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卒業生のキャリアケース:転職

卒業生のキャリアケース:転職

吉原 聖子さん

製造業の人事という仕事。その天職に出会うまで。

シャープ株式会社を経て、オムロン株式会社グローバル人財戦略部 グローバル人事グループ長

吉原 聖子さんShoko Yoshihara

※肩書きはインタビュー当時のもの

今までのキャリアについて

~国内電機メーカーに魅せられてスタートしたキャリア~

 学生時代は英語が好きで、海外に関心を抱いていたことから、ただ漠然と外資系への就職を考えていました。大学3年生の夏にアメリカを訪問した際、アメリカは日本より社会的にも文化的にも遥かに進んでいるという事実にショックを受けたのですが、同時に、アメリカでの日本の電機メーカーの認知度や人気も高いことから、日本の生み出すものは世界に誇れるものだと確信。このことがきっかけとなり、日本の電機メーカーで海外を相手に仕事がしたいと思うようになって、大学卒業後は、シャープ株式会社に入社しました。
電機メーカーの中でも就職先にシャープを選んだのは、自由な風土と女性でも十分に仕事を任せてもらえそうな期待を感じられたからでした。大学の先輩から直接話を伺ったり、会社説明会や採用面接を通じてその魅力を知りました。加えて、私にとって地元企業であり、自宅から通えてプライベートな時間を確保できるため、学生時代から取り組んでいるボランティア活動や友人との交流を従来通り継続して行えることから、入社に至りました。
シャープにはトータルで約19年間在籍し、海外をメインに営業・マーケティング・人事の業務を経験しました。扱った製品はオーディオ商品、テレビ・ビデオ、新製品など。 その後転職し、現在はオムロン株式会社の人事部でグローバル人事の担当をしています。

キャリア選択のベースとなる価値観について

~自分を見つめ、感じたままにトライすることが適職発見につながる~

 学生時代は、ちょうどバブル景気の真っ只中であったため、就職のために何かをするということは全くなく、英語を学ぶクラブ活動(English Speaking Society)とリーダーも務めたガールスカウトでのボランティア活動に明け暮れる日々でした。 従って、キャリアについて真剣に考え始めたのは社会人になってからで、4度の分岐点を経験しました。
まず初めの分岐点は、入社後5年目の頃です。それまでは一人前に仕事がこなせるようになりたいと一生懸命だったのですが、一通り仕事が出来るようになり、何のために働いているのかが見えなくなったのです。長時間拘束で、それほど重要と思われない仕事を多くやらされることにも疑問を感じ始め、サラリーマンではなく、何かのプロとして独立できないかと考え始めました。英語通訳になろうと考え、夜間・週末に通訳学校に通い始めたものの、仕事の需要や自分の実力などを踏まえた結果、通訳で食べていくのは至難の業と感じ、サラリーマンを続けることにしました。
 2度目の分岐点は、入社後12年目の頃です。1度目の分岐点で感じた、同じ疑問が再び沸いてきた時期でした。その頃には既に結婚していたこともあり、一人で食べていけなくてもいいから、やはり通訳になりたいと考え、再度、通訳学校に通い始めました。今度は、力を大分つけることができましたが、通訳は組織内でチームとして仕事をするのではなく、一人で仕事をすることが多く、一度きりの仕事も多いために自分には向かないと考えるようになりました。
とはいえ、当時就いていた営業の仕事にはもはや魅力を感じなくなっていたため、社内で興味の持てる仕事がないのかを改めて考えてみました。思案の結果、学生時代のガールスカウトのボランティアや、塾の講師のアルバイトがとても好きだったことから、自分の関心は「人」にあるのだと自己認識し、まさに「人」に関わる仕事である、人事の仕事に携わるべく異動を申し出ました。結果、想いは叶い、人事部に異動。人事の仕事は、慣れるまでは大変でしたが、これが天職だと思えるようにまでなりました。
3度目の分岐点は、入社後15年目の頃です。管理職になり、担当している仕事の中でやりたいことを沢山見出しましたが、どこから手をつけていいのか分からないといった、やり遂げる力が不足していると感じたのです。そこで、力をつけるために、ビジネススクールに通うことにしました。最初は、人事の業務に必要不可欠な人的資源管理の科目のみを受講するつもりでしたが、周りの方から、自分がきちんと論理的・構造的に考えているかをチェック(批判)しながら思考を進めていくスキルを身につけるべき等、様々なアドバイスを受け、気付けば大学院に進学していました(笑)。
そして4度目の分岐点はビジネススクールで学んでいる時期に訪れました。学友の話を聞くうち、人や組織のプロとして仕事をしていくためには、一つの組織(会社)の経験だけではだめだと感じるようになったのです。やりたいことがやれない状況で苦しんでいた時期でもあったので、さらなる可能性やチャレンジを求めて転職活動をし、オムロン株式会社に転職することに決めました。

必要なスキルと能力開発について

~人・組織分野のプロとして思うこと~

 前述の通り、私は自分を見つめた結果、人・組織の分野のプロとして生きていきたいという想いが明確になって、それに必要なスキルや経験を着実に身に付けるべく動いてきました。
ビジネススクールへの通学を決めたのも元は人・組織分野の体系的な学びを得たいという動機からでしたし、オムロンへの転職も複数会社での経験を積むことが活きた知恵を得るうえで非常に大事だと感じたからでした。
こうしたスキルアップや経験値の獲得を実際に行っていく上で大切なのは、強い想い=志を持っていることだと感じます。私の場合は、人・組織分野のプロとして活躍していきたいという想いだったわけですが、この部分が強く明確に持てているからこそ、転職という大きな決断ができましたし、周囲からの信頼や協力が得られ、アドバイスもしていただきやすくなりました。
 今は具体的でなくても、自分が何に興味があるのか、何をやりたいのかを日々考え続け、その方向に向かって選択をしていくことが大事で、そうすればいつか必ず、やりたいことが見えてくるのではないでしょうか。私自身も最初は通訳の仕事がしたいと考え、実際に動いてみて、また違う関心が出てきた時に軌道修正をして、といったことを繰り返す中で真にやりたいことが見えてきたように思います。もちろんやりたいことの実現に向けて力をつける努力も必要だと考えます。
とは言え、皆が皆、やりたいことを明確に持っていたり、見出せる訳ではなく、「強い何か」を見出さずとも、代わりに、柔軟に対応できる力や地道に働き続けられる力を身につけることなども1つの生きる道であるのは間違いありません。
「強い想い」を持っている人だけでは組織は成り立たないし、成果をあげられないですからいろんな力を持っている人々が集まって、組織としての力が発揮できるのだとも思います。素晴らしい部分を持ち合わせている、人それぞれが強みを活かして自分らしい仕事をしていくことが組織全体の成果を挙げていく上では大事なのでしょう。
いずれにしてもまずは、今の環境でもっと力をつけて、実績をあげる。そうすれば、次のステップがやってくると思います。今はまだその筋道が見えないとしても頑張っていれば必ず先が見えてくるものだと私は信じています。
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人事への転職事例 オムロン 吉原氏 のページ。実践的なMBA(経営学修士)のグロービス経営大学院。リーダー育成のビジネススクールとして、東京・大阪・名古屋・仙台・福岡・横浜・水戸・オンラインでMBAプログラムを提供しています。