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中国に眠るビジネスチャンスは、相互理解なくしてつかめない――グロービス経営大学院・公認クラブ「中国ビジネスラボ」 幹事インタビュー

2019年10月04日

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クラブ活動 「中国ビジネスラボ」活動レポート

グロービスの学生が、共通の目的や問題意識を持つ仲間と自主的に取り組むクラブ活動の活動事例紹介。

人口約14億人、GDP世界第2位の中国。人口減少や高齢化により経済成長率は低下していくと見られるものの、それでも先進諸国と比較すれば高水準と言って差し支えない。そんな超大国にビジネスチャンスを見出そうとする人も多いのではないだろうか。

2018年にグロービス経営大学院・公認クラブとして中国ビジネスラボを立ち上げた幸前正次(こうぜんまさつぐ)氏もその一人。中国での駐在経験を持ち、現在は勤務先企業の中国事業を牽引する立場でもある幸前氏、そして幹事団に所属する李軍輝(りぐんき)氏が抱く、クラブ運営への想いとは?

駐在時代に感じた、中国と日本のギャップ

食品商社に勤める幸前氏は、2007年〜2015年まで中国の青島と大連に駐在。中国の現場で働く人と、日本にいる人との間に大きなギャップが存在することを実感していた。

(代表幹事:幸前氏)


「中国と日本で文化が異なるのは当然のこと。同じ中国でも北と南、沿岸部と内陸部では文化も現状もまったく違います。にもかかわらず、実態を知らずに日本のやり方を押し通そうとしたり、イメージだけで先走ってしまいビジネスチャンスを失ったりするケースが非常に多い。中国と日本は同じアジア経済圏にあり、切っても切れない関係ですから、お互いに理解を深めることが双方のビジネスにとって有益なのではと常々感じていました」


幸前氏にクラブ設立の提案を持ちかけたのは、同じ2016期生であり現副代表幹事の関直彦氏だった。「グロービスで培った知見や情熱を中国のビジネスにつなげることは、中国・日本の双方にとってベスト」。そんな関氏の意見に共感した幸前氏は、卒業後の2018年に中国ビジネスラボをスタートさせた。


幸前氏からの誘いで幹事の一員となった2016期生の李氏は、参加を決めた理由についてこう語る。

(幹事:李氏)


「幸前さんはリーダーシップがあって魅力的な方。ぜひ協力したいと思いました。私が、日本にいる中国の人や海外の人の参加を促すことができれば、活動はさらに大きくなるはず。また、グロービスを卒業すると勉強する機会が減ってしまうので、クラブに関わることで自主的に学びの機会をつくりたいという気持ちもありました」


 「在学中、李さんが日本語でビジネスを考える姿を見て、同じように中国語でビジネスを考えられる日本人は、はたしてどれほどいるだろう…と思いました」と幸前氏。両国の相互理解の重要性を示唆するかのような彼の姿は、幸前氏の使命感をさらに高めたようだ。

クラブ運営を通じて得たものと課題

2018年6月に公認クラブとしてスタートし、その翌月には大連・上海の視察旅行を実現している中国ビジネスラボ。14名が参加し、現地のIT企業や商社、電子化されたスーパー、上海のスターバックス新業態などを視察した。その後は、視察旅行の振り返り、中国のAI開発状況に関する勉強会などを開催している。


クラブ運営を通じて得たものとして、幸前氏が挙げたのは人脈。「Facebookグループのメンバーは約80人(2019年4月現在)。中国ビジネスに関わる方々や、日本で活躍している中国の方々と知り合えたのは財産ですね。たとえば中国の投資会社に勤めている李さんの知り合いは、日本の中小食品会社を買収して中国に技術を持っていく活動をしていて、今後一緒に何かできそうだなと思っています」


また李氏は、運営の難しさから多くのことを学んでいると答えた。「現役生は予習・復習やレポート作成などで忙しく、卒業生も学校に来る時間がなかなか取れないため、イベントの集客が課題としてあります。また、どなたかをお呼びして講演会を企画する場合は、そのテーマを語る上で説得力がある立場で、かつ話がおもしろい方に登壇いただくのが理想。時間、人、テーマという制約のなかでいかに濃いイベントにできるかが、運営のポイントであり難しさですね。」

課題については幸前氏も同意。「ネームバリューのある方に登壇いただいても、参加人数が少なかったら申し訳ない…というジレンマがあります。メンバー内にも経験豊富な方がたくさんいるので、まずは仲間内で講演を重ねて徐々に規模を拡大していけたら、というのが当面の考えですね」

メンバー同士の化学反応が、中国と日本の未来を変える

今後の活動方針やイベント内容は、メンバーから意見を吸い上げながら決めていきたいと語る二人。個人としてはどのようなビジョンを描いているのだろうか。


視察を定期的に行いたいと答えたのは幸前氏。「たとえば、昨年のいまごろ盛り上がっていた中国のシェア自転車は、現在では完全に失速。李さんは昨年帰国したとき、上海の郊外に自転車が山積みになっているのを見たそうです。こうした実態を知ることは大事だと思います」

また、両国を脅かす社会問題についても触れた。「日本が抱える課題は、20年後の中国の課題と言われています。少子高齢化に関しても、一人っ子政策のあった中国のほうが高齢化率は深刻。その状況を少しでも緩和すべく、日本から中国にノウハウを輸出するための活動をいま進めていますが、そうした社会問題に対しても民間レベルでできることがないか、クラブでもっと考えていきたいです」


幸前氏は、昨年から地元・和歌山市加太の観光大使を務めており、地方創生活動にも携わっている。その姿を目にしていた李氏は、自身の地元・湖南省のために何ができるかをあらためて考えるようになったという。


「地方が抱える課題は中国も同じ。北京・上海・深センに人が集まり、地方には若者がいません。私の故郷もそうです。日本の福祉施設のビジネスモデルを中国で展開しようとしている知り合いがいますが、日本のノウハウを活かせる場所は中国にはたくさんあります。日本とのつながりを活かして地元に貢献するためにも、クラブ内でアイデアをシェアして将来的にビジネスにつなげていけたら。それに向けて、まずはクラブメンバー100人を達成したいです」


「中国」「ビジネス」というキーワードに関心を持つメンバーが各々の経験や知見を持ち寄れば、化学反応が起きやすいのではないか。そう期待を寄せる両氏からは、目先の成功や利益ではなく、両国の本質的な向上を望む強い意志が伝わってきた。


「中国ビジネスラボ」が主催するイベントレポートはこちら

「中国ビジネスラボ」とは

中国に関わりのあるビジネスパーソンや、中国でのビジネスに興味がある人が集い、課題解決や新たな機会の創出を目指すクラブ。定期的な集まりだけでなく、中国進出企業の現地での成功例・失敗事例の紹介、現地視察、クラブメンバーの中国ビジネスの実例紹介など幅広い活動を通してクラブ内の交流を深めています。

クラブ活動とは

社会の「創造と変革」に貢献することをテーマに掲げ、グロービスの学生が自主的に取り組む活動です。共通の目的や問題意識を持った同志が集い、それぞれのクラブが多彩なテーマで独自の活動を展開しています。学年の枠を超えて、在校生と卒業生が知識や経験を共有し合うクラブ活動は、志を実現につなげるための場として、大きな意味を持つものとなっています。


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