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MBAは農業を変えられるか?「農業業界をフレームワークで切ってみると Part1」

前回のコラムでは農業の問題を「担い手不足」だと指摘した。
なぜ「担い手不足」なのか?

それは儲からないから。
なぜ儲からないのか?

それは生産者に価格決定権が無いから。
なぜ価格決定権が無いのか?

JAへの過度な依存体質?
規制だらけの農政の弊害?
生産者に経営リテラシーがないから?
等々、要因は様々だろう。

農業の場合、国家的な食糧戦略の側面があることも見逃せない。

とは言うもののこのコラムを
「社会に対する提言」
的な内容にはしたくないと思っている。

あくまでも主語は「私 」。
自らの力でできることに絞って話を進めて行きたい。

となると、
農業というビジネスの現状分析が必要である。

グロービスのマーケティング・経営戦略基礎で習ったフレームワークを用いて
基本に忠実に分析していきたいと思う。

まずはマクロ分析
「PEST」である。

P(Politics):
昨年の9月に農地法が改正された。
この改正によって農地利用に対する規制が緩和された。
具体的には、農業生産法人でなくても、農地を農業に活用するのであれば、
一般の企業も農地を借りて農業に参入できるようになった。
これによって従来以上に法人、個人の農業参入がし易くなった。
一方、コメ等 の一部の作物以外は原則輸入自由化されている為
安い輸入作物との価格競争は依然厳しい。

E(Economics):
経済状況が悪くても、食の消費は比較的安定している。
逆に景気が良い時期でも、大幅に食の消費が増加することは考えにくい。
それよりも天候による不作や、豊作による価格下落リスクの方が大きい。

S(Social):
安心・安全な作物に対するニーズは依然強いものの、
一般的な消費者がそれに支払う対価は必ずしも高くない。
一方で日本の高齢化は疑い無く進む。
この事によって安全で安心でおいしいものに価値を認める高齢者層は
確実に増加する傾向にある。
ただ農業業界の高齢化は危機的状況で、生産者200万人の平均年齢は60歳である。

T(Technology):
機械化、省力化は進んでおり、人口の2%程度で国民の約半分の食料を
賄っているわけだから生産性は高いと言える。
さらに最近ではITを駆使した農業技術の進歩も著しく、
従来からある「匠の経験や勘」に頼っていた土壌分析や温度、
湿度管理などはIT技術によって定量化され、
素人でも管理できるようになってきている。

以上のマクロ環境を踏まえると

以前に比べ農地法の改正等の規制緩和やIT化などにより
企業や個人の農業参入のハードルは下がっているものの、
天候リスクや輸入自由化による作物価格下落での
収入減の不安(経営の不安定化)は依然拭いきれない。

ただ、高齢化が進む事によって
付加価値の高いものを志向する消費者は
増加する傾向にあると思われる。

さて、農業のマクロ環境の話となると
最近の農業ブームについて少しコメントしておきたい。

首都圏では週末にお金を払ってでも農業をやりたいという人が増えている。

年会費4~5万円程度の市民農園は2~3年待ちはざらで、
1回5千円~1万円の民間経営の体験農園も募集と同時に満員となる活況ぶりだ。

かくいう私もお金を払って農業を体験した1人である。

さらに驚くべき事に女性の比率が高いのである。
感覚的には7:3で女性多数で、20代~30代の女性が大半である。

なぜ農業が流行るのか?

おそらくこのテーマはインサイトに迫る必要がある。

ここではポストモダンマーケティングをこよなく愛する
グロービスの諸氏に下駄を預けたいと思う。

ただ、私の経験から感じたキーワードは

「開放感」
「転地効果」
「癒し」
「生命を育む喜び」
「採れたての美味さ」

などが挙げられる。

農業が一時期のブームかどうか見極めた上で、
この体験農園ビジネスも評価に値する選択肢として
次回以降で考察していきたい。

さて、横道にそれたので話を元に戻そう。

農業のマクロ環境を押さえたので、
次はより深く農業業界の魅力度を確認するために
ファイブフォース(5F)を使って検証していきたい。

が今回はここまでにしたいと思う。

前回の内容は長くて読むのに疲れるといった、
ありがたいご指摘を頂いた。
つたない文章を最後まで読んで頂きこの上ない喜びだ。

そのようなご指摘に従い今回はここで終了したいと思う。
今回も最後までご精読頂きありがとうございました。

PS:先々週、ジャガイモの植え付けと、ほうれん草、かぶ、ルッコラなどの種まきをした。
ちゃんと芽が出てきますように!

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