教員からのアドバイス(大嶋博英)

大嶋博英

教員 大嶋博英からのアドバイス

教員 大嶋博英からのアドバイス

大嶋 博英Oshima Hirohide

※プロフィールはページ末尾に記載

グロービスでは、カネ系・思考系・グローバル領域科目の教員を担当。ご自身の体験から「MBAでの学びがキャリアを大きく広げる」、という感覚があるという大嶋教員。

これから学ぶことを検討している際に抱きがちな関心事について、どのように考えればよいか、話を聞いた。

なぜ今、「キャリア」というテーマが重要なのでしょうか?

実力主義の時代。能動的な準備で、力をつけてきた人にはチャンス。

当たり前の話かもしれませんが、「有名な大学を出た」とか「難易度の高い資格を持っている」だけでは、キャリアとして評価されず勝負できなくなってきています。皆さんもご存知の通り、キャリアの評価基準が外見的な見栄えから内面的な実力へと移行していることは明らかです。また、ビジネスがグローバルに展開されていく中では、日本人の比較対象は日本人だけに留まることはなく、世界中のビジネスパーソンが競争相手になっています。例えば採用という切り口でも、これまでは学歴や日本語能力で日本人が守られていた部分があるかもしれませんが、最近では日本語能力が70~80点でもそれ以外のビジネススキルが120点と優れていれば、海外の方を採用するという話を聞くことがあります。ビジネスで価値発揮できるかどうかが優先すべき評価基準である、まさに実力主義の時代であることを感じています。逆に言うと、学びや挑戦を通じて能動的に準備をし、力をつけてきた人にとっては大きなチャンスとも言えます。

グロービスのMBAは、学生の働き方にどのような影響をもたらしていると考えますか?

本気度の高いネットワークの中で「本当に自分がやりたいこと」を見つけ、実現する。

教員 大嶋博英からのアドバイス

「能力開発」への影響は当然ありますが、学生の世界を広げ「本当に自分が何をやりたいのか」に気付くきっかけになっていると思います。教員・学生などの多様なビジネスパーソンのキャリアや価値観に出会うことで、「今の仕事」、「今の会社」という単一的な場所に留まることなく、自分自身の世界観を広げていくことに繋がります。実際に社内異動や転職、起業など具体的なアクションの方向性は様々ですが、グロービスで学ぶことで「自分は何を成し遂げたいのか?」という「志」に気付くプロセスに入っていき、学生がやりたいことを実現する姿を見ています。

私が経験した海外フルタイムのMBAと比較しても、グロービスはクラス内外でのネットワークが圧倒的に強いと感じています。グロービスの学生は勉強会や懇親会、クラスメーリングリストなどの仕組みを主体的・積極的に活用しているため、クラス外の場でも様々なテーマで深い議論がなされているのが印象的です。学生同士もそうですし、私も教員として、例えばクラス後の懇親会などの場でキャリアに関する具体的な相談を受けることは珍しくありません。

これまでのように組織や他人から言われるがままに仕事をこなしていたら、ずっとそのまま自分のやりたいことができない可能性も高いのではないかと思います。従って、自分から能動的に挑戦したい/やりたいという意思を発信することが重要なのではないかと思います。そのためにもたくさん実践・経験し、たくさん失敗することを通じて自分の「やりたい」や「得意」を知ること。そして、自分の考えをぶつけるディスカッションパートナーがいること、様々な角度からのフィードバックを受けられるような多様性の高い場があること、さらに言うと、その場にSKILL/WILLを持った本気度の高い学生・教員が集まっていることが重要だと考えます。グロービスの学生が「本当に自分がやりたいこと」に気付けるのは、そのような環境があるからだと思っています。またお互い利害の無い関係性の中で、“社内では話しにくいような話”ができることも魅力の一つかもしれません(笑)。

そうはいいながら、自分の経験を振り返ってみても、簡単にやりたいことが見つかるという方はそう多くはないと思います。その場合は「やるべきことをやっていれば、やりたいことが見つかってくる」という側面に焦点を当てることや、能力・スキルの獲得を目的にまずは自分に力をつけるよう努力し、その先に将来的なキャリアの可能性を広げていく発想を持つことも重要なのではないかと思います。

グロービスでの学びは、どのような立場の方に役立てられますか?

営業職、技術職、経営者。それぞれの役割・立場でMBAは活きる。
専門性と掛け合わさり、飛躍的な成長のきっかけになるのがグロービスでの学び。

例えば営業職の方だとしたら、顧客が何に困っているのかを具体的かつ本質的にイメージするためには、数字を読み解かなければいけません。「有価証券報告書を読まずにきた営業はそのまま帰す」というぐらいの会社もあるようですから、財務諸表を元に経営課題の仮説を立てる力は必須と言えるのではないでしょうか。また期待を超える提案をするとしたら、顧客のマーケティングプランを理解しておく必要があります。その仮説を持てているかどうかで、顧客からの信頼感が高まり、提案の質は大きく変わるでしょう。さらにチームを管理する立場であれば、リーダーシップを発揮することや部下のモチベーションをあげることが必要になります。

またエンジニア(技術職)の方は、製品開発や生産・製造など部門を超えたプロジェクトをマネジメントする機会が増えていると聞きます。そこでは顧客が求めるプロダクトのイメージを理解した上で、社内のマーケティングプラン、コスト構造を踏まえ議論できることが求められます。いち技術者から新規技術戦略を立案する立場を目指し、経営者目線でコンセプトを構想し、ビジネス化(収益化)を考えられる力を求め、学ばれる方が増えているように感じています。

経営者事業承継予定者も多く学ばれています。これまで経験や勘で経営されてきたことを、あらためて言語化し体系的に捉え直すことで、次なる一手のヒントが得られたり抜け落ちていた部分の学びを得られたりしています。そして「振り返ってみると、もっと他に打ち手があったのではないか」という認識が生まれ、改めて経験の棚卸しをしてみることで、次の対策検討とそこに必要なインプットが何かを自覚する、という好循環になっていると思います。

「MBAは経営者のためのプログラムである」とお考えの方も多いかもしれませんが、私はあらゆる立場のビジネスパーソンが、それぞれの役割や問題意識にあわせて学ぶ価値のあるものだと考えています。

大嶋教員と同じカネ系に専門性を持つ方々(会計や財務畑の方々)は、どのように学びを活かすことができるでしょうか?

限定された経験をMBAが広げ、飛躍的な成長が期待できる。

教員 大嶋博英からのアドバイス

私のキャリアが近いということもあり、金融業界の学生から比較的多く相談を受けることがあります。一括りにはできませんが、彼らは「アカウンティングは強いが、マーケティングとファイナンスは弱い」という課題を抱えがちです。例えば融資先顧客の成長戦略を考えることや、個別の投資案件に関する採算性を考えることなど、意外とちゃんと考え抜けていない部分もあります。専門性が高い職種・仕事に携わるほど、経験できるビジネス・役割の範囲は限定されるので、MBAを学び経営を体系的に理解することで飛躍的に成長できる可能性を秘めているのではないかと感じています。

キャリアを真剣に考える皆さまへ、教員の立場からメッセージをお願いします。

グロービスのMBAという環境で、人が変わって欲しい。生き方が変わって欲しい。

人生は一回しかないので「自分は何をしながら生きていくのか」ということを、本気で考え、人生の早い段階から歩み出して欲しいと思います。100歩譲って、仮にそれが見つけられなかったとしても、これからの時代を生きていくために自分が必要だと思うスキルやマインド・心構えを身につけて欲しいと思っています。

表現は適切かわかりませんが、人が変わって欲しい。グロービスのMBAという環境で、様々な刺激を受けながら、生き方が変わっていく体験をして欲しい。そう願っていますし、それは十分可能だと考えています。

初めてグロービスで私のクラスを受けてくれた、あまり目立たなかった学生のことを思い出します。その後数科目の受講を経て、また私のクラスを受けてくれたのですが、まさに人が変わっていました。クラスでの発言内容や積極性もそうですが、勉強会や懇親会などの場面でもクラスメイトを巻き込むリーダーシップを発揮する人になっていました。タイミングはそれぞれですが、グロービスでは多くの学生が“人が変わる体験”をしているように思います。

教員の立場としては、学生から教員は常に見られていると思うので、私なりの「ロールモデルとしての自分」を出さなければならないと思っています。私はクラスを、30名前後のクラスメイトと一緒に進めていく3ヵ月間のタスクフォースだと捉えています。教員はそのリーダーだと考えています。自らも学び実践し続けるものとして率先垂範する場面もあれば、クラスの雰囲気を見ながら組織文化管理人としての役割を果たすこともあります。長く教員として登壇してきましたが、今でも常に学びが多く完成度の高いクラスにすることを目指すことで、教員としての責任を果たしていきたいと考えています。

大嶋博英プロフィール

名古屋大学法学部卒業、ヴァージニア大学ダーデンスクール経営学修士(MBA)修了

東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)にて市場性商品営業、米ドル資金調達を担当する。その後ゴールドマンサックス証券にてM&Aアドバイザリー業務に携わった後、トヨタファイナンシャルサービス(トヨタ自動車の金融統括会社)にて、経営企画、事業再生(子会社出向)、及びグローバル資金調達を担当する。2007年にグロービスに入社。ヴァージニア大学在学中に、海外の優秀な人材を活用した高品質・低価格の英語教育事業プランを作成し、ビジネスプランコンテストで準優勝する。同プランを原案に、まなび(株)(www.manabi.st)を設立、現在同社アドバイザーを務める。

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