活躍する卒業生・在校生

卒業生のキャリアケース:異動

卒業生のキャリアケース:異動

森 勇樹さん

営業職からマーケティングマネージャーへの転身

住友スリーエム株式会社コマーシャルグラフィックス事業部 マーケティング部 担当マネジャー

森 勇樹さんYuki Mori

※年齢・肩書きはインタビュー当時のもの

今までのキャリアについて

~商品のあらゆる意思決定に関わるマーケティングという仕事に~

 新卒で現在の会社に入社。自動車補修業界向けの事業部で1年間新規ビジネスの営業を担当した後、コアビジネスの営業、建築業界向けの事業部で新規ビジネスの営業をそれぞれ1年間担当しました。その後5年間はコアビジネスの営業として、設計事務所やゼネコンに対して、窓ガラスフィルムのスペックイン活動を行ってきました。
その後、サイン・ディスプレイ業界向けの事業部のマーケティング部に異動。新規ビジネス立ち上げのマーケティングを3年間担当後、コアビジネスのマーケティングを担当しています。
今までのキャリアの中で、3つの事業部で3つの新規ビジネスの立上げを行ったことは貴重な経験でした。最初の2つは営業でチームメンバーとして、3つ目の事業部ではマーケティングのチームメンバーおよび管理職として参画しましたので、業界・職種・立場の違いなど、身を持って経験することができました。
 現在はマーケティングマネジャーとして、担当製品の全てに責任を持っています。市場調査、分析、仮説構築、検証、戦略構築、マーケティング戦略構築からマーケティングミックスの実行(プロモーション、価格決定、新製品・製品改良、流通へのアプローチ等々)、さらには、セールス、販売店との顧客訪問や説明会・セミナー等も行います。その他には、担当製品に関わる製造、技術、財務、法務、他スタッフ部門をリードして製品の拡販のために実行できるあらゆる方法について相談しながら決めて実行しています。また、グローバル企業のため、アメリカやその他の地域とも定期的に電話会議やメール等で日々コミュニケーションを取りながら進めています。
 学生時代に想い描いていたマーケティングは、消費財のマーケティングでしたので、現在関わっている生産財(BtoB)のマーケティングはイメージとはギャップがありましたが、営業での経験やMBAでの学びを生かして、仕事をしています。マーケティング部は営業、製造、技術、財務、法務など他部門と協力して、ビジネスを進めていく上での方向性を決めたり、旗振り役になることを期待されているのですが、実際に新規ビジネスの立ち上げで自分が主体的に動かなければならない状況を経験した結果、自らが旗振り役になりたいと自然に考えられるようになりました。
勿論結果については責任がありますので、そこには大変さも感じています。目標数値達成のためには、ミッションの異なる多くの人々を巻き込んで意思決定をし、スピーディに実行する必要があります。日々の業務を回しながら、同時に中長期な視点で効果が出るであろう施策についても進めるという、マルチタスクな動きが求められる点は、プレッシャーを感じます。進捗にあたっては常に期限を区切り、スケジュールを見える化するなどの工夫をしています。目に見えて結果が出る打ち手についてはさらに加速、残念ながら結果が出なかったものについてはレビュー後に改善、ということを繰り返します。
営業時代には自分の担当エリアしか見ることができませんでしたが、マーケティング部では他部門や海外部門とビジネスを進める機会が多く、視野・視点・視座の変化を感じるようになりました。担当製品についてのあらゆる意思決定に関わることができ、非常に大きなやりがいを感じています。

キャリア選択のベースとなる価値観について

~マーケティングへの関心はいかにして醸成されたか~

 実家が家業をしていることもあり、幼い頃から商売というものが身近な環境で育ちました。父親からこんな商品を企画して販売につながったという話をよく聞いていたので、経営学に興味を持ち、大学では経営学を専攻しました。学んでいる中で興味を持ったのがマーケティングの分野で、ゼミもマーケティングを専攻。将来は自分もマーケッターとして活躍したいという気持ちが芽生え、就職活動はメーカーを中心に行いました。現在の会社には、大学の授業の中で出てきた新製品の開発ストーリーや、自由な社風というところに惹かれて入社しました。
入社後は新規ビジネスの営業にアサインされました。上司や周りの先輩から、社会人、そして営業としての仕事の進め方・ルールを教えて頂きました。しかし、新規事業については皆が経験をしたことがないものであり、特にビジネスの仕組みの構築については誰に聞いても明確な答えが返ってこず、自分で考えるしかない、ということに気付きました。
そこでまずは本で勉強をしたり、様々なセミナー、学校へ通ったり、同じ部署だけではなく社内外問わず色々な方とお会いして話を聞くことにしました。なりたい自分を想い描き、キャリアについて考えることの重要性を感じ始めたのもこの頃でした。
新規ビジネスでは既存のコアビジネスのように先輩方が脈々と築いた勝利の方程式があるわけでもなく、上司から明確な指示があるわけでもないという環境でしたので、結果を出すためには自分の実力を早期に上げていくしかありませんでした。外資系である当社の新規ビジネスでは短期間で結果を求められます。そのような環境が後押しした面もありましたが、事業の仕組みそのものから考えるというような発想は、同じ営業でも手取り足取り恵まれた環境のもとでは、生まれてこなかったと思います。
こういった環境の中で、自分が動けば動くほど前に進む感覚や、ゼロから仕組みを立ち上げていくこと、そして最初は何もわからないところから課題と方向性を発見して色々な人の力を借りながら課題を解決し、結果を出すことに楽しさとやりがいを感じました。

必要なスキルと能力開発について

~ターニングポイントとしてのビジネススクール~

 新規ビジネスの構築が出来るようになるため自らの実力を高めたいと思い、まず個人で自発的に取り組んだことは、ビジネス書の多読でした。
他には、とにかく色々な知識をインプットしてみたかったのもあり、会社の社内研修制度や会社が契約していた外部のビジネススクールの単科コース「クリティカル・シンキング」に積極的に参加したことです。さらには、会社の人事システムで経営大学院への通学制度が開設されたので応募し、MBA取得を目指すに至りました。
 ビジネススクールでは、様々な異なる業種、職種、年齢の社会人の方々と知り合い、多くの考え方に触れることができました。その中ですごい!と思った人たちと自分を比較すると、圧倒的な実力差があることに気付き、どんな自己投資やどんな経験をしてきたのかを詳しくヒアリングをしてみました。その経験を通じて、自分がこうなりたいと思えるロールモデルのイメージが特定できたため、現在の自分に何が足りていないか、どの分野を伸ばせばよいかを明確に意識できるようになりました。また、目の前の仕事への考え方・取り組み方を変更したり、自己投資すべき分野が明確になり、継続的に努力できるようになったと思います。
営業からマーケティングを経て経営者となられた方、海外でビジネスを経験されグローバルリーダーとして活躍されている方など、本当に様々な方々から刺激を頂くことができました。人生の先輩方と話す中で、時に涙が出るぐらいに感動し、自分を鼓舞する励みになったり、具体的にキャリアパスを考える参考になったり、40歳までに自分が何をすべきか、目の前の業務にはどう向き合うべきかなど具体的な努力の仕方について示唆を得ることができました。

20代後半から30代にかけて、自分に足りていないと感じたことを5つ挙げると、
・グローバルに活躍するための語学力から異文化への理解、受容、心構え。
・新規ビジネス、マーケティング分野の戦略立案するロジック、仮説構築力。
・実際に意思決定したことについて周りを巻き込んでリードする実行力。
・圧倒的に厳しい環境の中でも前に進める、胆力、人間力。
・継続的に努力し続ける力。
といったものです。

ビジネススクールでの様々な方々との出会いや授業を通じ、これらの能力の不足に気付き、どうすればその能力を得ることができるのかを考えることができたのは、今振り返ると大きなターニングポイントであったように思います。
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マネージャーへの社内異動事例 スリーエム 森氏 のページ。実践的なMBA(経営学修士)のグロービス経営大学院。リーダー育成のビジネススクールとして、東京・大阪・名古屋・仙台・福岡・横浜・水戸・オンラインでMBAプログラムを提供しています。