名古屋校

名古屋校学生ブログ

【MBA生活】MBA生となり、自分はどう変わったか、そしてどう変わっていくのか

GMBA名古屋 2011期 日高 義雄
「P.E.と同程度のケースなら、3時間でできる。」
数年前のグロービスのキャリアセミナーで卒業生からこの言葉が出てきた時、
僕は激しい嫉妬と同時に、強い渇望感を抱いた。

 

P.E.(ピープル・エクスプレス)とは、
グロービス・マネジメント・スクール(以下、GMS)、大学院共に
最初に受講する事を推奨される科目「クリティカル・シンキング」の総仕上げとなる
実際の企業事例を用いたケース(当時)の事で、
僕が知る限り殆どの受講生が打ちのめされていた。
GMS生だった当時の僕は20時間以上費やしたにも関わらず、
事象を分解する事さえできなかった。

 
これはつまり、当時の僕がP.E.社の社長だったら、
問題解決どころか起きている事実の理解すらできずに迷走するところを、
彼なら少なくとも問題点を明確化し、
解決に至るためのビジョンを短い期間で示す事が出来る、
という事を意味している。

 
それから数年経った今、僕はあるオーナー企業の役員として、
次世代の経営の一角を担う立場に身を置いている。

 
クリティカル・シンキング受講&キャリアセミナー参加後、
諸事情あってグロービスからは一時離れてしまったが、
当時の「P.E.なら3時間でできる」と聞いた時の衝撃は、
心の奥底に沈殿し、おもりとなっていた。
その後2010年1月に何とか機会を作り、
GMS生として受講したクリティカル・シンキングⅡで、
GMBAを卒業される方々と共に学ぶチャンスを得た。
その中の一人に同い年のNさんが居た。

 
クリティカル・シンキングⅡ終了後、
僕は知り合いの中小企業社長から経営についてのアドバイスを求められた。
その社長は、今の経営の問題点を明確化できずにいる様だった。
学びのチャンスと思うと同時に、異業種の経営という領域は、
受講科目に偏りがあり、未だP.E.の時に感じた心のおもりを抱えていた自分には
ややハードルが高く感じられた為、仲間を募ってチームで取り組む事にした。
そのチームにNさんが加わってくれた。
そしてそこで、
僕は机上のケースに留まらないGMBA生の凄さを目の当たりにする事になった。
特にメンバーの良さを上手く引き出しながらチームのパフォーマンスを最大化し、
実践的な提案に繋げるskillとwillには圧倒された。

 
そして2010年秋、
公私共に「入学するなら翌年4月しかない!」という条件が偶々揃った。
とはいえ、僕は原則として週休一日。
学費だって安くはない。
「俺にできるのか?」
「日程的に通えるか?」
「自分だけの為に大金を使って良いのか?」
と、何度も何度も自問した。
しかし、グロービスが提供しているものや、
傍から見たGMBA生の輝きと「もやもやした自分」とのGAPを思い起こし、
「今やらなきゃ、俺は一生後悔する」。
僕はこの時、
「やれば良かったと後悔するより、やらなきゃ良かったと後悔しよう」
という、大学時代の親友の言葉を思い出していた。

 
そして、グロービス大学院の門を叩く事に決めた。

 
入試の課題エッセイは、
自分の人生観、仕事観が丸々そこに反映される様な設問ばかりで、
僕にとってはかなり厳しかった。
自分は今まで仕事を通じて何を行い、何に喜びや達成感を感じ、今後何を成し遂げたいのか、
という様な事を深く真剣に考えさせられる、いかにもグロービスらしい設問と思う。

 
合格後、Nさんからおめでとうメールを頂いた。
印象的だったのは、
「大切なのは『何のために入学したの?』という目的から絶対に目をそらさない事。
スキルなんてもんはどうでもいい。嫌でも身に付く。大事なのは志成就の気持ちだ!」

というくだりだ。
スキル云々は別として、
入試エッセイとぴったり一致する姿勢に、GMBA生のDNAが象徴されている。
ちなみにそのメールはプリントアウトされ、僕の部屋の壁に貼られている。
入学式が行われる少し前に、同期全員が初めて一堂に会する場がある。
そこで全員でWAYを決める。
WAYとは、これから学んでいく上で自分たちが大切にしたい思い。
企業でいう理念にあたる。
誰がリーダーと指名されている訳でもない初対面の30数人が、
一つの教室に閉じこもって全員で議論をし、3時間で一つのフレーズを創り上げる。
多数決は禁止、全員が合意しなければならない。
それぞれが思いを出し合い、意見をし、耳を傾ける事で、言葉が創り上げられ、
少しずつ洗練されていく。
そうして出来上がった名古屋2011期生のWAY、 「成し遂げたいことが、ある。」
その時に初めて出会った同期は、今ではまるで幼なじみの様な存在だ。
本音で話せ、ガチンコで議論しながらも、弱音を吐く事もできる。
利害関係が無いというのも大きいと思うが、
見栄をはったり、知ったかぶりをする事もなく、自然体で居られる。
「等身大で良いじゃないか。今無理に大きく見せなくても、自然に大きくなるさ。」
何となく、そう言われている気がする。
予習は毎回ホントに苦しい。
僕は毎朝5時に起きている。(正確には、起きようとしている。)で、
予習でどれだけ頑張っても、講義では毎回自分の思慮の浅さがえぐり出される。
しかし、僕らはそれを知るために来ているんだ。
「失敗を恐れるな」と言うけど、同期のFさんの言葉を借りると、
そもそも失敗って何だろう。
グロービスの講義において失敗なんてあり得るのだろうか。
「いわゆる模範解答」と大きく異なる発言をする事は、
その違いを考えるきっかけを得られるという意味では、
むしろ大成功と言えるのではないか。

 
職場とは違って、
グロービスの講義はノーリスクだ。 だからどんどん「間違え」られる。
グロービスに入学してから、僕は明らかに笑う頻度が増えた。頻度だけでなく、
心の底から笑える様になった。
本質的な部分を真剣に議論し、苦しみながらも脳みそに筋肉がついている充実感、
志が醸成されている実感を得られているからこそ、懇親会でのバカ話にも花が咲く。
お互いを尊重した上でバカになれる仲間がいるってのは、スゴク、イイ。
僕があまりにも楽しそうにグロービスの話をするものだから、
会社の後輩が数人、グロービスのクリティカル・シンキングを受ける事になった。

 
そして社内外で、
「グロービスで楽しそうに学んでいる僕」に
「強烈に嫉妬する」という人が、これまた数人現れた。
しかしグロービス内には、逆に僕が嫉妬する人材が溢れている。
クラスでは独自の視点で皆に新たな気付きを与えつつも、
飲み会では(心理的に)裸になりバカ話で盛り上げながらいつも場の中心になる人や、
日本国内のMBA在校生を対象にしたケースコンペで、予選落ちした僕を尻目に、
僕と同期の1年生ながら某超有名大学院の2年生を抑えて優勝してしまう様な人もいる。
僕は元来、山があると登りたくなるタイプだ。
ケースコンペの様な山があると、すぐに登山家のマインドに支配されてしまう。
加えて、すぐに感化されるタイプでもある。

 
2010年5月末にグロービスとは別の所で主催されたフォーラムで、
「日本にはグローバルリーダーが足りない!英語力は今十分じゃなくても良い。まず一歩踏み出せ!」
という本気の言葉に触発された。
氏の危機感を感じ、自分に何が出来る訳でもないがまず一歩を実践しようと思い、
乏しい英語力にも関わらず、直後の7月期開講の東京IMBAコース(英語でのMBA講義)に
単科生として飛び込み、3カ月間名古屋から通った。

 
又、女性で初の世銀副総裁になられた西水美恵子氏の英語での講演も直に拝聴した。
今年から500人規模に拡大した、GMBA生を対象としたあすか会議の学生企画委員にも
首を突っ込ませてもらった(あまりコミットできなかったが)。
前述のケースコンペへの参加も然りだ。

 
赤ちゃんが何でもまず口に入れて食べられるかどうかを学習していく様に、
ともかく自分の成長に繋がりそうな山が見えたらまず登ってみる、
少なくとも一歩を歩んでみる、というのが今の僕の姿勢だ。
最近は次々と山が表れる。

 
クラスで学んだ、クランボルツの「計画された偶発性」
が現実に起きている様な感じだ。
以前のもやもや感からは脱し、前に走っている感が、今の僕にはある。
日本の政治は残念な状況だが、政治のリーダーシップ欠如は、
単にある政治家の資質だけの問題ではないと思う。
日本という国全体の、リーダー教育の脆弱性だという意見に、僕は強く同意する。
日本のサッカー人口が増えると日本代表のレベルが上がる様に、
世の中でリーダーシップのとれる人間が増えていけば、
きっと国のリーダーもリーダーたり得る人になるハズだ。
つまり、我々現場のリーダーが強くなり、一定レベル以上のリーダー人材が増えれば、
政治の世界でもリーダーが底上げされ、日本という国は強くなる。

 
グロービスの先輩で、カネボウ化粧品再生という山を登られた知識さんがおっしゃった言葉
「こんな自分にも、できる事がある」 数年前の自分では恥ずかしくて言えなかった様な事だが、 今の僕には本気でそう思える。

 
最後になるが、 先に述べたWAYをサポートする行動指針の一つに、
今、この機会に感謝する」というものがある。
これも同期全員で創り上げた言葉で、 「自分一人で学んでいるのではない。学ぶ機会を持てているのは、周囲の支えがあってこそだ」 という事を表している。
そして 、「ダイヤはダイヤで磨かれる。人は人で磨かれる。」 支えてくれる周囲の人たちにより、自分が磨かれているのは強く実感する。 しかし果たして、自分は人を磨けているだろうか。
  • LINEで送る

「【MBA生活】MBA生となり、自分はどう変わったか、そしてどう変わっていくのか」のページ。実践的なMBA(経営学修士)のグロービス経営大学院。リーダー育成のビジネススクールとして、東京・大阪・名古屋・仙台・福岡・横浜・水戸・オンラインでMBAプログラムを提供しています。