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【卒業後~MBAを終えて~】人生の選択肢をひろげ、充実した人生を歩む一歩

寺内さん学生ブログ写真.jpg【名前】寺内康雄

【勤務先】株式会社Mizkan

【入学年】2017

<自己紹介>

2005年に株式会社Mizkan(ミツカン)に入社。10年間業務用商品の営業を担当後、MD企画部へ異動。業務用だけでなく家庭用も含めた商品・営業販促支援(全社的な販促企画等)に携わった後、2017年に本社の商品企画部へ異動。業務用プライベートブランド開発、家庭用の食酢飲料・納豆開発を経験し、現在は業務用商品の開発と業務用事業プロジェクトの商品開発タスクを兼任。2017年グロービス経営大学名古屋校に入学、2019年修了。

■自分のスキル不足にモヤモヤ...。問題提議できる力を求めて。

現在、私はMizkanで業務用つゆの商品開発を担当しています。当社は、家庭用つゆでいえば「追いがつおつゆ」が有名なのですが、業務用つゆは競合メーカーが群雄割拠する厳しい市場となっています。また、最近発足された業務用事業プロジェクトも兼任しており、多忙な中で求められる要件も高いのですが、新たな価値を創造すべく奮闘中です。これまでのキャリアを振り返ると、社内でも私ほど多岐の業務に携わった人間は少ないのではと思っています。ただ、それでもここまでやってこられたのはまわりの方々からの協力があったからに他なりません。こんな風に考えられるようになったのも、グロービスでの学びのおかげです。

グロービスで学ぼうと思ったきっかけは、これまで社内・業界で常識的に考えられていたことを「これってもしかして違いませんか?」と問題提議できる力が欲しいと思ったからです。

私は入社10年目に初めてマーケティング分野に携わることになったのですが、これまでマーケティング領域の本すら読んだことがありませんでした。それでも試行錯誤しながら日々の業務に対応できるようになってきたのですが、これまでの前例を是とする考え方に違和感を持ち、「本当に自信をもってお客様にベストな提案ができているのか?」という疑問を感じるようになりました。ただ、それを言語化できない自分のスキル不足にモヤモヤしたのを今でも覚えています。


そんな中、グロービスの存在を知りました。百聞は一見にしかず!ということで体験クラスを経て、単科生としてクリティカル・シンキングマーケティング・経営戦略基礎を受講。今、思い返すと、初めてで2科目はやりすぎだった気もします(笑)。しかも、クラス以外の勉強会にも毎週参加。ただ、すごく充実した3か月となりました。グロービスでの発言はリスクフリー。そして何よりも参加者の情熱が凄い。貪欲に知識を得ようとする姿勢に刺激を受け、「こういった人達ともっと学びたい!」と思い、出願することにしました。(他のMBAスクールも見ましたが、最終的には「人」でグロービスに決めました)

■グロービス生活で得た知識をフル活用!

入学後はマーケティング系の科目を中心に受講する傍ら、経営に関する幅広いスキルを身につけていきました。一見関連性が少ないと思った科目でも、経営の視点で考えると繋がっている等の発見が多く、自身の業務でも自社の経営戦略を理解した上で施策を考えることを意識するようになりました。

グロービス生活を通して得られたことを一言でいうのは難しいのですが、「物事を構造的・情緒的に捉える俯瞰した思考力」かもしれません。

例えば在学中、経営層の指示を受け、担当していた商品で新たなプロジェクトが立ち上がりました。一言でいうと、「今後の売上拡大に向けたプロダクトの成長戦略立案とそれに伴う事業効率の見直し」なのですが、今までこの商品カテゴリーでは誰もやったことがないプロジェクトで、私はそこで運営の中心的な役割を担うことになりした。今までの業務は商品開発担当の視点で考えていればよかったのですが、それに加えて、今まで以上に他部署との連携が不可欠となりました。他部署には、生産部門、仕入部門、物流部門等、多くの部署がアサインされ、各部署から担当者が選出されたわけですが、それぞれの担当者の言い分が複雑に絡み合う状況となっていました。

そういった中、紆余曲折ありましたがプロジェクトは順調に推移し、中長期的な商品開発の方向性とそれを実現するための生産・物流・調達の打ち手を示すことができ、経営層からも評価をいただくことができました。こういった成果に繋がったのは、学びを通じた以下の取り組みが奏功したのだと感じています。

経営戦略マーケティング

担当商品の成長戦略を構造的に分析し、あるべき姿を明確にできていた

ファシリテーション&ネゴシエーションパワーと影響力

関係部署には成長戦略実現のための各部署の役割を論理的に説明し、ときには情緒的に交渉し、人間関係等も考慮しながら進めることができた

ビジネス・プレゼンテーション

報告相手である経営層の視点を想定しつつ、納得性の高いアウトプットに努めた

一例ですが、以下のようなエピソードがありました。

事業効率の一環で物流の見直しを図ることになりました。背景としては、今後の成長をふまえると物量が跳ね上がるため、従来の物流では運用に支障がでるリスクがあったためです。物流倉庫では、パレットに商品を数十ケースも積み、そのパレットを何段も積んで保管しています。そのパレットの段積みを今よりも増やすことで保管効率を改善するというのがその概要です。しかし、当初、関連部署からは難しいという返答がありました。当社の保管安全性(倒壊等のリスク)の考え方にそぐわない、というのが理由です。今までの私であれば、「そういうものか。別案を考えなければ。」となっていましたが、ここで問題提議の力を発揮。その安全性の基準はいつ作られたものなのか、競合他社と比較してどうか等、当社の考え方が時代に合っていない可能性がないか?という点で議論を実施しました。その結果、どうやら当社の考えを見直す余地がありそうとなったのですが、次に問題になったのは人の情緒的な部分。担当によっては、この業務を推進しても自分の評価に繋がらないと消極的な人もいる状況でした。そこで、私はその人の部署内におけるリレーションを把握し、上司も巻きこみながら、時には泣き落としで交渉。ポイントとしては、いかにこの業務が会社の業績向上やその担当者のメリットになるかを伝え、最終的には物流改善の目処をつけることができました。

論理的な話だけでは人は動いてくれません。そこに情緒的行動も取り入れながら、課題になりそうな点をひとつひとつ丁寧に対応することができたのは、物事を俯瞰しながら進められたことに尽きると思います。また、しっかりと自分の言葉で問題定義し、解決に向け取り組めたのは、学びによって根拠ある自信が身に付いたからだと思います。

■最後に

入学当初に発表した「志」について、その過程で計画したキャリアは順調に進んでいます。

今後は、志の実現に向け、生活者の健康に対して、「手軽に・おいしいもので貢献できること」をコンセプトにした新規事業の具現化に取り組んでいきたいと思っています。ガムを食べるぐらいの感覚で、お酢の健康機能をもった味覚的においしいサプリとかできたら面白いかもしれません。

このブログを読んでいる人の中には、入学を迷っている方も大勢いらっしゃると思います。そういった方々から、しばしば、「入学すると勉強に時間をとられてしまう。業務への負担は大変ではないか?」「お金がかかって大変ではないか?」と聞かれます。包み隠さず言うと大変です(笑)。上記以外にも家族から理解を得ることも重要となるでしょう。ただ、ひとつ思うのは、「簡単に得られる学びにどれだけの価値があるのか」ということです。

私は、学び=人生の選択肢を広げる、ということだと考えています。例えば、業務での施策検討や買い物でも、3個しか選べない状況よりも10個の選択肢から選べた方が自身の納得感や満足度は高いのではないでしょうか。

皆様が、今まで以上に充実した人生を歩むには「学ぶ」ことが近道だと信じています。もし、その一歩を悩んでいる方がいれば、今回のブログがその一助になれば幸いです。