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卒業生のキャリアケース:異動

卒業生のキャリアケース:異動

金子 可林さん

国内営業・企画職から海外スタートアップへ

株式会社クレディセゾンCredit Saison Asia Pacific Pte. Ltd.
Business Development Associate

金子 可林さんKarin Keneko

※肩書きはインタビュー当時のもの

今までのキャリアについて

~営業から企画部門、そしてシンガポールに赴任~

 2006年にクレジットカード会社に入社し、コールセンターや提携するファッションビル、スーパーマーケット等でクレジットカード会員の募集をする営業を経験しました。顧客と直接関わることもでき、「自分の頑張った分」がそのまま数値に表れる仕事はとても面白いものでした。しかし、そこで得た顧客の声や潜在的なニーズを、商品企画やプロモーションに応用したいと考え、企画部門への異動を希望し、それが叶いました。

 企画部門では、クレジットカードに付帯する商品やサービスの企画、それらの運用構築、プロモーションなどの担当となりました。不甲斐ない自分に何度となく涙したり、ハードワークでヘロヘロになったりしながらも、私の企画したことが数千人の社員を巻き込み、数千万人の会員の生活基盤を支えることに繋がることを考えると、責任の重さに比例して、成長を感じる日々でした。
また、営業時代には小売業をメインに担当してきましたが、企画部門ではサービス業をはじめ様々な業種を提携先として担当できましたので、クレジットカードの利用促進を通じて提携先企業の売上に貢献できることに、仕事のやりがいを感じていました。

 そして2014年末に社内公募を通じて、海外事業部に異動しました。私の役割は、国内最大級のクレジットカード会社としてこれまで積み上げた信頼やネットワークとノウハウを活かし、東南アジア地域での新規事業を構築することと、出資先のスタートアップ企業の成長を支援することです。2015年3月からはシンガポールに単身赴任し、スタートアップ企業に常駐しています。初めて経験するスタートアップ企業ならではの仕事の進め方や、初めての海外駐在、唯一の日本人という環境で奮闘しながら、充実した日々を送っています。

 もともと今の会社に入社を決めたのは、世の中の経済活動の基盤となる仕事がしたいと考えたからでした。クレジットカード事業なら、その国の決済インフラとして携わることができると思ったからです。クレジットカードは日本では成熟期の事業ですが、東南アジアはまだまだこれからです。クレジットカード保有比率はたったの3%で、これから普及が拡大していく状況です。各国ごとに規制があって変化も激しく、なかなか一筋縄では進みませんが、人々のライフスタイルを変える可能性を秘めている仕事なので、とてもエキサイティングです。

キャリア選択のベースとなる価値観について

~キャリアを切り拓く中で大切にしてきた3つの事~

 海外事業部への異動は、社内公募にエントリーして3度目にようやく叶いました。いずれは、海外と繋がる仕事か、もしくは海外で働きたいと考えていました。ただし、今の会社や仕事が好きなので、転職やワーキングホリデーよりも、この会社で働き続けながら海外へ赴任するほうが、ずっと自分に合っているはずだと考えました。加えて、海外赴任が結婚や出産・子育てのタイミングに影響するかもしれないことを考えると、タイミングは出来るだけ早いうちに、身軽なうちにと考えていました。海外で働きたいと考えた理由は、大学時代に国際政治や地域行政を学んだことがきっかけです。日本と諸外国との相互依存関係が深まっていることや、日本と全く異なる社会を形成している国々の存在を知りました。アジアでは高い経済成長を背景にポジティブな思考の人たちが多く、才能ある若い人たちが活躍していることへ興味を抱いたのです。ただ、留学経験もなく、英語でのコミュニケーションに自信があるわけでもありませんでしたので、「チャレンジして失敗したら恥ずかしい、言ってもできなかったらどうしよう」と心配していました。
 特にグロービスで学ぶ前は、なかなか自分のキャリアビジョンについて積極的に人に話すことはありませんでした。しかし、グロービスで志を仲間と語り合っていく中で、自らの想いを込めた言葉が、実行力とエネルギーを与えてくれることに気付きました。志の実現に向けて仲間が協力してくれるということに勇気づけられてからは、自分のやりたいことや志を周囲の人に話すことを恥ずかしいことではないと思うようになりました。異動の公募に応募した際に、会社にも「MBAで学んだことを自社の成長に活かしたい」とまっすぐにアピールできたと思います。

 海外赴任に際して、心配していたことがもう1つありました。実は、海外赴任が叶ったのは、結婚後すぐのタイミングだったからです。夫の力強い応援があってこそ、夫と離れ単身で海外勤務にチャレンジする決断をしたのですが、少しの不安も無かったと言えば嘘になります。夫との同居より自分自身の進みたいキャリアを選択したことで、万が一、結婚生活がうまくいかなくなったら後悔するかもしれませんし、まわりの人からも当然の結果だと思われるかもしれません。しかし、シンガポールで働き始めるととても勇気づけられました。なぜなら、シンガポールには世界中から多種多様な人たちが集まってきていて、そこに住む人達は、自分のキャリアを自由な発想で考えているから。今では、自分がこれまで聞いたことのないキャリアだからといって諦めるのではなく、切り拓いていく選択をしてよかったと心から思っています。その後、夫もシンガポールで働くことを決め、彼の会社に掛け合い、今はシンガポールで共に働いています。これは、家族の理解とそれぞれの会社のサポートが無ければできないことだと本当に感謝しています。それと同時に、今の生活や仕事は、多くの方々の支援で成り立っていることに気付かされました。自分を支えてくれているすべての人への恩返しの意味でも、自分自身の成長とビジネスや社会への貢献を意識して、仕事に打ち込んでいます。
そんな風に新天地に飛び込んだ私ですが、最初に海外勤務の公募が出たときは、実は応募をためらっていました。入社以来ずっと望んでいたことなのに「英語ができるようになってから応募したい、応募すべき」と思い込んでいたので、最初は応募をしないでおこうと思っていました。また、身近に海外赴任経験のある20代の同世代女性がいなかったので、経験者の話を聞くことができず、海外での生活をリアルにイメージできないことへの不安もありました。

 しかし、グロービスで学び始めていた私は、チャレンジングな業務に携わることに自信も感じ始めていましたので、英語力の無さを嘆いて諦めるよりも、まずチャレンジしてみよう!最初から100点なんて取れないかもしれないけれども、成長できる場所で頑張ってみよう!と挑戦することにしました。これまでも異動すると思うように仕事が進められず苦しかったけれど、その時こそ成長したことを思い出して、奮い立たせたことを覚えています。

 私は、自分のキャリア形成に対し、ロジカルに考え、万全な準備を整えていたわけではありません。むしろ、「最後はなんとかなるだろう、むしろなんとかするんだ」という「気合」と「楽観」の合わせ技のような結果です(笑)。しかし、チャンスが来た時に、それを掴みに行くために心がけていたことがあります。その心がけとは、次の3つのことを意識することです。

1.常にアンテナを高く張り、興味の分野を幅広く持つこと
2.様々な人と会うこと。その人から学びとる姿勢を持つこと
3.人のために動くこと。それができるための実力をつける努力をすること

必要なスキルと能力開発について

~リスクを恐れず、対等に、思いっきり議論することで成長~

 営業から企画部門に手をあげて異動した後に、大きな壁にぶつかりました。仕事の中身が、これまでの「取り掛かる手順が明確な仕事」から、「何をどうやってやるのか、も自分で決める仕事」に大きく変化したのです。それに気が付いているものの、うまく行かないことに強い焦りを感じました。それまでも自分なりに工夫を重ねて仕事をしてきたのですが、考える範囲が大きく広がり、自ら意思決定することを求められ、責任の重さに押しつぶされそうになっていました。そんなときにビジネススクールの存在を知り、MBAを意識し始めました。

 弊社には若手が経営層に経営課題の解決を提案できる制度があり、私は自社をより良くしたいという想いから、過去に応募し、入賞したこともありました。しかし、その提案を実行して課題を解決できたわけではありませんし、その自信もありませんでした。自分は口だけで提案はできるが、「実現する力」がないと悔しさを感じていたことも、MBAを意識した背景にあります。そのような経緯で、グロービス経営大学院の体験クラスに参加し、実践的な学び方に「これだ!」と思い、受講を始めました。

 グロービスで学び始めてから気が付いたことがあります。経営は書物で学ぶもので、もしくは長い時間をかけて経験を通じて学ぶものと思っていました。しかしそれよりも、むしろ私は「人から学ぶことが最も価値があり、ビジネスでの成果にもつながる」と感じています。今は書籍やネットを通じて容易にたくさんの知識を得ることができます。また経験を通じて学ぶこともあります。しかし、それらは既に「過去」のものです。当たり前のことと思うかもしれませんが、急激に変化している市場の最新で正確な状況や、経営者が人知れず懐で温めているビジネスアイデアこそ、人から学べることであり、ビジネスに繋がっていくと思っています。実際にグロービス在学中に実感したエピソードがあります。ある同級生と雑談している際、彼女が担当していた販促企画が急遽延期になって、次回は使えないプロモーション用のサンプルを大量に抱えてしまっているという話を聞きました。そこで私は、自分が携わっていたカード会員様向けのプレゼントキャンペーンに活用できるかも!と思い、その企画を実現しました。ふとした雑談からでしたが、私たちが実際に会って、具体的な話をしたことによって、両者にとって日頃の延長線上では思いつかないアイデアが生まれ、結果的に顧客に喜んでもらうことができました。こういうことがグロービスでは日々、起こっています。

 私は、グロービスに入学することで人の輪が広がり、自ずと人から学ぶ機会も増え、自らの成長に繋がっていきました。良い出会いは紹介や評判によって、次の新しい良い出会いに繋がります。20代の私にとって、仕事で出会う機会がない他業界の人々、さまざまな年齢層、立場の人々と、リスクを恐れず対等に、思いっきり議論することができたことは本当に貴重な経験です。
 今後は、異文化・異言語でのコミュニケーション能力の向上をはじめ、生の情報収集や人的ネットワークの構築、事業立案のマインドと必要なスキルを磨いていくことで、日本だけでなく世界をフィールドとした自社のビジネス拡大に貢献したいと思っています。海外事業の新規開発、拡大フェーズは、グロービスで学んだ戦略構築、投資判断のスキルを活かすことはもちろん、組織の強みを活かして実行力を高めるなど、自分なりのマネジメントを実践するのに最良の舞台です。
中長期的な私の「志」は、グロービスの入学当初から変わらず「女性や高齢者も含め、皆が働きがいを感じることができる社会を創る」ことです。自分自身が理想とする社会を構成する一人としてそれを体現していくと共に、それを望む人々の支えとなりたいと思っています。
私の「可林」という名前は「可能性が林のようにたくさんあるように」との願いを込めて親が付けてくれたのですが、私はもうひとつ意味を加えています。それは、「自らの可能性を増やすだけでなく、周囲の人々の可能性も広げる支援ができるようになること」です。可能性の林を広げるためにも、じっくりと海外現地に根を張り、ビジネスを手掛けていく過程で多くのものを吸収し、もっともっと成長していきたいと考えています。
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海外事業部への異動事例 クレディセゾン 金子氏 のページ。実践的なMBA(経営学修士)のグロービス経営大学院。リーダー育成のビジネススクールとして、東京・大阪・名古屋・仙台・福岡・横浜・水戸・オンラインでMBAプログラムを提供しています。