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【番外編】大連・上海を旅して~第2部:上海編~

中国滞在3日目の17日土曜日。
大連空港発8時10分の飛行機に搭乗し一路上海へ。
中国国内移動でもパスポートチェックは厳重だ。

2時間後の10時過ぎ、飛行機は無事上海浦東空港へ到着。
2年半ぶりの上海である。

上海でのメインイベントはフィナンシャルタイムズによる
世界のMBAランクでアジアNO.1ビジネススクールとなった
CEIBS(China Europe International Business School)中欧国際工商学院への訪問である。

個人的には2度目の訪問だ。

前回訪問の際には、
彼らとのコミュニケーションが英語という条件の中、
まったく話せなかった苦い思い出がある。

今回は拙い英語ではあるが、少しでもコミュニケーションを実践し
彼らとの交流を深めたいと思っている。

また、CEIBSで学ぶ彼らが何を考え、何を実践しようとしているのか。
彼らは今の中国を、世界をそして日本をどのように見ているのか等々
知りたい事が山ほどあった。

空港を出た我々が目にしたのは、
すっかりきれいに整備された高速道路や鉄道。
そして近代的なビルが立ち並ぶ街並みであった。

2年半前に訪れた時は、これらの社会インフラがまさに建築中で、
昨日まで居た大連のように、至る所でビルの建設ラッシュ。
そのせいか、当時は空気もよどんでいたように思う。

しかし今回は万博が直前に迫っているという事もあり
建築中の構造物は少なく、その為空気も以前よりは澄んでいるように感じた。

また、当時はあった低所得者層が住む一部のエリアもなくなっており、
きれいな街並みに変貌していた。

思いのほか交通ルールも守られているようで、
赤信号を平気で無視する車や人や自転車は
2年半前に比べると減っているような気がした。

これも万博を前にした啓蒙活動の成果だと
地元のガイドさんも話していた。

当然ながら上海市内はどこも万博一色。

観光地だけに限らず、公共の場、民間施設、テレビ、ラジオ、
様々な媒体を通じて万博をPR。

5年前の愛知万博を経験した私にとって、
この光景は少し懐かしい思いがした。

ただ、前日の大連では万博についてはあまり報じられておらず、
地元の人もほとんど興味を示していない様子。
中国における万博経済効果は、一部地域の限定的なもので終わる
可能性もあるなと感じた。

さて、我々が向かうCEIBSは漢字で書くと「中欧国際工商学院」である。

中国のビジネススクールなのになぜ「欧」の文字が???。

実はCEIBSは1994年に中国政府とEU(ヨーロッパ連合)の合弁事業として産声をあげた。

中国経済の成長を見込んだEU が中国政府と手を組んで
一流のビジネススクールを作るという国際プロジェクト。

欧州シンパの経済人を育成して中国経済の中枢に送り込もうという
壮大な戦略が透けて見える。

バイエル、ミシュラン、フィリップスといった欧州系の大企業や、
宝山鋼鉄などがスポンサー企業として学生の実務研修を受け入れているという。

学生数は1学年190名。

18ヶ月のフルタイムMBAとエグゼクティブMBAの二つのコースがある。

言語はもちろん英語で、学生は中国大陸出身者が62%。38%が外国人。
外国人の割合は香港・台湾・マカオが6%、アジア・パシフィック13%、
ヨーロッパ13%、アメリカ6%である。平均年齢は29歳。
女性比率も32%と比較的高い。
ちなみに日本人は毎年1~2名程度入学しているそうだ。

約束の15時を少し過ぎて我々はCEIBSに到着。
我々を迎えてくれたのは教務関連の責任者であるドイツ人のクラウディア女史。
再会を喜び、握手をかわす。
前回の訪問に比べ彼女の表情も穏やかで自然な笑みがこぼれていた。
実はCEIBSとグロービスの交流はこれが3度目。

2007年に我々が訪問したのをきっかけに、
昨年CEIBSの学生約30名がグロービス東京校を訪問。

そして今回、我々の訪問。
学生主体での草の根交流が継続している。
実に素晴らしい事だと思う。

我々は敷地内を一通り案内された後、CEIBS学生との
ディスカッション会場になっている講義室に入った。

まずは、クラウディア女史からCEIBSについての説明と
中国市場の魅力と今後の課題についてのプレゼンから始まった。

特に中国市場の課題については大変興味深い分析となっていたので、
少し紹介したい。
(ちなみにプレゼンは全て英語。スライドももちろん英語。
前回は通訳ありだったが、今回は通訳無し。必死で聞き耳を立てて聞き取った。)

現在、中国が直面している課題を3つに絞っていた。
雇用と環境と陸上輸送である

雇用:
毎年600万人が大学を卒業するが全員が職に就けるわけではない。
市場が求めているのは経験豊富なマネージャー、熟練した技術者等の即戦力。
中国の教育システムそのものが雇用市場にマッチしていないのが
問題の本質と結論付けていた。

環境
中国は世界で最も汚染されている都市ランクで上位10都市中6都市を占めている。
これは急激な都市開発と経済発展が主因ではあるものの、
規制を守ろうとしない風土や資源の無駄遣いも見逃せない。
また慢性的な水不足も深刻な課題である。
その解決策として海水の脱塩化技術開発を推し進めている。

陸上輸送:
アメリカと比較すると高速道路網が貧弱。
アメリカのそれは420万kmにも達するが中国はまだ、35万km程度である。

これ以外にも高齢化、医療保険問題、内陸部の開発等、
今後起こりうる課題についても鋭く指摘していた。

クラウディア女史のプレゼンが終了する頃を見計らって、CEIBSの学生達が入室。
中国、インド、シンガポール等国籍は多彩だ。

今度は彼らに対し、我がグロービスの田久保講師が流暢な英語でグロービスの紹介を行った。

彼らにとってはグロービスがベンチャー企業として
大学院を作り上げるまでに至った事が興味深かったようで、
質問もその点に集約された。

お互いに質問と回答を 繰り返すといった感じでディスカッションは進んだ。
その中で興味深い一幕があった。

「なぜCEIBSを選んだのか?」
「なぜグロービスを選んだのか?」
というそれぞれの質問に対し、

CEIBSの学生はほとんどが、
自分のキャリアアップ、
中国でビジネスをする為に有利、
欧米系企業への就職に有利といった理由であったが、

我々グロービスの学生はほとんどが
「グロービスはこういうところがいいんだ!」
と自分の事よりもグロービスについて熱く語っていた。

CEIBSの学生からは、「あなた方はグロービスの職員ですか?」
と笑って質問されるほどだった。

徐々に硬い雰囲気が和んできた所で、場所を変え懇親会に移った。

懇親会の場所はCEIBS内にある学生食堂だが、これが立派。
グロービスもこれだけは敵わなかった(笑)。

丸テーブル3つにCEIBSの学生と我々が共に座り食事をしながら
様々な話題についてお互いの意見を交換する。

もちろん我々は全員が流暢な英語をしゃべれるわけではないが、
それでも身振り手振りで必死にコミュニケーションを図っていた。
いくつか、面白い話しが聞けたので紹介する。

中国の水不足について:(インド人学生との話)中国は慢性的に水不足。

一方、日本の水資源は豊か。
中国で日本の水を売れば大きなビジネスになると思う。

ただ、現時点では日本側にどのような規制があるのか研究中。

規制について何か知っている事はないか?
と質問されるも明確に答える事ができなかった。

最初はミネラルオォーターの販売をイメージしていたが、
よく聞いてみると
石油タンカーのような船に日本から水を積んで中国に運ぶ事を想定しての質問。
考えるスケールがでかい。

経済成長に対する国策について:(中国人学生との話)

国策による大連での建設ラッシュ。
上海万博に合わせた強制的な土地開発等、政府の経済政策、
国策の意思決定のスピードが速いように感じた。

この点について質問すると、毎年600万人の学生が卒業し職を求める。
経済を成長させ雇用を確保しなければ、現在4%の失業率は毎年上がっていく。

その為には経済成長を国策で支援するしかない。
他に選択肢がないからそうしているだけではないかとのこと。

前回の訪問でも感じたのだが、
グローバルな場面で質問されるような事に対して

彼らは必ず明確な自分自身の考えを持ち、
それを我々でもわかるような
やさしい英語でしゃべる事ができる。

それは単に時事問題に精通しているというだけでなく、
歴史やその国ごとの文化についても深い見識と洞察があるように感じられた。

今回詳しくは記さなかったが2日目に訪れた旅順、203高地では改めて、
自国の歴史について自らの見識の薄さを思い知らされた。
まだまだ学ぶべきことはたくさんある。

懇親会は予想以上に盛り上がった。
折角の盛り上がりを一時の事にならないよう本日参加のメンバー同士で
メーリングリストを作成し引き続き情報交換をしていく事になった。

前回の交流からさらに一歩前進である。
全員で記念写真をとり、お互い硬い握手を交わし2年半ぶりのCEIBSを後にした。
これで、今回の目的は全て終了。
あっという間の3日間であった。

自分なりの目的はなんとか達成できたように思う。
点数をつけるとすると70点ぐらい。
後の30点は英語力不足な点かな。再トライ!

CEIBSでの熱い語らいに興奮を抑えきれない我々は、
ホテルにチェックインした後、反省会も兼ね、夜の上海に消えていった。

番外編終わり

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