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【MBAを学びはじめるまで】MBA受講のきっかけ ~技術と新たな視点への気付き~

【はじめに】                          

私は某自動車会社に勤める技術者です。

技術者がなぜMBAを志すのか。
よくこうした質問をいただきます。

私は、技術者にとってもMBAは非常に大切なものだと考えています。

なぜならば、
技術者にとって技術を考える上で大切なことは
「お客様に思いがけず喜んでいただける最高の満足を提供する」
使命感であると考えているからです。
この中でお客様とは、エンドユーザーはもちろん自部署の後工程も含みます。

これが無ければ技術はいずれ陳腐化したり淘汰されてしまいます。

そのためには

技術以外の経営的視点(時代とのマッチング、顕在・潜在ニーズ、実現性、継続性など)
トータルでの判断が不可欠であり、
その共通言語とも言えるMBAを習得することで
経営と技術を直結することが益々重要になってきていると感じています。
           

このような考えに至った経緯や自分の想いを整理しながら
記していきたいと思います。

「了解!それではこの仕様で導入することを決定しよう!」
疲れきっていた意識の中で僕は一瞬反応が追いつかず理解できなかった。

それは開発中の環境技術の海外工場への導入を現地責任者が認めた瞬間だった。

「本当にできた。あれだけ諦めようと思ったのに。」
「間に合った」
と自分に言い聞かせた。

2005年4月 私はある新しい環境技術の開発に着手した。

当時はグローバル展開が急激に行なわれ、
海外には環境にやさしい技術で展開することが
責務であることから開発が急務となり、
周辺技術を経験してきた私が技術の確立、
製造設備の設計、
新しい品質管理手法までの開発を担当することになった。

この開発は数年前より役員から指示も下りていた。

過去10年間数人のメンバーがチャレンジしてきたものの適用できなかった。
実現性が低い上、メイン技術を支える技術で目立たないこともあり先延ばしされてきた。

そこに対して私達の部門にもう一度カミナリが落ちた
「まだやっていないのか!」
こうして担当が私に変更され再度挑戦することになった。

今回もこの開発は実現性が低い、できるわけがない、そんな雰囲気が漂っていた。

人材も私と後輩の二人だけ
私は、やり場のない気持ちになっていた。

そんな中でグループマネージャーだけは
技術という視点から真剣に取り合ってくれた。

過去に実現できなかった現実ではなくて、
どんなメカニズムで実現できないのか?

そこを真剣にかつ真摯に考えてくれた。

そうしたコミュニケーションを取る中で、
できるところまではまずやろう、
となぜか強く思えた。

そして技術的に実現が難しいならそれを証明して、
この仕事を止めるように提案すればいいんだ、
とある意味で割切れた。

過去の振り返りとこれからの計画を1ヶ月程度で整理し
キックオフ会議を行った。

社内の反発は最初は高かったが
各部署のキーとなるメンバーとの個別に計画を何度も説明することで合意を得ることができ、
徐々にプロジェクトとして認識されるものになった。

普段は自由にやらせてくれるグループマネージャーは、
私が困るころになると現場にふらっと来て私に指導をした。

まだまだ見方が足りない。
そんなやり方では技術の壁は越えられない。
そんな想いが伝わってきた。

また時には、
技術メカニズム解明一辺倒に走る私に対して
冷静になる一言をくれた。

「お前は見ているところがずれていないか?」                  
「そこがそんなに今重要なのか?」
「研究して終わりではないんだぞ。」
「実現するためにやることがあるのではないか?」
「開発技術にマニアックになりすぎるな。」
「簡単に製造する方法、海外流通ルート、法的対応、人とのコンセンサスの視点は良いか?」

質問を投げかけるとふっとどこかに消えてしまうのが
いつものスタイルだった。

言葉は少なかったが技術を世に出すために必要な視点を本気で教えてくれた。

とにかく、とことんやってやろう。
たとえ実現できなくても。
従来のやり方に囚われず必要であると思うことをやりきろうと思った。

日本に数台しかない精密評価装置を自由に使うことができれば
技術解明に繋がる可能性があった。

無理を承知でいくつかの研究所へ交渉した結果、
ある企業の研究所と連携することで
評価装置を自由に活用する状況を作り出すことができた。

また、開発オプションを幅広く持つために
大学と連携し可能性のある技術の評価を続けた。

さらに、技術解明後に海外展開できるように
サプライヤーとの準備も進めた。

その結果、

6ヶ月ほどで障壁になっていたメカニズムを
解明するところまで到達することができた。

そして、自社技術とサプライヤーの技術や流通ルートを活用することで
海外展開が実現できることを確認した。

安堵のひと時に包まれながら、
今回の一連の開発を振り返りながら私はふと思った。

とことん集中して自由にやってこれた。
このように行動できたのはなぜだろう。

ベースにはグループマネージャーの
「自由に行動させ、必要なときには根回しする」ことを実践してくれたことが
私の心の支えになり、私の行動をアクティブにしたことが大きかったことを改めて実感した。

グループマネージャーは、
日常的には部下自らに行動させ手を出さないが、
頻繁に現場を視察し問題点や、やり残しなどを徹底的に把握しておき、
部下が困っているときに適切な判断をしてくれた。

こうした困難な状況を乗り越える経験は何回できるのであろうか?

また次に来る難しい問題は解決できるのか?

将来、私は後輩のチャレンジを後押しし、
課題解決の道を言葉にしたり、
暗に示しながら導くことができるのであろうか?

自信がなかった。

私は、この経験を通して技術開発において、
夢中に走るメンバーが着実に変革プロジェクトを遂行できるよう
指導できる力を身につけることの大切さを教えてもらった気がした。

環境変化のスピードが上がる中、
実務では経験、指導してもらっていないことに対しても
着実に方向を示して進んでいく必要がある。

そして、一人ひとりが今まで以上にブレークスルーを
繰り返していける集団でなければならない。

技術者としてどんなスキルや想いを持っていれば良いのであろう。

このまま企業の中で学ぶ機会に身を委ねていて良いのだろうか?
自分の能力を磨き鍛えることのできる時間はどれだけ残されているのか?

そんな時、以前、企業内研修でお世話になったことのある
グロービスのことを思い出した。

創造と変革の志士を目指す集団に飛び込んで、
技術者として経営をしっかり学んでみたい。


チャンスは今しかないと思った。

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