思いますか?その学びをどう実践に活かしますか?

ケース:「松岡英晃とROH経営」

プロローグ

2012年3月、行きつけのデニーズで、
いつものように「おかわり自由ドリップ珈琲」を注文しながら、
松岡英晃はグロービス経営大学院に通った3年間を思い返していた。

3月末の大学院卒業を間近に控え、グロービス名古屋校への通学も
残り僅かとなった3月上旬、締めくくりに学生ブログを執筆することにしたのだった。

「これを機に、これまでのグロービスの学びを 振り返ってみることにしよう。

さながら、卒業レポートのようなものかもしれないな。」

そう思うと、松岡は、おもむろに鞄から取り出した愛用ノートPCに向かい、
つれづれなるままに、心に移りゆくよしなし事を、そこはかとなく書き留め始めた。

通学の背景

松岡が初めてグロービスに通ったのは8年以上も前、2003年の夏、東京校だった。
同じ麹町でも今とは違う、こじんまりとした賃貸ビルの一角で、
「クリティカル・シンキング」を受講。

レポートがサッパリ駄目だったが、老若男女なクラスの仲間と議論し、
錆び付いた頭をフル回転する楽しさを知ってしまったのだった。

仕事の都合、少し期間が開いたものの、4年後の「マーケティング」から通学を再開。

新しいビルに移転した東京校へ隔週で通いながら、
ロビーに掲示された経営大学院のカリキュラムマップを見つめては、
「これらの科目を学んだ先では、どんな世界が見えてくるのだろうか。」
と胸を踊らせていた。

そんな松岡に転機が訪れる。
管理者昇格とともに、首都圏勤務から故郷・愛知県にある名古屋オフィスに異動することに。

「36歳で初めて部下をもつ身になったとき、管理者として自分のチームや所属する組織を、
もっと元気にしたいと思いました。

同じ職場の仲間が、充実した会社生活を営めるよう牽引していくことが、
管理者として果たすべき使命であり、かつ、それが自分自身の喜びにもつながるはず。

そのためにも、もっと自分が成長しないといけない。
40歳までに経営の知識を体系的に学びたい、そう思ったのです。」

大学院合格通知が届いたときや入学式で同期の仲間と出会ったときの高揚感は、
今でも忘れられない、と松岡は語る。

「志とテンションがハチャメチャに高い人達の集まりに自分も参加できることに、
とってもワクワクしました。

経営大学院では、入学時に、同期の仲間同士で、これからの学習にむけた行動指針(WAY)を
グループワークで決める伝統があります。

私達、名古屋2009期のWAYは『 共鳴 ~志士31人の創造と変革の響き合い~ 』。

自分を信じて持てる力を全て出し切り、多様な価値観や考え方を尊重しながら切磋琢磨し、
そして、学びを現場で実践する。
そんな想いを『共鳴』という言葉に込めました。
今でも、このWAYをプリントしたカードは、財布に入れて毎日持ち歩いています(笑)。」

学びの中から得たもの

4月の大学院入学前からオープン受講で大学院クラスを受講しながら、
名古屋校に伝わる情熱と活気、クラスでのディスカッションレベルの高さを、
松岡は痛感していた。

「大学院の先輩方の議論に、ほとんどついていけなかったんです。
こりゃまずい、必死にガンバらなきゃ、と焦りました。」

「特に、アカウンティングやファイナンスなどのカネ系科目は、
 今まで真剣に勉強してこなかった分野だけに苦しみました。
 ファイナンスの応用クラスで教わったブラックショールズ・モデルなんて
 私には複雑怪奇で、今だに夢でうなされます。」

「でも、すこしずつ理解できるようになってくると、経済紙の記事なんかも、
 ちょっとずつ判るようになってくるんですね。
今まで日経新聞といえば、1面の見出しと、スポーツ欄くらいしか真剣に
読んでこなかっただけに、 時折、グロービスで学んだことに関連する記事を
見つけるたびに、記事が理解できる・学びの理解が深まることが嬉しかったです。」

学びを重ねるなかで、講師や学友から多くの良書を紹介してもらえることも、
実りが多かった。
読書を通じて、自分の知らなかった世界を知ることの喜び。
いつしか、松岡はSNSに読書日記を書くようになった。

「アウトプットすることを習慣付けたいと思いました。
そうすると、読書というインプットも充実するのです。
私は記憶力が弱いタイプで、読むたびに片っ端から忘れてしまうのですが、
 時折、自分の読書日記を読み返して、そこに書き留めた読書時にグッときたポイントを
見直して反芻しています。」

大学院に通い始めて1年ほど、松岡は、ある考えを持つようになった。

その当時受講した「企業家リーダーシップ」は、最後の授業で、
受講生が自身の『吾人の任務』をプレゼンするというカリキュラム内容である。

「さて、どんなプレゼンにしようか・・・」。
これまでの学びを振り返りながら、松岡は考えた。

「企業には、様々な利害関係者がいる。
顧客は現金の対価としてモノやサービスを受け取る。
銀行は融資の見返りに利子を得る。
株主は投資に対して配当やキャピタルゲインをリターンとして得る。

では、従業員は?
企業に労働や自分の時間を捧げることで得るのは、給与や福利厚生。
でも、それだけだろうか?
そこで働くことで、ヒトとして成長できたり、喜びを感じることを、
従業員は望んでいるはず。

同時に、それこそが、企業が競争優位を築く源泉になるのではないだろうか。」

「アカウンティングやファイナンスの授業で、ROAとかROEなどの考え方を学びました。
同じように、企業に関わる人達が、その企業に捧げたものから得る「成長」や「喜び」
というリターンを最大化することが、企業人として大切なことなのではないか。」

「 この考えを、ROH(Return On Human investment)と表現しようと思いつきました。
 この最大化に努めることが、ビジネスリーダーとして必要な『吾人の任務』であり、
 ROHの最大化を目指すことが、My"LAW "なのだと悟ったのです。」
(図1参照)

1

同時に、松岡は、ふと気付いた。

『Ki業家』には、「企業家」と「起業家」の二つの表現がある。
しかし、もっと違う意味でも『Ki業家』を描くことが出来るのではないか。

『Ki業家』を表す要素を、
経営の内容(=WHAT)、経営手法(=HOW)、経営の主体(=WHO)
という3つの切り口で整理してみると、
そこから、様々な『Ki業家』が、松岡の脳裏に浮かび上がってきたのである。
(図2参照)

2

企業と社会との共鳴=『貴業』、経営のセオリーと人道に添う=『規業』、
ヒトを生かしヒトと生きる=『生業』。

これらを通じて、
企業活動に関わるヒトが喜びと輝きを得るビジネスの創成を行う=『喜業』『輝業』。
こうしたことを目指すのが、『Ki業家リーダーシップ』であるはずだと感じました。」

「同時に、それを実現するためには、リーダーはヒトとして大きな器を持つことが必要。
リーダーの器で企業の運命が変わるなら、『Ki業』は『器業』でもあるのです。

器を広げるために、経営知識・手法から人間学まで、
もっと沢山のことを学ばないといけないな、と再認識しました。日々精進ですね。」

「この気付きこそ、グロービス経営大学院での学びで得た、最大のGIFT。」
と、松岡は語っている。

実践を通じて

松岡が働く会社は情報通信業界である。
名古屋のオフィス(東海支店)に勤務して3年半。
技術変化の激しい業界の中で、社員が活き活き働き、
誇りをもてるような職場にしたいと松岡は考えた。

東海エリアを管轄する営業部門の企画・総務担当マネージャーという立場を活かして、
松岡は、MBAで学んだ知識をもとに、職場に次々と施策を展開していった。

「グロービスでは、様々なケーススタディを通じて経営を学びます。
 予習・復習でケースを読んでいると、
つい、自分の職場のこととオーバーラップしてしまうんですよね。
 目はケースの文章を追っていても、
頭の中では職場改革の妄想が駆け巡ってたりして。
 これ、仕事のあのシーンに使えそうかな、なんてことをいつも考えていました。」

 以下、職場の仲間とともに、松岡が取り組んだ施策の一部である。

 ・担当毎のMission/Vision/valueの作成

 ・組織体制の見直し、組織間連携・価値連鎖の仕組みづくり

 ・営業施策の企画・推進と進捗管理の徹底、見える化

 ・積極的なプロモーション活動、お客様向けセミナーの開催

 ・週次の定例勉強会開催(最新技術、商材、ベテラン社員のノウハウなどを学ぶ)

 ・社員に対して管理者がローテーションで行うプレゼンテーション機会の設置

 ・リーダーシップ育成のための手作り研修カリキュラム(グループワーク)の企画・運営

 ・職場改善提案の投稿制度導入(カイゼン1000本ノック)

 ・職場の仲間に、年に一度の「ありがとう」メッセージ制度の開始

 ・毎週月曜日朝の職場掃除タイム設置、あいさつ運動の実施

 ・地元のボランティア協会への収益連動型寄付

 ・読書、ランニング、富士山登頂などのサークル活動

 ・職場の手作りプロモーションビデオ作成

「グロービスでの学び、読書で得た知識などは、どんどんTTPしました。

 あ、このTTPっていうのは『徹底的にパクる』の略です。このTTPという言葉も、
 元トリンプインターナショナルジャパン社長の吉越浩一郎さんの本からパクりました。

 吉越さんも別の会社から、この言葉をTTPしたんだそうです。
『学ぶことは真似ること』ですね。

 理解ある上司や、同僚、職場の仲間の協力に支えられ、
 学びを職場で実践できたことは本当に幸せだったと思います。」

こうした取り組みの根源には、 「ROHの最大化」 という松岡の想いがあった。

「私が社内に送る電子メールの文末には、署名とともに、必ず下記のメッセージを添えるようにしています。」

    「創造」「変革」「展開」が"じぶん力"と"トータル力"を高める
    ドラマティック東海劇場 ~ 全員参加・みんなが主役 ~

「日々新しいことを産み出す(創造:Creation)、変化を成長の糧にする(変革:Change)、
 大切なものを周囲に伝搬する(展開:Contribution)。

これらを「『じぶん力』を高める3C」と私は勝手に呼んでいます。
創造と変革は、グロービスからのTTPですね(笑)。
『じぶん力』という言葉は、娘が通信教育している「しまじろう」からTTPしました。」

「『トータル力』とは組織力のこと。個人の成長が、
組織の成長に繋がる。逆に、良き組織は、個人の自己実現をサポートする。
こんな個人と組織の良好な関係を築くのが、私の理想です。」

エピローグ

4回目の珈琲おかわりをオーダーしたとき、時計の針は深夜零時を回っていた。
ファミリーレストランで3時間以上も粘る松岡に、ウェイトレスも若干あきれ顔である。

ノートPCからネット接続し、
「グロービスMBA学生ポータル」の受講済みクラス一覧を松岡は感慨深く眺めた。

合計30科目、42.5単位(追加受講申請含む)に及ぶ『学びの履歴』を振り返ると、
長いようで、あっという間だったようにも感じられた。

経営大学院同期入学の仲間とともにまとめたWAY『共鳴』。
昨年、2年で単位取得し先に卒業していった一部の仲間へ贈った卒業記念メッセージを、
松岡は読み返してみた。
卒業を控えた今、松岡自身も、この言葉に背中を押されている気がした。

 (き)厳しい試練を乗り越えて
 (よ)ようやく辿り着いたこの日(卒業)
 (う)海を染める朝日のように、
 (め)目指すは、輝き高く昇り続ける我が姿
 (い)いざ進もう、志高く、共にいつまでも。

   『 共鳴 』

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