【MBAを学びはじめるまで】悩み、考え抜いた末の決断
2008年春、若葉青葉をわたる風も快く感じられる季節なのに、
私は霧の中を彷徨っていました。
転職して丸3年が経過した頃です。
私は転職する時、異なる業界で異なる職種を試してみたいと思い、技術系ベンチャー企業で営業と採用の職に就きました。
ベンチャーを選んだのは、会社を一緒に創っていきたいという想いと、
大手企業よりベンチャーの方が担当する領域が広く、色々吸収できると思ったからです。
転職して最初の3か月、
結果を出さなければこの職は無理だろうと
自分へのプレッシャーをかけて結果を出しました。
そして半年1年と
目標を次々と立てては達成し、
3年が過ぎました。
とても充実した3年間でした。
しかしふと立ち止まった時、
これでいいのだろうかという気持ちが湧き、
新たな風を取り込みたいと思うようになりました。
そんな折、グロービスが名古屋に大学院を作るという情報が入ってきました。
今まで私は1年に1クラスGMSで学ぶ程度、
クラスに通っている時は学びを仕事に活かそうと意識しますが、
通っていない時は目先のことに追われてしまう。
そう、私は"継続"が苦手。
元来飽きっぽい性格なのでしょう(笑)
自分のこれまでの学びのスタイルは、あるモノをマスターする際、 1つのスタイルを継続するのではなく、書籍やセミナー、交流会、体験など色々なスタイルの中で学んできました。
だから第一戦で仕事をしている講師陣がみえて、
かつ様々な業界で働いている仲間と学ぶ大学院に身を置いた方が
自分のスタイルに合っていると思いました。
そこで早速説明会に行きましたが、
エッセイを書き出したのは第一回試験の2週間前。
短い間に何回も書き直しましたがしっくりこない。エッセイ提出締切の前日、
徹夜で書き直し、締切時間ギリギリにグロービスに向かいました。
当時の事務局担当者に提出する予定だったのですが、何か心に引っ掛かっており、
"やっぱり今日はエッセイを提出するのをやめます。もう少しじっくり考えます。"
と言ってグロービスをあとにしました。
よく迷ったときは"やってみなさい"といいますが、
私の場合あまり悩むことはないだけに、このような時は逆に、原因が明確にならない限りうまくいかなかったのです。
だから明確にしたいと思いました。
少しずつ自分を見つめ直していくと、あまりにも現実を重視していたことで、
本当にやりたいことに蓋をしていたことが分かりました。
その後私は、子供の頃まで立ち返って何に楽しみや喜び、
生き甲斐を見出していたのか、
玉葱の皮を一枚一枚むくように自分の心を見つめ、
気付いたことをノートに書き綴りました。
そのときぼんやり見えたのが、 "音楽"と "子供" というキーワードでした。でも漠然としたままではいけないと思いました。
なぜならMBAを学ぶのに、生半可な想いでは
途中で自分の心が折れると思ったからです。
そんな時、村尾さんのキャリアセミナーを受講する機会がありました。
モヤモヤしている想いを思い切って村尾さんにぶつけてみました。
"MBAを学ぶ前と学んでいる途中では目標が変わりましたか?"
という質問。
すぐさま
"はい、変わりましたよ"
と笑顔で答えてくださいました。
それは、学んでいくうちに社会に貢献したいという気持ちが
次第に強くなったからだという理由でした。
それを聞いて心が軽くなったのを今でも覚えています。
村尾さんの一言が私の背中を押してくれました。
私は今の会社で社会貢献をしていきたいと思っていますが、将来的には
"音楽を通じて、多くの可能性を秘めている子供達に、
感性と創造性を育むための「場」を創りたい"
という想いがあります。
まだ明確になっていませんがそれでもいいと思っています。
なぜなら漠然とした想いでも、行動に移してみることでその想いを強くすることができるかもしれない、
また新しい何かを発見できるかもしれないと思ったからです。
もちろん想いを実現するには、そこに行くまでの道筋、
自分のキャリア戦略を立てなければなりません。
私は音楽業界に長くいたことでビジネス経験が少ない。だからビジネス全般のスキルを身につけたいと思いました。
1つのことを深堀するだけでなく知見を拡げ、そのあとまた深堀することで、
深さと拡がりのあるT字人間を目指そうと思いました。
ここまで行き着くのに色々悩みましたが、
自分自身のキャリア戦略を考えるうえで価値のあるプロセスでした。
入学してからの1年、仕事との両立が大変でしたが、それ以上にここにいられることに感謝しています。
なぜならビジネスを学ぶだけではなく、様々な業界で活躍されている講師陣から人生の指針となる教えを学べること、
そして同じ志を持った仲間が何よりも大きな刺激になっているからです。
また自分が得るだけでなく、一歩踏み出してアウトプットする ことで、周囲に何らかの影響を与えたいという "Giveの精神" が強くなってきました。
何を始めるにも、 "志" があってこそ。
そして "環境は人を創る" ということを肌身に感じています。
色々な思考を持った多くの仲間と交流をしながら、
自分の志を磨いていきたいと思っています。
2009期生 清水