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ヘルステックが生み出す新たな可能性

2018年11月27日

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モデレーター

高岡 美緒氏 株式会社メディカルノート 取締役、事業開発・人事広報部門・コーポレート部門管掌、Arbor Ventures パートナー

パネリスト

窪田 良氏 慶應義塾大学医学部 客員教授、窪田製薬ホールディングス株式会社 代表執行役会長 社長兼最高経営責任者
高橋 祥子氏 株式会社ジーンクエスト 代表取締役
平手 晴彦氏 武田薬品工業株式会社 コーポレートコミュニケーションズ&パブリックアフェアーズオフィサー

※あすか会議とは


経営者、政治家、学者、メディアなどのトップリーダーと、グロービスのMBAプログラムの学生(在校生・卒業生)および教員が一堂に集い開催する合宿型のカンファレンスです。第1回あすか会議は2005年、奈良県飛鳥荘にて80人の参加者を迎えて開催。第14回目となる2018年のあすか会議には、東京、大阪、名古屋、仙台、福岡、オンライン、英語MBAの学生1,400名が京都に集い開催しました。

業界のトップランナーが読む、ヘルスケアの現状と未来

「ライフサイエンスや医療は、残っている大きなフロンティアのひとつとされている分野」。ヘルスケプラットフォームを運営するメディカルノート取締役の高岡美緒氏の言葉から始まった本セッション。「21世紀のイノベーションは生物学とテクノロジーが交わる場所で生まれる」というスティーブ・ジョブズ氏の予測通り、ビッグデータやAIといったテクノロジーとのクロステックを通じて、ヘルスケア分野のイノベーションは加速している。

業界のトップランナーである3名のパネリストが、ヘルスケアの現状、そして未来について見解を述べた。

「生命科学は今、本当におもしろい時代」と語ったのは、アカデミア出身の起業家として個人向け遺伝子解析サービス事業を手がけるジーンクエスト代表の高橋祥子氏。


 「2003年にヒトゲノムの解読が完了して以来、私たちにできることは大幅に拡大した。かつての10万分の1のコスト、わずか数百ドルで自分のゲノムを読めるようになり、大量のデータを容易に収集できる時代に突入している。」

「医療機器のコストも低下しており、これまで病院にしか置けなかった高額医療機器が各個人に普及する時代が来ている。大量の生体情報を解析できるようになり、見えなかったものが見えてくる」。そう語ったのは、眼科医であり窪田製薬ホールディングスを経営する窪田良氏。実際に現在、患者が自宅で目の状態を測定できる低価格デバイスを開発しており、目の診断を通じて全身の状態がわかるようになる未来もそう遠くないことを示唆した。

武田薬品工業の平手晴彦氏が紹介したアフリカの医療現場の実態も興味深い。

「医療制度を必死に整備しているアフリカ諸国に対し、先進国は『医師を○○人置く』といった従来のやり方を押しつけるが、それでは20年計画になってしまう。それよりもAIドクターに検査データを診断させて、正解率が70%であればすぐに導入したい、というのが現地のニーズ。中国で固定電話より先に携帯電話が普及したように、テクノロジーの進化は社会を加速度的に変えうるのだ。」

ヘルスケア分野に潜むビジネスチャンス

全人類に役立つヘルスケア分野には、ビジネスチャンスが無限に潜んでいる。平手氏が特に着目するキーワードは「バリューベースドヘルスケア」。

「今の日本は消費ベースで、投薬や手術をすればするほど医療機関にはお金が戻ってくる。しかしそれでは無駄が多く、本当に効果のあったものだけが医療行為として認められるべき。たとえば治療の末に社会復帰を果たした患者がいれば、人口減少社会の日本においては重要な成果だが、それが医療行為にフィードバックされていないのが現状」。

治療後の患者一人ひとりの状態を追いかける仕組みや、収集した個人データをプライバシーにはマスキングした上で活用する方法の確立、あるいはプレシジョン・メディシンの推進。治療結果向上と医療コスト削減の両方を叶えるバリューベースドヘルスケアの追求は、これからの時代を切り開く大きなビジネスチャンスといえる。

「日本は予防大国になるべき。最高の医療とは本来、元気な人を元気なままに保つことだ。」平手氏はそう断言する。2025年には国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上となる日本。予防医療を見据えたヘルスイノベーションを起こすには、少数の優秀な研究者が奮闘しているだけでは難しい。より良い医療に辿りつくためには、我々、一人ひとりが医療に関心を持ち、サイエンティフィックリテラシーを高めていくことが必要だ。改めて、未来を創っていく中での我々の役割を考えていきたい。

編集後記

登壇者による講演またはパネルティスカッション形式でのセッションが終了後、夕食会で参加者同士での交流を楽しんだ後、「ナイトセッション」が開催されました。

ナイトセッションとは、各界のリーダーや著名人、講師たちとインフォーマルな雰囲気の中、少人数でテーブルを囲み、議論し語り合える時間です。普段の講演会やクラス等では知ることができない、登壇者の今の関心や熱い想い、これから成し遂げようとしている事など、この場でしか聞くことができない話をしていただきました。

当日の様子を写真で紹介いたしますので、ぜひご覧ください!

「あすか会議」は、グロービス経営大学院の教育理念である、能力開発、ネットワーク、志を培う場を、在校生・卒業生に継続的に提供することを目的として、各界で活躍する経営者や政治家、学者および教員などを招待して開催するビジネスカンファレンスです。

モデレーター

高岡 美緒氏株式会社メディカルノート 取締役、事業開発・人事広報部門・コーポレート部門管掌、Arbor Ventures パートナー

パネリスト

窪田 良氏慶應義塾大学医学部 客員教授、窪田製薬ホールディングス株式会社 代表執行役会長 社長兼最高経営責任者

高橋 祥子氏株式会社ジーンクエスト 代表取締役

平手 晴彦氏武田薬品工業株式会社 コーポレートコミュニケーションズ&パブリックアフェアーズオフィサー

(※肩書は登壇時のものになります。)

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