MBAプログラムを検討する際、大きく分けると海外フルタイム、国内フルタイム、国内パートタイム、通信教育の4つの選択肢がある。履修期間や コストも様々で、使用する言語やキャリア中断の有無などにも違いがある。どの形態で学んでも学位はみな「MBA」となる。MBA取得を考えるにあたっては、まずはこの選択肢を理解し、自分にあったプログラムを見極める必要がある。まずは、それぞれの形態の特徴を一覧で確認してみよう。
各MBAプログラムの特徴
| 海外フルタイム MBA |
国内フルタイム MBA |
国内パートタイム MBA |
通信教育 MBA |
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|---|---|---|---|---|
| 受講形態 | 仕事を辞めるまたは、休職、あるいは企業派遣で海外にてMBAを取得 | 仕事を辞めるまたは、休職、あるいは企業派遣で国内にてMBAを取得 | 仕事を続けながら、国内の土日、夜間に通学しMBAを取得 | 仕事を続けながら、インターネット、通信など、主に自宅学習にてMBAを取得 |
| 履修期間 | 1~2年 | 1~2年 | 最短1~2年 | 最短1~2年 |
| 修了までの学費総額 | 学校によって大きく異なるが700万円~2000万円程度 | 120万円~400万円 | 130万円~340万円 | 100万円~300万円 |
| 言語 | 主に英語 | 主に日本語 | 主に日本語 | 提供元による |
このように、それぞれの形態によって様々な違いがある。例として海外フルタイムMBAと国内パートタイムMBAを取り上げ、以下のようにさらに詳細な項目について比較してみる。
MBAプログラムで学ぶカリキュラム領域は基本的には同じである。授業の合計時間は、フルタイム(2年間)で学ぶ海外MBA のほうが多く、企業研究や課外活動などにも十分な時間を割くことができる。また、海外MBAでは毎日数多くのケース(企業事例)を読み込んだ上で、授業内でディスカッションすることが多い。例えば、ハーバード・ビジネススクール(米国)では、2年間でおよそ600近いケースを読むといわれている。一方、国内パートタイムMBAでは、ケースを読む量は海外MBAと比較すると少ない場合が多い。国内パートタイムMBAの中で、多くのケース
を授業で取り扱っているグロービス経営大学院でも、2年間で150~200ケース程度である。その理由としては、国内パートタイムMBAでは、社会人が働きながら学ぶことを前提としているために、総授業時間数が少なく設定されていることが挙げられる。このように、ケースの量には海外MBAと国内MBAで差があるものの、国内 MBAではその分、ケースごとに「何を学ぶか」という学習ポイントを明確化させ、効率よくマネジメントスキルを修得できるよう工夫を行っている学校もある。
海外の場合は、留学する国やスクールによって大きく学費が異なるが、通常は700万円~2000万円程度である。例としては、ハーバード・ビジネススクール(米国)では1年間で$41,900、ロンドン・ビジネススクール(英国)では1年間で £44,490もかかる。これらの学費に加えて、渡航費や生活費なども負担する必要があることを考えると、かなり高額の出費となる。
また、企業派遣ではなく、仕事を辞め、あるいは休職して個人で留学した場合は、在学中の収入もなくなる。一方、国内パートタイムでMBAを取得する場合の授業料総額は130万円~350万円程度である。
海外の場合は、企業派遣でない場合、一度仕事を辞めるか休職してMBAを取得しなければならないが、国内パートタイムの場合は
ほとんどの授業が平日夜間または土日に開講されるため、仕事を続けながら履修することができる。
国内MBAの多くは日本語で授業が行われている。海外は主に英語である。海外MBAで2年間の経験をつめば語学力は確実に身につくので、経営スキルと英語力の両方を研鑽する場として活用できる。一方、国内MBAの場合は主に日本語で授業や議論が行われることが多いため、すぐにでもマネジメントスキルの修得が可能である。
海外MBAでは、国際的な人脈や、国際感覚を身につけることができる。グローバリゼーションが進む社会においてはこれらのスキルは非常に重要である。一方、国内MBAでは異業種、他業界のビジネスパーソンと共に学ぶことで、新しい人脈を築いていくことができる。
米国では、MBAホルダーの卒業直後の給与は他の修士課程修了者と比較して30%高く、学士卒のほぼ倍である(出典;Corporate Recruiters Survey 2007 Survey report / Graduate Management Admission Council)。また、欧米のトップスクールには学生と企業を結びつける専門のスタッフが存在し、インターン活動の支援や職務経歴書(レジュメ)の作成などを行い、リクルーティング活動をサポートする体制が整っているところが多いと言われている。
一方、国内ビジネススクールでは、企業との人材のパイプラインもまだ希薄な状態である。このことから、一部の外資系企業を除き、国内ではMBAを持っていることだけでは米国のように経営者候補となることは難しい。そのため、多くの場合はMBAで得た能力を実務で活かし、実績をあげるプロセスを経て企業の評価を得ていく必要があるだろう。
このように、MBAプログラムと一口に言っても提供される形態によって、履修期間からコストまでさまざまである。したがって、 グローバルに仕事をするために英語で学びたい、母国語で経営のノウハウを深く理解したい、現在のキャリアを中断せず
に学びたい、自分が将来想定しているビジネスに直結する人脈を作りたいなど、個人の目的にあわせて最適な形態、学校を選択する必要がある。