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たらみと川商フーズが中国で仕掛ける、高品質フルーツゼリー戦略――グロービス経営大学院・公認クラブ「中国ビジネスラボ」 イベントレポート

2019年10月04日

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クラブ活動 「中国ビジネスラボ」活動レポート

グロービスの学生が、共通の目的や問題意識を持つ仲間と自主的に取り組むクラブ活動の活動事例紹介。


前回の幹事インタビューに続き、先日行われたグロービス経営大学院・公認クラブ「中国ビジネスラボ」が主催するイベントの内容をお届けします。

中国に関わる、もしくは今後関わりたいと考えている人が集い、新しいビジネスの可能性を探ることを目的に活動している中国ビジネスラボ。2018年の設立以来、キックオフミーティングに始まり、大連・上海の企業や現地施設を訪れた視察旅行、視察の振り返り会、中国のAI開発状況に関する勉強会と、さまざまなイベントを継続してきた。


そして5回目となるクラブイベントとして開催されたのが、2019年3月の全体会。

2018年の活動の振り返りに加え、代表幹事の幸前正次(こうぜんまさつぐ/2016期)氏の勤務先である川商フーズの新たな中国事業について共有が行われた。

食の高級志向・安全志向が高まる中国で、新たなチャレンジ

2019年1月、JFE商事グループの食品商社である川商フーズは、フルーツゼリー国内最大手のたらみ、中国の食品会社である山東嘉源進出口(JY社)と共同出資し、合弁会社・塔啦蜜(たらみ)(青島)食品有限公司を山東省に設立した。


たらみが持つ商品開発や品質管理のノウハウを活かし、JY社のグループ会社の現地工場でたらみブランドのゼリーを生産、中国で販売する。川商フーズは主に原材料の調達などを担い、中国での新たな市場開拓をともに目指す考えだ。


川商フーズの加工食品グループ長を務め、2007〜2015年には青島と大連に駐在していたこともある幸前氏は、合弁会社設立の経緯に言及した。


「きっかけは2017年に中国のパートナーから、日本の商品を販売したいという話が弊社に来たことです。個人消費が拡大する中国では、食に対する高級志向・安全志向が高まってきており、日本のフルーツゼリーなら売れるのではないかと考え試験販売を行いました。当初は成功を疑問視する声もありましたが、実際にやってみると売上は上々。その年末に現地生産を提案し、2018年春に具体的な枠組みの話し合いが始まりました」


 川商フーズが目指す未来は、中国や海外で成長を模索する日本食品企業との協業。

「弊社には中国事業所や現地法人があり、現地の企業とも長年の付き合いがある。その信頼関係を活かし、日系メーカーと中国企業の架け橋のような動きをすることもまた、弊社の役割です。

中国でのビジネスを成功させるヒント

勉強会は参加者からの質問を交えながら進められた。

今回の事業が成功すれば、ゼリー以外の食品へ応用するチャンスも拓ける。しかし日本と中国では、文化やビジネスプロセスが異なる。そのなかで協業をうまく進める秘訣はあるのだろうか。その問いに幸前氏は自身の経験を語った。


「問題を解決するための思考プロセスは、相手が日本であろうと中国であろうと同じですが、物事の運び方には工夫が必要かもしれません。私は中国の現場にある程度の裁量を委ね、現場で進め方を決めてもらうようにしています。報告を受けたら私が社内向けに伝え方を変えて、スムーズに進むように根回ししながら共有する。私が日本人として現場に入ると、現地のやり方を主張しにくくなったりするので、お互いを理解し尊重し合えるように動くことを心がけています」


現場との信頼関係の築き方については、「公私ともにいろいろな話をしてコミュニケーションをとっている」と明かした。


中国ビジネスラボでは、実在の企業を題材にした分析や意見交換も積極的に行っていきたいと考えている。Amazonは中国のネット通販から撤退し、リコーはアメリカ向け複合機の生産を中国からタイへ移管。アサヒは赤字続きだった牛乳事業を中国企業に売却したが、中国企業は買収後2年で黒字に転換した。対してニトリやユニクロは好調を維持している。

これらの背景にはビジネス・政治・文化などあらゆる要素が絡み合っており、中国での事業を成功させるヒントが無数に詰まっている。


「日系企業は中国でローカル化すべきか、日本でのブランドを活かした売り方にすべきか。あるいは中国の技術力と日本の開発力で第三国へ進出すべきか。さまざまな事例を研究し、中国への理解を深めてもらうことで、みなさんがビジネスチャンスをつかむきっかけをつくれたらと思っています」と幸前氏。講演会や勉強会のほか、現地への視察旅行も定期的に行いたいという。


 「中国」と「ビジネス」のキーワードに関心を持つ人たちが集まり、知恵をぶつけ合う中国ビジネスラボ。この先どんな化学反応が生まれ、どんなビジネスへと昇華されていくのか、活動に注目したい。

「中国ビジネスラボ」とは

中国に関わりのあるビジネスパーソンや、中国でのビジネスに興味がある人が集い、課題解決や新たな機会の創出を目指すクラブ。定期的な集まりだけでなく、中国進出企業の現地での成功例・失敗事例の紹介、現地視察、クラブメンバーの中国ビジネスの実例紹介など幅広い活動を通してクラブ内の交流を深めています。

クラブ活動とは

社会の「創造と変革」に貢献することをテーマに掲げ、グロービスの学生が自主的に取り組む活動です。共通の目的や問題意識を持った同志が集い、それぞれのクラブが多彩なテーマで独自の活動を展開しています。学年の枠を超えて、在校生と卒業生が知識や経験を共有し合うクラブ活動は、志を実現につなげるための場として、大きな意味を持つものとなっています。


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クラブ活動「中国ビジネスラボ」活動レポート

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